- エミ(32歳)の場合 -
【プロローグ】 2歳年上の彼と付き合って2年。結婚するなら彼だと決めてるし、彼もそう思ってくれている。お互い気持ちを確かめ合ってるけど、今の関係が心地いいから先へ進めない私たち。お互い仕事も順調だし、休日に楽しむ趣味だってそれぞれある。カッコいい自立カップルのデートは、彼の家でまったりばかり。クリスマスくらい、豪華な大人のロマンチックデートをするんだ。
13:00 待ち合わせなんて久しぶり
「ねぇ、覚えてる? 初めてのデート」。 2年前、仕事を通じて出会った私たち。第一印象は「生意気な女」だったんだよね。休日出勤の帰り、デニム姿のカジュアルな私に声をかけてくれたマサヤ。お互い全然印象が違って、そのまま飲みに行ったバーから大きく見えたのが、東京タワー。それ以来2人のシンボルになったタワーの下で、今日は待ち合わせ。待ち合わせって、久しぶり・・・。車でくると思って道路を見ていたら、彼は歩いて現れた。「たまにはこんなデートもいいと思ってね」
17:00 今年初のイルミネーション
人ごみをずんずん歩く彼に「歩きづらいヒールと薄いコートで来ちゃったじゃない」と憎まれ口をたたいてみる。でも、しっかり握られた手から伝わる温かさと、いつもと違う感覚が新鮮でなんだかうれしい。電車に乗って向かった先は、今年初めてのクリスマスを迎える『ミッドタウン』。イルミネーションなんてベタだなって思ったけど、切子ガラスをイメージしたこのツリー、大人っぽくてステキ。そのまま『けやき坂通り』に歩いていくと、白銀に輝くその先には待ち合わせした東京タワー。
「私たちのタワー、どこから見てもステキね」
19:00 キャンドル越しのディナー
「もう1つ、見せたい明かりがあるんだ」
そういって連れて行ってくれたのは、青山の閑静な街並みにたたずむイタリアンレストラン『エリュシオンハウス』。一面に広がる窓からは、お庭のイルミネーションが見える。「これのこと? ロマンチックでキレイだね」。そんなことはお構いなしに、声を潜めてマサヤが言う「エミに見せたかったのはこれだよ」。東京タワーと同じ色に輝くキャンドルが、私たちのテーブルに運ばれてきた。私がこの赤い色にこだわってること、知ってたんだね。天井を向いて微笑む私に、マサヤは疑問顔でワインを注いでくれた。
【エピローグ】 ねぇ、上の階にチャペルがあること、マサヤは知ってて選んだのかな、このお店。バージンロードには、赤いバラが敷き詰められているんだよ。久しぶりに、ロマンチックなディナーをした。家でまったり過ごすときには話さない、未来の話しもした。デートの続きは、夜景が見えるホテルの部屋で。大人になっても、クリスマスっていいね。
クリスマスは若い子たちが盛り上がるもの。そんな考えはNG。大人だからこそ、クリスマスの特別ディナーや、シャンパン付きのホテルステイなど、ゴージャスな1日を過ごしてみてほしい。そのときに大切なのは、彼の演出に無邪気に喜んだり、手をつないではしゃいでみたりと、かわいい一面を見せるとこと。いつもと違う、そんなあなたに、彼の気持ちも高まるはず。