編集部の「いい1日」リポート VOL.001

編集部の「いい1日」リポート

この連載では、編集部員が見つけた「いい1日」のヒントをご紹介していきます。特集のためのリサーチから、個人的な趣味の散歩、その他もろもろ、よりみちで出会ったことや感じたことをつづります。第1回目は、副編集長のイノウエ(♂)が清澄白河のとあるカフェを訪ねました。

更新日:2017/06/14

コーヒーの街、清澄白河でいい1日のはじまりを

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iki ESPRESSOは、空き家になっていたビルをリノベーション。シンプルですっきりしたデザインでリラックスできます。隣には多目的スペースもあり、展示会などが行わることも

僕が今日ご紹介するのは、今やすっかり人気の町となった清澄白河。オズマガジンでもたびたび特集させてもらった町ですが、来るたびに新しいお店が増えて、町がどんどんにぎやかになっています。でも、観光地のようにガチャガチャするわけではなく、穏やかな空気感は以前から変わりません。

そんな清澄白河のよさを改めて実感したのが、カフェのiki ESPRESSOさん。昨年のカフェ特集の表紙に登場していただいたお店で、先日、久しぶりに遊びに行ってきました。

最高のフレンチトーストと気持ちのいいご挨拶。

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フレンチトーストはブリオッシュタイプのパンを使用。絶妙な焼き加減、新鮮なフルーツ。天国かと思いました。ほかにオムレツも食べたことがありますが、とんでもなくおいしかったです

フレンチトースト(詳しく書きませんがものすごくおいしい)と、アイスのカフェラテ(こちらも同)をオーダーして、入り口そばの席でぼんやりしていました。このページでどんなことを書こうかなどと考えながら。

すると地元の人が店の前を次々通りがかるわけですが、そのたびお店のスタッフさんが軽やかに挨拶を交わしていくのです。犬の散歩をする人や、お子様を幼稚園か保育園に送った後らしきお母さん、そうこうしている間に常連さんがテイクアウトをしていったり、老若男女本当にいろんな人が。みんな大した話をするわけではもちろんないけれど、その様子を眺めているだけでとても気分がよくなりました。

顔見知りと挨拶をする。ただそれだけの普通のことですが、家と職場以外でそういう日常や場所があるかというと、なかなかありません。ああ、このいい時間のことを書きたいなぁと。思ったのです。お散歩中のあのワンちゃんと、飼い主のおばあちゃんが、お揃いのかわいいボーダーだったことも、なんだかテンションあがりました(ちなみに僕もボーダーでしたが、それについては誰も指摘しませんでした)。

例えば旅先の出会いみたいに。

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オープンな雰囲気はエントランスに表れています。清澄白河はカフェのみならず、ビアバーができたり、パティスリーができたり、ますます楽しい町になっています

自分の普段のコミュニケーションを考えると、家族、友人、同僚といった、よく知っている人たちとが大半で、そこに加えてSNSなどでのバーチャルなコミュニケーションが少々。そのどちらでもない、よく知らない人と対面してのかかわりは、面倒でもあるので、つい遠ざけがち。ですが、今日あらためて目の当たりにしてみると、それは案外大事なことなのかもしれないと思いました。

うまく言えないのですが、直接かかわりのない人同士が、たまたま居合わせたこの場で当たり障りのない声を掛け合うこと。「元気ですか」とか、「こないだのあれどうでした?」とか、ほとんど価値がないもののような気もしますが、そういうムダなものを省いてしまった“意味のあるものだけ”で作られた生活って、思うより退屈なんですよね。全部が予測可能になっていくからでしょうか。「有意義」や「充実」ばかりが人生をおもしろくするわけではなく、戸惑ったり、なんなら多少気分を悪くするのも、ある種のスパイスとして必要なのかもしれないなぁ、ということを考えました。旅先だとそういうことってよくありますよね。

そして、知らない誰かにかける声は、自分の気持ちのゆとりを測るもののような気がします。「こんにちは」「ありがとう」「いい1日を」。自分以外の誰かのために少しでも心を使えているかどうか。普通の挨拶が気持ちよく感じられたのは、そういうわけです。

構えなくていいのが下町のいいところ

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清澄白河は、隅田川からもほど近く。右手に見える白い屋根は、先日オープンしたレストランPITMANSのテラス席。ビール醸造所が併設されクラフトビールも飲めます

なにやらよくわからないことを言ってしまいましたが、そんなこんなでiki ESPRESSOは下町らしい他愛ない日常に触れられる居心地いいお店。入口が開放的で、外からは中が、中からは外がよく見えます。店内のゆったりしたレイアウトも風通しのよさをアップ。そしてオーナーの原瀬さんをはじめとしたスタッフさんがみんなフレンドリー(もちろん話をしたくない人はちゃんと放置)。

オセアニアスタイルの洗練されたお店なのに人を選ぶ感じが全然なくて、観光客も、外国人も、地元の人も、世代問わずいろんなお客さんがいるのが、オープンから1年半でこの町ともすっかり仲よしな証拠です。みんないい時間を過ごしているので、よかったらぜひ訪ねてみてください。

清澄白河に限らず、東京の東側にはこういう肩肘はらなくていい魅力的な場所がたくさんあります。僕が担当する回では、そんな下町のあれこれをお伝えしてみようと思いますので、下町好きの方も、そうでない方も、お楽しみいただければ幸いです。実は、下町エリア在住なものでして。

さて、編集部員の「いい1日」リポート、いかがでしたでしょうか。次の更新は、来週の金曜日。編集部タキセよりお届けする予定ですので、どうぞお楽しみに。

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