東京で旅を感じるイベント 巨匠の写真展でプチトリップ「琉球 ふたつの海」

【毎週金曜日 16:00更新】
週末、旅に出なくても都内や東京近郊で旅気分を味わえる、イベントやお祭りを紹介。地方や外国などのグルメ・伝統・文化を体験しながら、遠くの土地に思いを馳せて。

更新日:2016/10/28

写真展でまるで沖縄の海にいるかのような気分に

写真展でまるで沖縄の海にいるかのような気分に
「ナカモトイロワケハゼ」

臨場感あふれる写真を見ていると、本当にその場にいるかのように引き込まれてしまう・・・。そんな経験がある人も多いのでは? 写真によって沖縄の海へと誘う企画展「中村征夫写真展『琉球 ふたつの海』」が、10月29日(土)から開催される。「遥かなるグルクン」と「美ら海 きらめく」という2つのテーマで撮影し、それぞれ最新の写真集に収めた作品が展示。水中写真の第一人者である中村征夫さんが長年沖縄に通い続け収めてきた海の姿は、見るだけで美しさや迫力に圧倒されるはず。

沖縄の海が見せる2つの表情に注目して

沖縄の海が見せる2つの表情に注目して
「グルクンを追い込む海人」

テーマのひとつ「遥かなるグルクン」は、沖縄の伝統漁法“アギヤー”を行う海人の日常に迫った作品。アギヤーは2種の網を海底に張り巡らせ、地元民に親しまれている県魚・グルクンを一網打尽にする漁で、非常に過酷なのだとか。海人たちの勇壮な姿をモノクロで切り取った写真の数々は、穏やかで美しいイメージのある沖縄の海の別の表情を見せてくれそう。

沖縄の海が見せる2つの表情に注目して
「ザトウクジラ」

「美ら海 きらめく」は、海の生き物たちの一瞬の輝きを展示。沖縄へ行くのにパスポートが必要だった時代から撮り続けてきた中村さんが、乱開発のあおりを受けたときやそれを乗り越えサンゴ礁が蘇るまでになった景色を「これこそが真の琉球の海の姿」と感じ、撮り下ろした作品が揃う。クジラやマンタなどの生き物たちの、愛らしい姿には心が癒される。

沖縄の海が見せる2つの表情に注目して
「きらめく珊瑚礁」

「美しい海や愛らしい生き物の写真をきっかけに、その背景にある沖縄の日常のドキュメントを合わせてご覧いただくことがポイントです。改めて、かけがえのない自然環境を守る事の大切さや、日常生活では気づく機会の少ない伝統に秘められた人間ドラマに思いを馳せてください」とコニカミノルタプラザの福士麻衣子さん。

トークショーでより深い海の世界へと

トークショーでより深い海の世界へと
「サンゴの産卵」

中村さんは1977年に東京湾にはじめて潜り、ヘドロの海で生きるたくましい生きものに感動し、水中写真を撮り続けてきた、日本を代表する水中写真家。報道の現場での経験を活かし、さまざまなメディアを通して海の魅力や海をめぐる人々の営みを伝えており、写真展の期間中もトークショーを開催予定。10月30日(日)、11月11日(金)、19日(土)の3回で、各回50名ずつ。写真を眺めながら話を聞いたら、より沖縄の海への興味が膨らむはず。せっかくのチャンスだから逃さないで。

トークショーでより深い海の世界へと
「帰港する福里健三」

会場となるコミカミノルタプラザは、2017年の1月23日(月)で運営終了となり、こちらで行われる特別企画展は今回の「中村征夫写真展『琉球 ふたつの海』」が最後。著名な日本人写真家の展示だけでなく、海外在住の写真家の作品をテーマにした特別企画展など、写真展を年間約70件を開催してきたそう。そんな多くの客を魅了してきた場所の最後にふさわしい、素晴らしい展示になりそうな「中村征夫写真展『琉球 ふたつの海』」。沖縄の海のドラマを見に行ってみては?

中村征夫写真展「琉球 ふたつの海」

中村征夫写真展「琉球 ふたつの海」

コニカミノルタプラザ・ギャラリーB・C
東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル4階
TEL.03-3225-5001
アクセス/JR山手線ほか新宿駅東口、東京メトロ丸ノ内線新宿駅A7出口より徒歩1分
開催期間/2016/10/29(土)~11/24(木) 期間中無休
開催時間/10:30~19:00(11/4、11、19は特別営業のため~20:00、最終日は~15:00。入館は閉館の15分前)
入場無料

TEXT/MARIA KAWASHIMA ILLUSTRATION/HONGAMA

※記事は2016年10月28日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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