教科書でもおなじみの絵本「スイミー」の原画が来日!新宿で「レオ・レオーニ展」開催。

みんなのレオ・レオーニ展@損保ジャパン PC

小さな賢い魚の物語「スイミー」は、小学校の教科書にも掲載されていることで知っている人も多いはず。このお話の作者であるレオ・レオーニの幅広い創作活動を紹介する展覧会「みんなのレオ・レオーニ展」が、2019年7月13日(土)から9月29日(日)まで新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催される。展覧会では、「スイミー」の幻とされた原画も来日。懐かしさとともに、新しい発見がありそう。

更新日:2019/06/10

みんなのレオ・レオーニ展@損保ジャパン マシューのゆめ
『マシューのゆめ』 1991年 鉛筆、水彩、コラージュ、紙 51×63.6cm Matthew’ s Dream(C)1991 by Leo Lionni / Knopf Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

絵描きを夢見た子ども時代からのアートとの関わりを紹介

今回は、絵本原画をはじめ、ポスターなどのグラフィック・デザイン、絵画、彫刻、アニメーション素材まで、多彩な作品約200点を展示して、絵本作家やアート・ディレクターとしての仕事ぶりを紹介する。

会場は、レオーニの人生をめぐる4つのキーワードをもとに構成。第1章では、子どもの頃から画家を夢見ていたレオーニの、アートとのかかわりをテーマに、自分の思いを込めた絵本原画などを展示する。例えば『マシューのゆめ』では、ねずみ一家の息子・マシューが、美術館へ出かけたことをきっかけに絵描きになる夢を持つ。この作品はレオーニ自身の幼い頃の夢をもとにしたもので、マシューはまるで作家そのもの!

さらにここでは、初めての個展に出品した日本初公開の作品や、子ども時代の思い出から生まれた油絵などもあわせて展示。アートとともに成長したレオーニの足跡をたどる。

みんなのレオ・レオーニ展@損保ジャパン『コーネリアス』
『コーネリアス』 1983年 水彩、パステル、コラージュ、紙 51×63.6cm Cornelius(C)1983 by Leo Lionni / Pantheon Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

自分が自分であることをポジティブに描いた絵本たち

オランダで生まれ、両親の都合でイタリアなど欧米諸国を転々としたレオーニは、多様な文化にふれながら成長する。その一方で、「自分とは何者なのだろう?」という疑問も抱き続けていたという。

第2章では「自分探し」をテーマにした作品を集める。『コーネリアス』は立って歩けるという変わったワニの話で、いつも冷ややかな態度の仲間(普通のワニ)にいらだって旅に出る。『アレクサンダとぜんまいねずみ』では、人間に嫌われる台所ねずみのアレクサンダが、玩具としてかわいがられているぜんまいねずみのウィリーをうらやましがる。でも、どちらも、ありのままの自分を受け入れる物語となっている。

この章では特別コーナーとして、『スイミー』の原画も紹介。私たちの知っている絵本とは少し違うので、絵本のパネルと比較しながら見ると面白い。

みんなのレオ・レオーニ展@損保ジャパン 「あいうえおのき」
「あいうえおのき」1968年 水彩、紙 51×63.6cm The Alphabet Tree (C)1968, renewed 1996 by Leo Lionni / Pantheon Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

平和の大切さを描いた絵本や最初の絵本の誕生秘話も

1939年、第二次世界大戦中にユダヤ系のレオーニは、イタリアからアメリカへ亡命している。20世紀の戦争の時代に生きたレオーニにとって「平和」は重要なテーマ。そこで、第3章では「平和の大切さ」を表現した絵本を集める。

『あいうえおのき』は、あいうえおの木に暮らす文字たちが、風に飛ばされないように手をつないで言葉を紡ぎ出し、やがて平和のメッセージを作るお話。ここでは画面上の葉っぱにスタンプが使われている。

会場では、レオーニの孫であるアニー・レオーニと、レオーニを恩師と仰ぐ『はらぺこあおむし』などで知られる絵本作家エリック・カールが、グラフィック・デザイナーとしてのレオーニについて対談する映像も公開。多彩なアプローチで、レオーニの業績を振り返る。

みんなのレオ・レオーニ展@損保ジャパン 《向月葵》 
「平行植物」シリーズ:《向月葵》 1971年 油彩、キャンバス 150×200cm Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

豊かな想像力と細密な描写で描いた不思議な絵本や油絵

第4章で紹介するのは、「見るものすべてに物語を感じる」というレオーニが、イマジネーションを膨らませて描いた作品たち。ここではリアルとフィクションが入り混じった絵本や、実在しない人も描く「想像肖像」シリーズの油絵などを展示する。

「平行植物」というのは、レオーニがつくり出した架空の植物のことで、これもシリーズになっている。レオーニはイタリア中部のトスカーナにある自然豊かなアトリエで、油絵、精密な鉛筆画、ブロンズ彫刻などを制作したけれど、「平行植物」もそのひとつ。

《向月葵(ジーラ・ルーナ)》は、《向日葵(ジーラ・ソーレ:ひまわり)》をもじった想像上の花で、月に向かって咲く幻想的な姿がおとぎ話のようにも見える。

欧米を移動し続けた波乱の生涯を、多彩な作品と重ね合わせてみると興味深い。

仮 グッズ
展覧会オリジナルグッズ「トートバッグ」各3900円、全2種類 左/『あおくんときいろちゃん』 右/『フレデリック』

レオーニのデザインがキュートな展覧会限定グッズの数々

ミュージアムショップには、展覧会のオリジナルグッズとして、レオーニのイラストをデザインしたさまざまなグッズが揃う。

例えば、レオーニが孫のために作った最初の絵本で、子どもの絵本に始めて抽象表現を持ち込んだとされる『あおくんときいろちゃん』は、素敵な「トートバッグ」(全2種類:もう1種類は『フレデリック』、各3900円)や「Tシャツ」(全2種類、各4サイズ、3499円)などで登場。明るいカラーリングのモダンなデザインがかわいい。

ほかにも、絵本の印象的なシーンを使ったグッズが多数あり、イラストレーターやグラフィック・デザイナーとして活躍したレオーニらしい仕上がりに。「みんなのレオ・レオーニ展」を満喫したら、自分へのお土産「私だけのレオ・レオーニ」を選んでみては?

 「みんなのレオ・レオーニ展」-ポスター画像

イベントDATA

イベント名
みんなのレオ・レオーニ展
開催場所
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
会期
2019/7/13(土)~9/29(日)
開館時間
10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日
月曜日(ただし7/15、8/12、9/16、9/23は開館)
電話番号
03-5777-8600(ハローダイヤル)全日8:00〜22:00
観覧料(前売)
一 般:1300円(1,100円)、大学生:900円(700円)、高校生以下:無料 ※学生証の提示が必要
ホームページ
みんなのレオ・レオーニ展 特設サイト

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