上野の東京都美術館で「ムンク展―共鳴する魂の叫び」開催。誰もが知ってるあの《叫び》のテンペラ・油彩画が初来日!

ムンク展@東京都美術館 《自画像》1882+《叫び》1910年? PC

左/エドヴァルド・ムンク《自画像》1882年 右/エドヴァルド・ムンク《叫び》1910年? 作品はすべてオスロ市立ムンク美術館所蔵 All Photographs (C)Munchmuseet

世界中の誰もが知るムンクの代表作「叫び」。この名画を描いたエドヴァルド・ムンクの展覧会「ムンク展―共鳴する魂の叫び」が、東京都美術館で2018年10月27日(土)から2019年1月20日(日)まで開催中。代表作「叫び」は現存する作品の中から、テンペラ・油彩画版が初来日。さらに風景画や肖像画などの多彩な作品を、画家の人生をたどりながら紹介する。有名すぎる代表作以外の画業を、この機会に知っておこう。

更新日:2018/11/19

ムンク展@東京都美術館 《叫び》+《絶望》
左/エドヴァルド・ムンク《叫び》1910年? 右/エドヴァルド・ムンク《絶望》1894年 

魂の叫びに風景が共鳴する「叫び」は人生の苦悩とリンク?

今回の展覧会は、ムンクの故郷・ノルウェーにあるオスロ市立ムンク美術館が誇る世界最大のムンク・コレクションを中心に、油彩画や版画など約100点で構成される大回顧展。

代表作の「叫び」は、版画以外に4点が現存していて、テンペラ・油彩画の《叫び》は今回が初の来日。この作品は、ムンクが19世紀末のパリやベルリンで新しい思想や芸術などと出会う中で、人間の内面を見つめる独自の表現を確立したもの。手で耳をふさぎ、口を大きく開いた人物と真っ赤な日没の風景は、不安や孤独が周囲の自然と共鳴しているかのよう。

この、空が赤く染まる風景や遠近法が強調された構図は、他の作品にも繰り返し登場させていて、《絶望》もそのひとつ。この作品を描いた30歳前後の時期は、国際舞台にデビューしたのに祖国で認められなかったり、女性との愛情問題や精神疾患に悩まされたりしているので、そんな人生の出来事とも無縁ではなさそう。

ムンク展@東京都美術館 《地獄の自画像》+《自画像、時計とベッドの間》
左/エドヴァルド・ムンク《地獄の自画像》1903年 右/ エドヴァルド・ムンク《自画像、時計とベッドの間》1940-43年

青年期から晩年まで、年代によって画風も変化する自画像

ムンクは、画家を目指した青年時代から亡くなる直前まで、数多くの自画像を残している。1882年に19歳で描いた自画像は、友人の画学生たちとアトリエを借りた頃の作品で、写実的な油彩の表現に。

40歳の頃に描かれた《地獄の自画像》は、女性との破局で銃の暴発事件が起こって、左手中指を損傷した後の絵。人生に暗い影が落ちる中にも、強い自尊心が感じられるような強いタッチの作品になっている。

一方、晩年の70代後半に描かれた《自画像、時計とベッドの間》は、鮮やかな色彩と軽いタッチの平明な明るい画風。この頃はすでに国民的画家の名声も得て、オスロ郊外に家を購入し、ナチス・ドイツに作品を押収されるなどの時期を経て、制作活動を続けていたそう。描かれた自画像は、40歳の頃の姿と同じ人とは思えないほど、穏やかに見える。

ムンク展@東京都美術館 《月明かり、浜辺の接吻》
エドヴァルド・ムンク《月明かり、浜辺の接吻》1914年 

多彩な技法で「接吻」など繰り返し同じ主題に取り組む

「接吻」「吸血鬼」「マドンナ」は、愛や死をテーマとする連作〈生命のフリーズ〉の中でも大きなウェイトを占める大切なモティーフ。ムンクは新しい表現を探求しながら、時に自分の記憶を思い返して確かめるように、人生を通して同じモティーフに繰り返し何度も取り組んでいる。

パリやベルリンと祖国を行き来する中で、ムンクはエッチング版画などの多彩な技法にふれたという。そこで身につけたいろいろな技法を使って同じモティーフを繰り返し描いたことで、代表作が世の中に広まる一方で、自身の手元にも残ることになる。こうして、作品には豊富なヴァリエーションが生まれた。

ムンク展@東京都美術館 《太陽》
エドヴァルド・ムンク《太陽》1910-13年

激動の時代を生き抜いた画家の、人生と画風の変化をたどる

幼少期に母や姉など家族の死を体験し、19世紀末から20世紀へと移り変わる激動の時代に独自の画風を確立していったムンク。代表作の《叫び》ばかりがクローズアップされがちだけど、祖国ノルウェーでは国民的な画家であり、近代西洋絵画の巨匠のひとりでもある。

晩年の作品は明るく平面的でタッチも軽やかなものになり、色彩の鮮やかさが際立つ。愛や絶望、孤独など人間の内面が強烈なタッチで表現された代表作から、ノルウェーの自然を描いた美しい風景画、明るい色に彩られた晩年の作品に至るまで、約60年にわたる画業を人生とともに振り返れば、もっとムンクが身近に感じられるはず。

ムンク展@東京都美術館 グッズ
左/㈱ポケモン「ぬいぐるみ 叫びピカチュウ」1400円 ※1人1点まで(C)2018 Pokémon. (C) 1995-2018 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。 右/ルピシア オリジナルティー 右上《青いエプロンをつけた二人の少女》・右下《星月夜》各850円 ※グッズは数量限定のため、売り切れの場合あり

限定のコラボグッズやコンテンツを展覧会と一緒に楽しもう

また、今回の展覧会では、オリジナルコラボグッズも充実。

大人気のポケモンカードゲームからは、ピカチュウやイーブイなどが「叫び」ポケモンとなって登場。ピカチュウがあのポーズになった「ぬいぐるみ 叫びピカチュウ」(1400円)や「アートキーホルダー(ガチャ)」(各400円)は、展覧会場限定。

このほかに、世界のお茶専門店「ルピシア」とコラボした「オリジナルティー」(各850円)や、「BEAMS(ビームス)」とコラボしたアートな「Tシャツ」(4500円~)などもあり、会場でしか買えない限定品も充実。

また、自分だけの「叫び」を描いて楽しめるコンテンツ「DRAW!SCREAM」は特設サイト(https://drawscream.jp)で描いた作品を会場の東京都美術館に展示することができるなど、展覧会と一緒に楽しめるプログラムも揃っているので、美術館で盛り上がろう。

ムンク展 ポスター画像

イベントDATA

イベント名
ムンク展―共鳴する魂の叫び
開催場所
東京都美術館 企画展示室
会期
2018/10/27(土)~2019/1/20(日)
開室時間
9:30~17:30 ※金曜は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)
休室日
月曜、2018/12/25(火)、2019/1/1(火・祝)、15(火)
※ただし、2018/11/26(月)、12/10日(月)、24(月・休)、1/14日(月・祝)は開室
観覧料
一般 1600円、大学生・専門学校生 1300円、高校生 800円、65歳以上 1000円
※高校生は12月無料
※65歳以上は毎月第3水曜のシルバーデー無料 2018/11/21(水)、12/19(水)、2019/1/16(水)
問い合わせ
03-5777-8600(ハローダイヤル)
ホームページ
ムンク展―共鳴する魂の叫び 特設WEBサイト

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