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1973年生まれ。千葉県出身。劇団MCR主宰。脚本家、演出家、俳優。猫が好きで甘いものが嫌い。演劇専門学校在学時、友人たちと一度きりの予定で公演するが、「意外とやれるかも」と徐々に劇団化。常日頃、お金のとれる会話とは何かを考え、芝居を作っている。その独特の言語感覚で紡ぐ舞台は、たとえゾンビが出てきても日常と地続きになり、観客を物語へ引きずり込む。MCRに欠かせない要素である「笑い」を水先案内人に進むうち、ふいに切なさに襲われる経験は一度味わえば癖になるだろう。十数年、演劇界に埋もれてきたダークホース。
しかし、それを無理して続けている場合、どうしたって最後には破綻します。
破綻しているのに、女性は「いつも払ってくれるから、今日も払ってもらえる」と思ってしまっている、コレはマズイ、いや、そう思わせることが自分の見栄と付き合っている女性を安心させる唯一の方法であったはずなのに、その安心が自らを最も追い詰めるモノになるとは、って感じです。
先ほどの「二千円しかないんだよね」ではないですが、いつ「今日はお金がないんだよね」を言おうかばっかり考えちゃってデートを楽しめなかったりします。
その場合においても「今日はたまたまお金がない」という、高楊枝的なモノを提示しようと必死になり、どうやったら「ずっとお金がない」のを「今日はたまたまお金がない」に見せることができるかという、
「それ考えるのに悩むんだったら、素直に言っちゃえば楽なのに」
と言われそうなことを必死になって考えていたりします、それが男というものです。
でも、それが悪いことだと言い切ることもできないような気がするんですよね。
見栄を張るっていうのは「格好つける」ってことだと思うんですけど、格好つけを格好いいに変化、つまりは「今はポーズなんだけどいつか本当にしてやる」みたいなことにできたら最高じゃないか、とか思うんですよ。
見栄を張り続けることで破綻してすべてを台無しにするのはもちろんダメですけど、すべて打ち崩して「見栄もなーんもない」状態で「ありのままをありのままに」提示し続けるのもなんか違うような気がするんですよね。
「誰にも迷惑のかからぬところで、目標への加速がつく程度の見栄なら張るべきだ」
とは思いますね。
まあ、でも、「お金が全然ないから今日はおごれないよ」すらも飛び越えたのっぴきならぬ状況(たとえば誕生日のプレゼントすら買うお金がないとか、それどころか会社に行く電車賃すらないとか)になって、これはもう「いや、本当はずっとお金がなかったんだ」と見栄を剥ぎ取り相手にさらけ出し、「ちょっと困ってるから電車賃でも貸してくれないか」ぐらい言ってみようかとなった場合、「お金が(ずっと)ないって知ってれば付き合わなかったのに」とか言う女性もいるかもしれないと思うと、なかなか、それは想像しただけで寒気がしてきますね。見栄なんか最初から張らなければよかったとか思いますね、それは思います。
「お前に嫌われないために張っていた見栄」が「お前に嫌われる要素」として君臨しちゃったらそれはもう、目も当てられないわ。
まあ、見栄でなんとか繋ぎ止めるような男は、化粧で何とか押し通そうとする女ぐらいあさはかであるとは思うんですけどね。
いやいや、でも、わかっちゃいるけど見栄も化粧も剥がせない、それが人間ってやつじゃないですか。
みなさんはデートのとき、おごられますか? おごりますか? それとも割り勘ですか?
僕はお金がないので、おごりたい気持ち100%ですが割り勘になっちゃいます。
おごることで優位に立ちたいわけではなく、ただ好きな人にごちそうしたいという気持ちであるだけなんですが、それができない悔しさ、尋常じゃないぐらいあります。
好きな人におごられることで嬉しさを感じながら、自分にお金がないということが湧き上がってきちゃって、「嬉しいよりも申し訳ない」が強くなったりする瞬間があること、猛烈に情けなく思います。
そう考えると、お金がないということが「不幸の象徴」のように思えてしまいますが、いや、そういう側面はあると思います、確実にあると思います。
ただ、その「不幸」はすべて自らの「見栄」から発生しているものであり、言い換えれば「見栄」を満足させるだけの金銭があれば「不幸にはならない」ということにはなりませんか。
あふれるほどの金はいらない。見栄を潤す程度の金でよい。
最近は、なんか、そう思っています。
もちろん、溺れるほどの金銭にまみれたいという欲はありますが、でも思うんです。
「高楊枝をくわえているところ」を見せる相手がいなければ、お腹いっぱいになっても空しいだけじゃないのかなって。
そしてその相手は、きっと、お金じゃ買えないんだろうなってさ。

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「FUTURE」
2009年12月16日(水)〜12月21日(月)
作・演出:ブラジリィー・アン・山田
キャスト:高山奈央子(KAKUTA)、櫻井智也(MCR)、諌山幸治、辰巳智秋ほか
場所:駅前劇場(下北沢)
http://www.bra-brazil.com/index.html