難波里奈さんのクリスマスの思い出

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日本文化の象徴のひとつでもある純喫茶をこよなく愛し、全国の喫茶店を訪れる難波里奈さん。その原点は幼少の頃、父親がクリスマスに毎年買ってきてくれた老舗洋菓店のケーキにありそう。レトロなモノに傾倒する難波さんのクリスマスの思い出をお伺いしました

更新日:2017/11/07

MEMORY
お父さんが買ってきてくれた老舗のクリスマスケーキ

「子供の頃は、クリスマスに父が買ってきてくれる近所の老舗のホールケーキが楽しみでした」という難波さん。大人になり出会ったのが、老舗洋菓子店『こけし屋』のケーキ。幼少期の思い出を彷彿させる、デコレーションや昔懐かしいほっとする味わいが虜に。2016年のクリスマスもここのホールケーキを堪能したそう。「クリスマス限定のサンタの飾りに、童心に戻ってテンションが上がりました」(難波さん)

こけし屋
子供の頃の思い出が蘇る『こけし屋』は童心に戻れるお店。「スタッフさんとケーキについてお話するのも楽しみなんです」(難波さん)
クリームで作った愛らしい犬を飾り付けした『こけし屋』のホールケーキは、バタークリームを使った昔懐かし味わい。スポンジの間にはジャムがサンドされ、周りにはチョコレートクリームがたっぷり。クリスマスシーズンは、大人になってもワクワクするサンタさんの飾りに
チョコレート仕上げデコレーションケーキ(6号)3240円(税込)/こけし屋

老舗洋菓子店のホールケーキがクリスマスの定番

「子供の頃は、近隣の祖父の家でうちの家族(両親と弟)と従妹家族とクリスマスパーティをするのが定番でした」という難波さん。従妹と一緒に、クリスマスツリーにサンタや鈴などのオーナメントを飾りつけしながら、チキンやちらし寿司など色とりどりの料理と、華やかなクリスマスケーキがテーブルに並ぶのを心待ちにしていたそう。

なかでも、父親が買ってきてくれる老舗洋菓子店のホールケーキは思い出深いとか。「学芸大学の『マッターホーン』と、自由が丘の『MONT‐BLANC』のホールケーキは当時よく食べたものです。クリームで作った動物やサンタの飾りが乗っていて大喜びでした!」(難波さん)。昔ながらの味わいとかわいらしいデコレーションがお気に入りだった難波さんが、大人になって出会ったのが『こけし屋』のケーキ。老舗ならではの手作り感に惹かれるそう。

学生時代のクリスマスはアルバイトやライブに夢中!

高校や大学生時代のクリスマスは、ピザ屋やファーストフードでのアルバイトに明け暮れたそう。「忙しすぎて、スタッフはみんなハイテンションでした」。休憩室に置かれたオーダーミスのチキンやピザを休憩時間に味わうのも楽しみで、とても充実していたとか。

また、大学時代はインディーズバンドのライブに夢中に。「年間200本くらい観に行ってたんです。当時、クリスマスに開催されたライブにどうしても行きたくて、デートよりも優先したため、恋人と気まずくなったことも…(難波さん)」

2階の喫茶室で味わえる、本日のケーキセット680円(税込)/こけし屋 

ホッとできる穴場スポットで過ごす至福のクリスマス

最近のクリスマスのディナーは、意外にもお蕎麦屋さんやおでん屋さんで。「イタリアンやフレンチは混んでいますが、人気の和食屋さんはスムーズには入れたりするので。町を歩きながら、穴場を見つけます。喫茶店で過ごすのも好きで、こちらの『こけし屋』さんでは、ショートケーキやプリン、エクレアなどの王道ケーキを選ぶことが多いです」(難波さん)

レトロな喫茶店のさりげないクリスマスの飾り付けも密かな楽しみ方。今、サンタにお願いしたい願いごとは? 「タイムスリップして、閉店してしまった純喫茶に行くことと、閉店してしまった名喫茶を1日限定で開店して過ごせたらいいですね!」(難波さん)

難波里奈さん

東京喫茶店研究所二代目所長・難波里奈さん

都内で働く会社員でありながら、全国各地の喫茶店に足を運ぶこと1700軒以上。著書『純喫茶、あの味』(イースト・プレス)、『純喫茶コレクション』(パルコ出版)、『純喫茶へ、1000軒』(アスペクト)が発売中。喫茶店でのトークショーなどのイベントも随時開催

_西荻窪の「こけし屋」

今回取材に協力していただいたお店_西荻窪の「こけし屋」

1949(昭和24)年、小さな珈琲屋さんとして開店。地元の人たちの喜ぶ顔が見たくて、洋菓子や当時珍しかったフレンチをスタート。画家や作家などが集う場でもあり、文豪・松本清張の名作もここで誕生したそう。西荻窪の町おこしのため、毎月第2日曜に店の駐車場で朝市を開催。難波さんは、フレンチのシェフによる「作りたてオムレツ」がお気に入り。

■SHOP DATA
洋菓子・カフェ・フレンチ
こけし屋
TEL :03‐3334‐5111
住所:杉並区西荻窪南3-14-6
営業時間:洋菓子9:00~22:00 レストラン11:00~22:00(21:00LO) 
定休日: 火(祝日の場合営業)
アクセス:JR中央線・総武線の西荻窪駅南口よりすぐ

TEXT/NAOMI TERAKAWA PHOTO/AYA MORIMOTO

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※記事は2017年11月7日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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