24年ぶりの来日!ブリューゲルの傑作「バベルの塔」と同時代の名作を揃えた展覧会

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人間が天まで届く塔を作ろうとして神の怒りにふれた、「バベルの塔」という旧約聖書のお話を知っている? その「バベルの塔」を描いたブリューゲルの傑作が24年ぶりに日本へ! 現存する油彩画が少なく、日本での公開が最も難しい画家のひとりと言われた巨匠の名作を、この機会にぜひ。

更新日:2017/02/14

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巨匠・ブリューゲルの代表作をメインに、ボイマンス美術館所蔵の絵画や彫刻など約90点が勢揃い

上野の東京都美術館では、2017年4月18日(火)から7月2日(日)まで、[ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝 ―ボスを超えて―]と題した展覧会を開催。

今回は、オランダのボイマンス美術館が所蔵する、ネーデルラント美術の巨匠、ピーテル・ブリューゲル1世の代表作「バベルの塔」(1568年頃)をメインに、同時代の絵画や彫刻など約90点を展示する。

ネーデルラント美術というのは、現在のオランダとベルギーにまたがる地方で、14世紀末から16世紀末にかけて花開いた美術のこと。中でも「バベルの塔」が16世紀ネーデルラント美術の至宝と呼ばれるのには、2つの大きなポイントがあるそう。

01「バベルの塔」

「傑作」のポイントは、壮大なスケールの構図と鋭い観察眼から生まれた細部の描写

ひとつは壮大な構図。遠くの水平線まで見渡せるような大パノラマを背景にして、画面いっぱいに巨大な伝説の塔を描いたブリューゲルは、誰も真似できないようなスケール感を出すことに成功している。もともとネーデルラントの画家たちには風景画の名手が多く、伝統的に広大な風景を描くのが得意だったそう。

もうひとつは、塔の建設の様子が細部まで実に細かく書き込まれていること。米粒くらいの大きさで描かれた作業員の姿は、どんな作業をしていたのかが分かるほどリアルで、まるで見て来たような描写力。

そんな鋭い観察眼を裏付けるような作品が、「アントワープの聖ゲオルギルス門前のスケート滑り」(1558年頃)。当時の風俗や街の様子を写実的に描いていて、この細かい観察が「バベルの塔」で働く人々の描写につながることが分かる。

03「アントワープの聖ゲオルギルス門前のスケート滑り」

注目!奇想天外な空想の世界をリアルに描くヒエロニムス・ボスの傑作2点が初来日

今回のもうひとつの見どころは、ネーデルラント美術で異彩を放った画家、ヒエロニムス・ボスの作品。彼は、ネーデルラント伝統の写実的で細密な表現を使いながらも、現実にはないような奇想の世界を描き出す名手。

現存するボスの油彩画は、ブリューゲルよりさらに少ない約25点。ほとんどがヨーロッパの美術館に所蔵されているけれど、今回はその中から2点が初来日するそう。

1516年に亡くなった後も人気は衰えず、数多くの画家たちがボスの画風をまねたので、16世紀半ばには「ボス・リバイバル」と呼ばれる現象が起こったほどだとか。

05「放浪者」

ブリューゲルの代表的な版画作品にも、ボスのモチーフが登場

もちろん、ブリューゲル自身もボス作品に影響を受けたひとりで、そのことがよくわかる版画作品も展示される。

ブリューゲルが下絵を描いた「大きな魚は小さな魚を食う」(1557年)というこの作品には、足の生えた魚や空を飛ぶ魚など、見るからにボス作品のスタイルをまねたキャラクターが登場。

よく見ると、作品の隅には版画を制作した版元が書き添えた「ボスの構想による」という言葉も。

09「大きな魚は小さな魚を食う」

奇想のモンスターが展覧会マスコットキャラクターに。キモかわいいフィギュアも登場!

2016年にボスの没後500年を記念してヨーロッパで行われた巡回展は大盛況だったそうで、そのファンタジックな怪物たちにも注目が集まっている。

そこで、今回の展覧会では版画作品に登場した足の生えた魚を、展覧会のマスコットキャラクター「タラ夫」として起用。「タラ夫」をモデルに、海洋堂が制作する「ブリューゲル・モンスターフィギュア」の発売も決定したという。この、キモかわいいフィギュアの限定版(シャンパンゴールド)がセットになった「グッズセット前売券A」(3200円)もあるので、キャラクター好きは要チェックかも。

モンスターフィギュア(限定版)

ブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」とともに、同時代の美術や個性的なボス作品が楽しめる展覧会。細部まで描き込まれた16世紀のネーデルラント美術を、隅々まで十分に堪能して。

ブリューゲル「バベルの塔」展の招待券を5組10名様にプレゼント

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ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝 ― ボスを超えて ―

東京都美術館外観

TEL03-5777-8600(ハローダイヤル)
東京都台東区上野公園8-36 東京都美術館 企画展示室
アクセス:JR「上野駅」公園口より徒歩7分、東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」7番出口より徒歩10分、京成電鉄京成「上野駅」より徒歩10分
会期:2017年4月18日(火)~7月2日(日)
休室日:月曜日(ただし5月1日は開室)
開催時間:9:30~17:30 金曜は20時まで(入室は閉室の30分前まで)

料金(前売):一般1600円(1400円)、大学生・専門学校生1300円(1100円)、高校生800円(600円)
「鑑賞ガイドセット前売券」1600円 ※鑑賞ガイドブック(非売品)付、枚数限定
「プレミアムナイト鑑賞会券」5000円 5月9日(火)・24日(水)、6月8日(木)の18:00~20:00実施 ※事前レクチャー、図録、飲み物など
「グッズセット券」 前売券A(フィギュア付) 3200円、前売券B(キーホルダー付>1600円、前売券C(マグカップ付)2000円、前売券D(ブックカバー付)1600円

画像:東京都美術館提供

NAOKO YOSHIDA (はちどり)

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※記事は2017年2月14日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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