アートとグルメに魅せられて。バルセロナ・マドリッド・バスクを巡るスペイン
スペインの中でも特に人気の3エリア。それぞれの見どころを押さえておこう。
特に夏〜秋にかけては、晴天に恵まれるベストシーズン。この時期に行けば、最高のバカンスになるはず
開放感溢れる芸術都市・バルセロナへ
世界的なアートとの素敵な出会い
偉大な建築や世界遺産にも触れ合える
地中海を望むスペイン第2の都市で、カタルーニャ州の州都。建築家や芸術家たちが活躍した地なので、街の至るところで芸術を体感できる。特に、今もなお建設の続くサグラダ・ファミリアをはじめ、当初は田園住宅地として設計されたグエル公園、波打つ曲線で囲まれた不思議な外観のカサ・ミラなど、ガウディの作品は必見。
ピカソやミロなど、巨匠たちの美術館もたくさんあるので、アート好きにはたまらない。
バルやレストランでは、海の幸をふんだんに使ったカタルーニャ料理を堪能して。市場では、スペインならではの食材を見たり、お店の人と会話しながら食べ歩いたりして楽しい時間を過ごせる。
バルセロナを一望できる、グエル公園のテラス(広場)
ピカソ、ダリ、ミロの世界・・・
美術館巡りで、感性が豊かになれる
バルセロナには、行っておきたい美術館がたくさん。例えば、バルセロナでいちばん人気のピカソ美術館。スペインが生んだ巨匠パブロ・ピカソの主に幼少期〜青年期までの作品が所蔵されている。
バルセロナ郊外フィゲラスにあるダリ劇場美術館も人気。壁にクロワッサン、屋根に卵とマネキンのオブジェが並ぶ外観が目を引く。シュルレアリスムを代表するサルバドール・ダリの作品が約1万点以上所蔵されていて、ダリの不思議な世界に引き込まれそう。
バルセロナ生まれの芸術家ジョアン・ミロの作品300点が展示されている、白亜の美しいミロ美術館もおすすめ。館内のテラスからはバルセロナが一望できるので、ぜひ行ってみて。
人気の美術館は入場するのに行列ができるので、事前にネット予約をしておこう。
(左)15世紀の邸宅を利用したピカソ美術館 (右)一度見たら忘れられない、ダリ劇場美術館の個性的な外観
新鮮な魚介を使ったカタルーニャ料理
市場で食べたり飲んだりも楽しめる
カタルーニャ料理は、イカやムール貝などの魚介をトマトソースで煮込んだ「サルスエラ」、タラのすり身のコロッケ「ブニュエロス・デ・ バカラオ」、「シーフード・パエーリャ」など、海の幸をふんだんに使うのが特徴。クレーム・ブリュレに似たデザート「クレマ・カタラナ」も、食べてみたい。
新鮮な野菜やフルーツ、魚介、生ハム、チーズなどが所狭しと並んでいるバルセロナ最大規模のサン・ジョセップ市場は、見ているだけでも楽しい。通称「ボケリア(胃袋)」と呼ばれていて、星付きレストランのシェフも足を運ぶそう。観光客が少なめで、比較的落ち着いているサンタ・カテリーナ市場もおすすめ。
市場にはバルやレストランもあるので、新鮮な食材を使ったタパスやピンチョスを堪能してみては?
サンタ・カテリーナ市場のタパスやピンチョス
ノーブルな雰囲気漂う首都・マドリッドへ
深い歴史の香りと文化を感じられる
スペインの首都・王室ゆかりの地へ
スペインの首都で、マドリッド州の州都。旧市街には、18世紀に建てられた王宮や、歴代の国王像と美しい庭園があるオリエンテ広場、マドリッドの象徴にもなっているアルカラ門など、王室ゆかりの優雅な歴史遺産が立ち並ぶ。
マドリッドの象徴的な円形のシベーレス広場も、ルネッサンス建築のスペイン銀行、ネオ・バロック様式の旧リナレス宮殿などに囲まれていてクラシックな雰囲気。
マドリッドの郷土料理は、窯焼きや煮込みが主流。豚肉や生ハム、チョリソ、豆や野菜がふんだんに使われる。
首都とはいえ、ほかのヨーロッパの首都より物価が安いのが嬉しい。セラーノ通りには、スペイン王室御用達の「ロエベ」や多くの女優やモデルも愛用する「マノロ・ブラニク」など、世界的ブランドが並ぶ。思う存分ショッピングを楽しんで。
衛兵の交代式が見られる王宮
マドリッドの3大ミュージアムでは
世界的な名画をじっくり鑑賞しよう
押さえておきたいのは、スペイン王室の美術コレクションが母体のプラド美術館。ゴヤの『裸のマハ』『着衣のマハ』、エル・グレコの『聖三位一体』などの名画がずらり。8000点もの絵画が所蔵されていて、ゴヤ、ベラスケス、エル・グレコなど12〜19世紀のスペイン画家の作品のほか、イタリアやドイツの作品も鑑賞できる。
次は、19世紀末〜現代までのスペインの作品を主に集めたソフィア王妃芸術センターへ。ピカソの『ゲルニカ』やダリの初期の傑作『窓辺の少女』などが必見。
ティッセン=ボルネミッサ美術館もおすすめ。13〜20世紀末までの8世紀にわたるヨーロッパ美術の流れをたどることができる。
これらの美術館は自然豊かなプラド通りにあるので、芸術に触れながらの散歩も楽しそう。
プラド美術館で鑑賞できるベラスケスの代表作『ラス・メニーナス』
さすが首都!レストラン密集地で
伝統料理もモダンスパニッシュも満喫
カスティーリャ地方の名物「コチニージョ・アサード」は、絶対味わいたい一品。仔豚の丸焼きで、皮はパリパリ、肉は柔らかくてジューシー。現存する最古のレストランの、スペシャリテでもある。
豚肉やひよこ豆、野菜、チョリソなどを素焼きの壷に入れて蓋をして、じっくり煮込んだ「コシード」もはずせない。特に、具がたっぷり入ったマドリッド風が人気。
世界中の生ハムの最高峰といわれる、どんぐりを食べて育ったイベリコ豚の生ハム「ハモン・イベリコ・デ・ベジョータ」も、お忘れなく。赤ワインはもちろん、キリッと冷えたドライシェリーも合うので試してみて。
マドリッドはレストラン密集エリアで、ほかにもモダンスパニッシュやフュージョン料理など、あらゆる料理を楽しめるのが魅力。
(左)現存する最古のレストラン「ボティン」 (右)やっぱり本場の生ハムは絶品
美食と癒しの風景が広がるエリア・バスクへ
夕暮れ時や夜はロマンティック
街歩きもハシゴ酒もゆっくり楽しもう
「グリーンスペイン」と言われるほど緑豊かな、スペイン北部にあるバスク州。ピレネー山脈や大西洋のビスケー湾に囲まれていて、山側は「山バスク」、海側は「海バスク」と呼ばれる人気上昇中の観光地。
食文化も豊かで、サン・セバスティアンはバルの聖地と言われている。ミシュランの最高格付け・三ツ星を獲得しているレストランも多く、その味を求めて世界中から人が集まることでも有名。エビ、カニ、イカ、タコ、マグロ、塩ダラなどシーフードをふんだんに使った料理が多く、名物のワイン「チャコリ」と一緒に楽しめる。1997年にビルバオにオープンした、グッゲンハイム美術館にもぜひ足をのばしたい。
サン・セバスティアンのコンチャ湾。夜はライトアップされてキレイ
ネルビオン川のほとりにたたずむ
一艘の船のようにも見える美術館へ
必ず訪れたいのは、ビルバオにあるグッゲンハイム美術館。近現代美術専門で、ニューヨークにあるグッゲンハイム美術館の分館のひとつ。チタンの薄板が面白いカーブを描いているモダンな建物で、アメリカ人建築家フランク・ゲーリーが設計を担当した。
エントランス付近に設置されているのは、ジェフ・クーンズの『PUPPY』。花で覆われた巨大な犬の像で、季節や年によって違う模様になる。ルイーズ・ブルジョワの『MAMAN』は、巨大な蜘蛛のブロンズ像。東京の六本木ヒルズに展示されているものと同じだけど、設置場所によってこんなに違って見えるのかと驚くかも。
自然現象の“霧”を使った中谷芙二子の『霧の彫刻』、日没の時間帯にのみ鑑賞できるイヴ・クラインの『火の噴水』もお見逃しなく。
ビルバオにあるグッゲンハイム美術館。『PUPPY』がお出迎え
バルの聖地・ハシゴ文化があるバスク
地元の人に混じって楽しく飲み歩き
サン・セバスティアンはハイレベルなバルが並ぶグルメの激戦区なので、バルの聖地と呼ばれている。近郊にあるオンダビリアも宝石のようなピンチョスが並ぶ町。ここでは、各店のピンチョスを食べ比べしてみよう。「マグロのタルタル」や、注文が入ってから鉄板で焼く「エビのブロチェッタ」など、シーフードがたくさん使われている。微発砲性の辛口ワイン・チャコリは、頭上にまで高く持ち上げた瓶からグラスに注ぐ、エスカンシアールと呼ばれる注ぎ方で提供されることが多い。
ビルバオでは、食前に軽く飲むことを「ポテ」、数件ハシゴすることを「ポテオ」と言う。ここでもハシゴ文化が根付いていて、ハシゴ好きの日本人は親近感を覚えるかも。バスク名物の、塩ダラのピルピルソース「バカラオ・アル・ピルピル」は、ぜひ食べてみて。
美しい中世の面影を残す町・オンダビリアで楽しめるピンチョス
アクセス・現地情報
◆日本とスペインの時差は8時間(サマータイムは7時間)
◆日本からスペインへのアクセス
現在は直行便がなく、主にヨーロッパの主要都市経由で、約15〜17時間
※10/19(水)〜イベリア航空で成田からマドリッドへの直行便が月、水、土(週3便)運航。飛行時間は約13時間
◆マドリッド、バルセロナ、サン・セバスティアン(もしくはビルバオ)の3都市間の移動は、それぞれ飛行機(直行便)で約1時間。
スペイン観光局公式サイトでは、歴史、芸術、文化の宝庫、光輝く太陽と美しい自然に恵まれたスペインの旅情報をさまざまな角度から発信。ぜひチェックしてみて。
スペイン旅行が当たるチャンス!
お気に入りのタパスに投票して
6月16日の「世界タパスデー」を記念して、タパスコンクールを開催中。日本のスペインレストランで活躍しているシェフにオリジナルタパスの写真を投稿してもらい、一般投票でいちばん人気のタパスを決めるというもの。投票期間は、7月18日(月)まで。投票した方の中から抽選で「スペインの旅1組2名様」が当たるチャンスも。結果発表は7月25日(月)。
- PR/スペイン政府観光局
- 文/土井彩子 写真提供/スペイン政府観光局