姫君の婚礼行列も!両国の東京都江戸東京博物館で特別展「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~」開催

特別展「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~」@江戸東京博物館 千代田の大奥 御遊山 PC

「千代田の大奥 御遊山」楊洲周延/画 明治27~29年(1894~1896) 東京都江戸東京博物館蔵

江戸時代、幕府によって整備され、多くの往来で活気にあふれていた街道。なかでも、将軍や姫君たちの行列は目を見張る華やかさとボリュームで周囲を圧倒したそう。2019年4月27日(土)から6月16日(日)まで両国の東京都江戸東京博物館で開催される特別展「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~」では、将軍や姫君の旅の資料を通して「江戸の街道」に注目。姿を変えながら今も残る街道に、歴史の息吹を感じよう。

更新日:2019/04/22

特別展「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~」@江戸東京博物館 「徳川家康像」+「日光東照社参詣図屏風」
左/「徳川家康像」江戸時代 東京都江戸東京博物館蔵 右/「木曽街道続ノ壱 日本橋雪之曙」渓斎英泉/画 竹内孫八/版 天保6年(1835)[展示期間:5月28日(火)~6月16日(日)] 東京都江戸東京博物館蔵

賑わう日本橋や天下泰平の世に威信をかけて旅する武家の姿

慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いを終えた徳川家康は、翌年から五街道(東海道、中山道、日光道中、奥州道中、甲州道中)の整備を進めた。各街道に宿場を設けて人馬を常駐させ、通信や運輸の体制を整えている。街道の起点と定められた日本橋は一大ランドマークであり、江戸の経済の中心地として賑わったという。

戦いの時代が終わり天下泰平となった江戸時代には、将軍が戦で武力を使うこともないので、京に向かう上洛や日光東照宮に詣でる日光社参などの行列によって武威を誇示。大名は江戸と国許を行き来する参勤交代の際に、装飾を施した華美な武具類を揃えるなどして、威信を競い合うように。

第1章「武家の通行~威信をかけた旅路~」では、寛永19年(1642年)の3代将軍徳川家光の日光社参を描いた「日光東照社参詣図屏風」などで、壮大なスケール感と宿場の様子などを知ることができる。

特別展「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~」@江戸東京博物館 「楽宮下向絵巻」+「黒漆丸十紋散牡丹唐草蒔絵女乗物」
上/「楽宮下向絵巻」(部分)青木正忠/画 文化元年(1804) 東京都江戸東京博物館蔵 下/「黒漆丸十紋散牡丹唐草蒔絵女乗物」江戸時代後期 東京都江戸東京博物館蔵

京から江戸へ!華麗な婚礼道具や乗物で彩られる姫君の旅路

徳川将軍家では、3代将軍の家光以降、摂政や関白になれる家格の公家や皇族の宮家から御台所を迎えるのが慣例に。将軍家へお嫁に行く姫君たちは、都である京都から江戸へ下向(げこう:都から地方へ下ること)したとか。

第2章「姫君の下向~華麗なる婚礼の旅路~」では、婚礼の際に作られた贅沢な嫁入り道具などを展示。例えば、婚礼調度のなかで最も重要とされる「貝合わせ」の道具箱は、貝が必ず対のものであることから「円満」の象徴とされ、美しい絵を貼り付けた貝と豪華な貝桶が作られた。

見どころは、12代将軍徳川家慶に嫁いだ楽宮(さざのみや)の様子を描いた全長約24mの長大な絵巻「楽宮下向絵巻」。華麗な姫君の婚礼行列が、すべて鑑賞できる。

鹿児島の薩摩藩島津家の絢爛豪華な女性用乗物(駕籠)などは、細部まで作りこまれた美しさに沿道の人々もきっと驚いたはず。

特別展「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~」@江戸東京博物館 「東海道 鳴海」+「末広五十三次 程ヶ谷」
左/「東海道 鳴海」歌川国綱(二代)/画 文久3年(1863)4月[展示期間:5月28日(火)~6月16日(日)] 東京都江戸東京博物館蔵 右/「末広五十三次 程ヶ谷」歌川芳幾/画 慶応元年(1865)閏5月[展示期間:4月27日(土)~5月26日(日)] 東京都江戸東京博物館蔵

幕末に行われた229年ぶりの将軍上洛は錦絵のシリーズに

3代将軍家光までの時代は、江戸から京都へ上る「上洛」の旅を行っていたけれど、寛永11年(1634年)以降は政治的な必要もなくなって行われなかったという。

文久3年(1863年)に、14代将軍徳川家茂(いえもち)が家光以来229年ぶりとなる上洛を行ったのは、幕府と朝廷の関係を修復して幕末の難局を乗り切るため。その後も元治元年(1864年)、慶応元年(1865年)と3度にわたって上洛している。

このことは当時の人々の間で大きな話題になり、「東海道名所風景」(御上洛東海道)や「末広五十三次」といった錦絵のシリーズが刊行されたほど。いずれも歌川広重が描いた「東海道五十三次」の風景を取り入れながらも、幕末の世相が反映されていて、その時代の雰囲気を伝えている。

特別展「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~」@江戸東京博物館 「六郷蒸気車鉄道之図」
「六郷蒸気車鉄道之図」昇斎一景/画 明治4年(1871)8月[展示期間:5月28日(火)~6月16日(日)] 東京都江戸東京博物館蔵

エピローグとして鉄道の開通で変化する江戸の街道の様子も

展覧会のエピローグは「東京の道をゆく」。将軍や姫君が華やかな行列を従えて旅をした江戸の街道は、明治期の交通手段の革新によって大きな変化を遂げる。明治5年(1872年)に新橋ー横浜間で鉄道が開通し、各地で馬車や人力車が導入され、短時間で遠くまで行けるようになって旅の方法や人々の生活にも変化が生まれた。

江戸の街道の過渡期の様子は、当時の錦絵などにも描かれていて、橋を渡る汽車や洋装の人々などが描かれている。

また、江戸東京博物館学芸員の杉山さんによれば、江戸の街道や旅の変化とともに、展覧会での注目ポイントのひとつは「朱傘(しゅがさ)」だそう。朱傘とは、爪折傘(つまおりがさ)という形をした朱色の長柄傘のこと。江戸時代は徳川家に関することを絵や文学のテーマにするのが禁止されていたため、貴人だけに使用が許された朱傘を描くことで、将軍や姫君を暗示したのだとか。作品の中で赤い傘を探してみるのも面白いかも。

特別展「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~」 ポスター画像

イベントDATA

イベント名
特別展「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~」
開催場所
東京都江戸東京博物館
会期
2019/4/27(土)~6/16(日)
開館時間
9:30~17:30(土曜は19:30まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日
2019/5/7(火)・27(月)、6/3(月)・10(月)
観覧料
<特別展専用券(団体料金)>
一般1000円(800円)、大学・専門学校生800円(640円)、中学生(都外)・高校生・65歳以上500円(400円)、小学生・中学生(都内)500円(400円)
<特別展・常設展共通券(団体料金)>
一般1280円(1020円)、大学・専門学校生1020円(810円)、中学生(都外)・高校生・65歳以上640円(510円)、小学生・中学生(都内)なし
ホームページ
特別展「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~」
江戸東京博物館 外観(仮)

会場DATA

スポット名
東京都江戸東京博物館
電話番号
0336269974 0336269974 代表
住所
東京都墨田区横網1-4-1 Map
交通アクセス
JR「両国駅西口」より徒歩3分、都営地下鉄大江戸線「両国(江戸東京博物館前)駅」A4出口より徒歩1分
写真提供:東京都江戸東京博物館
ホームページ
江戸東京博物館

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