ドイツの名窯で作られたリアルでかわいい動物たち!パナソニック汐留美術館で「マイセン動物園展」

マイセン動物園展@パナソニック汐留美術館 《人物像水注「四大元素の寓意」》  PC

《人物像水注「四大元素の寓意」》ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1820~1920年頃 個人蔵

18世紀にヨーロッパ初の硬質磁器製造に成功した、ドイツの名窯・マイセン磁器製作所。ここで作られた磁器のなかで特に「動物」にテーマを絞った「マイセン動物園展」が、2019年7月6日(土)から9月23日(月・祝)まで、パナソニック汐留美術館で開催される。高級洋食器として有名なマイセンだけど、今回は約120点からなる出品作の8割が彫像作品なのも見どころ。リアルでかわいい超絶技巧の動物たちに会いに行こう!

更新日:2019/07/01

マイセン動物園展@パナソニック汐留美術館 《猿の楽団》
《猿の楽団》 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー、ペーター・ライニッケ 1820~1920年頃 個人蔵

出品作の約9割が初公開!動物たちの表情にも注目を!

「マイセン動物園展」では約9割の作品が展覧会初出品で、ほとんどが個人蔵のため次回の公開は未定と聞けば、この機会は見逃せない。

会場は4つの章で構成され、第1章は「神話と寓話の中の動物」として、西洋美術で多くモチーフとして扱われる神話や寓話がテーマの作品を展示。人間社会を風刺した《猿の楽団》では、楽器を演奏する猿たちの表情や仕草にも注目を。こちらは“フィギュリン”と呼ばれる小型の立像で、テーブルなどを飾るために作られたそう。

また、異国への憧れをかきたてる《四大陸》(ヨーロッパ・アメリカ・アジア・アフリカ)の作品では、それぞれの大陸を象徴する動物が表現されている。

マイセン動物園展@パナソニック汐留美術館 《スノーボール貼花装飾蓋付昆虫鳥付透かし壺》
《スノーボール貼花装飾蓋付昆虫鳥付透かし壺》 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1820~1920年頃 個人蔵

人気シリーズ・スノーボールを中心に、器に表された動物も

実際に使用可能な器に動物の装飾を施した作品は、第2章「器に表された動物」で見られる。装飾の方法は、直接器に描かれたり、彫刻として取り付けられたり。

白い小花(ガマズミ)の彫刻を器の表面に貼り巡らせた「スノーボール」と呼ばれる装飾は、マイセンを代表するシリーズのひとつで、愛好家も多い。もともとは、ドイツのアウグスト三世が最愛の王妃に「枯れない花を贈りたい」という願いから、1739年に誕生したもの。やがて鳥の彫刻が付加されるようになり、自然主義的な要素が濃くなったという。

この章では、そんなスノーボール作品を中心に、器にさまざまな姿で愛らしさを添えた動物たちを紹介する。

マイセン動物園展@パナソニック汐留美術館 《二匹のフレンチブルドッグ》
《二匹のフレンチブルドッグ》エーリッヒ・オスカー・ヘーゼル 1924~1934年頃 J's collection

アール・ヌーヴォー様式の動物を支えたのは独特な色彩技法

19世紀後半から20世紀初頭にかけてヨーロッパの美術工芸界で流行したアール・ヌーヴォー様式は、曲線を多用した有機的なフォルムが特徴的なもの。マイセンでも、この様式を取り入れた作品が数多く存在する。

マイセンのアール・ヌーヴォー様式を支えた技法のひとつが「イングレイズ」と呼ばれるもの。グレイズは釉薬(ゆうやく:表面にかける薬品)のことで、イングレイズは、釉薬の上に模様を描きながら焼成の時に釉薬の中に色を染み込ませるもの。こうすることで、多色性と柔らかな発色効果を同時に得られるそう。

第3章の「アール・ヌーヴォーの動物」では、その柔らかな色合いを生かして表現されたイヌやネコ、ペンギンなどを展示。曲線の美しさと、繊細な色付けから生まれる動物たちの表情に、心もなごむはず。

マイセン動物園展@パナソニック汐留美術館 《カワウソ》《ライネケのキツネ》
左/《カワウソ》マックス・エッサー 1927年 個人蔵 右/《ライネケのキツネ》マックス・エッサー 1924~1934年頃 個人蔵

20世紀のマイセンを代表する原型師・エッサーの動物たち

第4章では、1920~30年代のマイセンでモデラー(原型師)として活躍した彫刻家、マックス・エッサーの動物彫刻を紹介するとともに、彼に影響を受けた成形師の作品を展示する。

エッサーはベルリン芸術大学で学んだ後に磁器の仕事に関わり、卓越した造形力で注目を集めて、マイセンに招かれた人物。マイセンの作品では、「ベッドガー炻器(せっき)」と呼ばれる赤いストーンウェアによる彫刻作品を得意とし、なかでも動物彫刻の名手として知られている。《カワウソ》は、1937年のパリ万博でグランプリを受賞した作品。

さらに、ゲーテの叙事詩からインスピレーションを得て制作された磁器製の作品《ライネケのキツネ》は、アール・デコの時代を代表するテーブルセンターとして高い評価を受けている。

それぞれに時代を反映しながら、高い造形力と独特の技法で進化を続けたマイセンの動物たち。美しい磁器の動物園散策を楽しんで。

「マイセン動物園」展-ポスター画像

イベントDATA

イベント名
マイセン動物園展
開催場所
パナソニック汐留美術館
会期
2019/7/6(土)~9/23(月・祝)
開館時間
10:00~18:00(入館は17:30まで)
※8/2(金)、9/6(金)は夜間開館20:00まで(入館は19:30まで)
休館日
水曜、8/13(火)~15(木)
電話番号
03-5777-8600(NTTハローダイヤル)
入館料
一般1000円、65歳以上900円、大学生700円、中・高校生500円、小学生以下無料
関連イベント
トークショー「マイセン 動物奇想天外!」
講師:アートテラー・とに~氏 、高橋雅雄氏(理学博士)
日時:2019/7/28(日)14:00~15:30(開場13:30)
定員:150名(要予約)
聴講費:無料(ただし本展の観覧券(半券)が必要)
会場:パナソニック東京汐留ビル 5階ホール
ホームページ
マイセン動物園展  特設サイト
スポット名
パナソニック汐留美術館

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