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【恋する歌舞伎】第7回:人間と狐、常識を超えた珠玉の情愛物語

2016年2月17日(水)時計アイコン10:00コメント 110

【恋する歌舞伎】第7回:人間と狐、常識を超えた珠玉の情愛物語

日本の伝統芸能・歌舞伎。興味はあるけどちょっと難しそう、わかりづらそう・・・なんて思ってない? 実は歌舞伎は恋愛要素も豊富。だから女子が観たらドキドキするような内容もたくさん。そんな歌舞伎の世界に触れてもらおうと、歌舞伎演目を恋愛の観点でみるこの連載。古典ながら現代にも通じるラブストーリーということをわかりやすく伝えるために、イラストは現代風に超訳してお届け。

今月は「明治座四月花形歌舞伎」で上演予定の、”狐と人間”、種族を超えた恋愛&親子の情愛を描いた『芦屋道満大内鑑ー葛の葉ー(あしやどうまんおおうちかがみーくずのはー)』を紹介!

【1】男の身の回りで起こる様々な事件。やっと平穏な暮らしが始まるが・・・

高名な陰陽師の弟子である安倍保名(あべのやすな)という男は、自分の恋人・榊の前(さかきのまえ)が自害してしまうという不幸な事件があり、気が狂ってしまったが、その妹である「葛の葉姫(くずのはひめ)」のおかげで立ち直ることができた。

そんな保名はある日、森で追われる白狐を助けてあげるが、狐を狩り損ねた悪右衛門(榊の前を自殺に追い込んだ輩の一味でもある)という男に襲われてしまう。すると何処からか葛の葉がやってきて、その手厚い介抱により命を取り留めることが出来たのだった。2人はそのまま田舎でひっそり暮らし始めることになり、やがて男の子も産まれ、童子(どうじ)と名付け3人家族となり仲睦まじい生活を送っていた。

【2】6年連れ添った奥さんが、え、2人いる!?

6年もの月日が過ぎた頃、榊の前と葛の葉姫の両親である庄司夫婦と、葛の葉姫が保名の家を探してやってくる。しかし不思議なことに、家の中にも葛の葉がいるではないか。ちょうど帰宅した保名と話をするが、庄司親子は「娘を保名に嫁がせにきた」といい、保名は「葛の葉と6年前から一緒に暮らして子まで生した」と、話が噛み合わない。

はじめのうちは、親子で自分をからかっているのではないかと笑っていたが、家の中にいるもう1人の葛の葉を見て、いよいよただごとでないことに気付く保名。真実を確かめるために、親子には身を隠してもらい、家の中にいる葛の葉が何者かを確かめにいく。

【3】幸せな家族が離ればなれに。その理由とは!?

保名は平静を装い、いつものように妻に接する。そこで「君の両親が訪ねてくるらしい。子供もやっと見せてあげられるし、さぞ嬉しいだろう」とかまをかけるが、葛の葉は焦る様子もなく、楽しみだと喜ぶ。保名はどちらが本物なのだろうと訝しがり、うたた寝をしたふりをして様子を探ることにする。

しばらくして葛の葉は、とうとう時がきてしまった、と寂しそうな表情を浮かべる。この葛の葉姫そっくりの女の正体、実は森で保名に命を助けられた白狐なのだった!

本物の葛の葉姫が現れたからには自分はここには居られない。自分が狐であること、助けてもらったお礼にと、保名が恋慕っていた葛の葉姫の姿に化けていたことを話し出す。そして我が子を抱きかかえながら、別れの歌(※)を家の障子に残すのだった。


※「恋しくは たづね来てみよ 和泉なる 信田の森の うらみ葛の葉」という一首。この歌を、口に筆を加えたり、子どもを右手で抱えながら左手で裏から文字を書いたりするのが狐・葛の葉の霊力を感じさせ、見せ場となっている。

【4】狐と人間。心は通じていても逃れられない現実

すべてを聞いていた保名は、「たとえ狐でも君がいいんだ」と駆け寄るが、狐・葛の葉は忽然と消えてしまう。保名は童子を背中におぶり障子の歌を頼りに信田の森へと急ぐのだった。

人をだます、たぶらかすといった意味で「女狐」という表現が使われることがしばしばある。だがこの歌舞伎に出てくるのは、恩返しのため人間に化けたが恋心が芽生え、健気に6年間人間として生活をしていたという心の清い狐。その夫婦・親子の情愛は種族の壁を越え今も「葛の葉伝説」として語り継がれている。

ちなみに人間と狐が出会い恋に落ち生まれた子供、安倍童子(あべのどうじ)は非常に賢く育ち、また母の力を受け継いでか不思議な力を持つ。それが後の「安倍晴明」だと伝えられることも、この不思議な物語のエッセンスとなっている。
(監修・文/関亜弓 イラスト/カマタミワ)

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みんなの体験コメントみんなの体験コメントアイコン

げじ 2017/10/02 07:46:37
こういうストーリーを歌舞伎ではどのように表現するのだろう。
まさよん 2017/08/15 08:25:30
わかりやすく説明してもらえるので、いつも楽しみです。
むっつん 2016/02/17 18:07:20
悪右衛門の名前がそのまま過ぎて笑っちゃいましたが、いいお話ですね。 落語の狐もちょっとおとぼけさんだったりして、意地悪なだけじゃなく人間味があるので、この白狐も魅力的に映るんだろうな♪
oz2297 2016/02/17 18:02:48
とっても興味が湧きました~おもしろそう! でも両思いだった葛の葉姫が可哀想でもありますね…自分に化けられたことで人生が変わっちゃったような( ; ; ) 見に行きたいですー!
ショコラ♪ 2016/02/17 22:12:05
ハッピーエンドかと思ったら、なんだか切ないお話しなんですね。 6年も一緒にいて、なんか変だな?と思わなかったのかな?とついツッコミたくなる(^-^;
2016/02/18 07:40:06
このシリーズ好きです。 歌舞伎に触れる機会があまりなくても十分に楽しめます! オズのコースで、もっとお手軽なプランがあるといいのに…。
れこりん 2016/02/18 09:33:24
このコラム好き♪歌舞伎も好き♪よくわかって面白いです。しかし、本物の葛の葉姫は待ちわびただけって感じでそれはそれで可愛そうな…。
まき 2016/02/17 20:34:53
七之助が主演だし、面白そうだと思って調べてみましたが、四月花形歌舞伎はオズのエンタメ体験で夜の部しかなくて、残念…
にーこ 2017/06/03 04:58:28
人生色々ってことでその通り、題材はいくらでもあります。それをいかに皆さんに楽しく伝えていくのか。お芝居は良いね。
じゃき 2016/02/17 14:00:29
図と文章のお陰ですごく分かりやすかったです!歌舞伎だと人の演技も加わってさらに人情深くなってるんだろうなぁ…
ケイコさん 2016/02/17 13:54:51
歌舞伎!一度見たことあるけれど、よく分からなかった…高校生の時だったからなぁ。今見たらなんか感じ方違うかも☆
キナコ 2017/05/14 01:57:30
人間と動物の話って、昔話でもありますよね。狐だとしてもずっと家族一緒にいられたら良かったのに悲しい。
あゆぼん 2016/02/19 08:55:35
このシリーズ、分かりやすくて面白いので、毎回楽しみにしています!おかげで歌舞伎が好きになりますね♪
みなな 2016/02/18 16:41:55
最近メキメキと美人になってお芝居も上手になっていく七之助さんの葛の葉、 明治座とっても楽しみです♪
りなりな 2016/02/19 23:26:39
わぁ、すごいお話し~!6年間も連れ添ったならお別れするの辛かっただろうなぁ( ;´Д`)泣
レイチェル 2016/02/17 23:06:23
狐が化けていたのですね。面白いお話。しかも、子供が後の安倍晴明とは!興味を惹かれました。
ゆなち 2016/02/17 17:29:30
異類婚の物語は昔から今まで普遍的に取り扱われていますね。現代人でも取っつきやすいです。
yon 2017/05/03 22:40:23
鶴の恩返し的な要素もあり、またやはり情というものもあるのだなと感じられる作品ですね。
オズミン 2016/02/20 07:21:17
今回も分かりやすくて面白かったです☆歌舞伎だとどんな感じになるのか興味がわきました♪
azuki 2016/02/18 17:04:47
歌舞伎は敷居が高そうで行った事がなかったけど、このお話は面白そうだし見たいな。

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