世田谷美術館で日本初!チェコ共和国のデザイン史を総合的に紹介する展覧会「チェコ・デザイン 100年の旅」を開催

チェコ・デザイン 100年の旅@世田谷美術館 小箱《悪魔》+クリスタル(結晶)型小物入れ  PC

ヨーロッパの中央に位置し、古くから多彩な文化が交錯するチェコ共和国は、1918年の独立宣言から約100年。そこで、世田谷美術館では2019年9月14日(土)から11月10日(日)まで、チェコの100年にわたるデザイン史を日本で初めて総合的に紹介する展覧会「チェコ・デザイン 100年の旅」を開催。独立前夜から現在までのデザイン約250点を、時系列で紹介する。この機会に、チェコデザインの魅力にふれてみて。

更新日:2019/09/16

吉野石膏コレクション展@三菱一号館 モネとドガ
左/アルフォンス・ミュシャ《ジスモンダ》 1894年 チェコ国立プラハ工芸美術館蔵 Collection of The Museum of Decorative Arts in Prague 右/ヨゼフ・アイゼルト 蓋付ガラス容器 1923年 チェコ国立プラハ工芸美術館蔵 Collection of The Museum of Decorative Arts in Prague

独立前夜を彩ったミュシャの絵やアール・デコの逸品たち

展示は、独立宣言の行われた1918年の少し前、1900年から現在までの時代を追った8つの章と、おもちゃとアニメーション原画に特化した2つの章による構成。

第1章「1900年:アール・ヌーヴォー 生命力と自然のかたち」では、チェコのアール・ヌーヴォー様式の椅子やガラス器とともに、この当時ヨーロッパで絶大な人気を誇ったアルフォンス・ミュシャ(チェコ語:ムハ)を中心に紹介する。

20世紀絵画のなかでも革命的なキュビスム(立体派)を取り上げる第2章「1910―14年:チェコ・キュビスム 幾何学的形態からキュビスムへ」。ここでは、他に類のない三次元での展開という「チェコ・キュビスム」の作品を展示。

第3章「1920年代:アール・デコの時代」は、1925年にパリで開かれた「アール・デコ博」で独立国として初出展し、成功を収めた作品などが見られる。

チェコ・デザイン 100年の旅@世田谷美術館 耐熱ガラスのティーセット
ラジスラフ・ストナル、カヴァリエル・ガラス工房 耐熱ガラスのティーセット 1931年 チェコ国立プラハ工芸美術館蔵 Collection of The Museum of Decorative Arts in Prague

機能主義を実現する美しい近代デザインや、戦中期の作品も

第4章「1930年代:シンプルなかたちと機能性」のなかでは、住まいに関する生活必需品を作り、機能主義を実現するための拠点となった「美しい部屋」(クラースナー・イズバ)のデザインを紹介する。「美しい部屋」のアートディレクターを務めたラジスラフ・ストナルは、近代デザインを代表するひとりとして国際的にも評価が高い。

ナチス・ドイツによってボヘミア・モラヴィア保護領となった1939年以降は、伝統工業地帯が占領されたこともあって、生産活動も沈滞。第5章「1940年代:有機的フォルムと天然素材」では、そんな状況下で、土地に根ざした素材を使って創意工夫しながら生み出された作品を紹介する。

チェコ・デザイン 100年の旅@世田谷美術館 コザ 多機能椅子
ジェリー・コザ 多機能椅子《でんぐり返し》2002年 チェコ国立プラハ工芸美術館蔵 Collection of The Museum of Decorative Arts in Prague

20世紀後半の盛り上がりは応用美術からネオモダニズムへ

第6章「1950-60年代:日常生活と応用美術の解放」では、1958年開催のブリュッセル万国博覧会に参加して高評価を得た「ブリュッセル・スタイル」と呼ばれる様式のプロダクトを展示する。

対外的な製品と国内向けの製品に二分されるようになった1970年代から、家具などにポストモダンの傾向が表れ始めた1980年代。第7章「1970-80年代:生活水準の見直しからポストモダンへ」では、この時代の作品を紹介。

さらに、第8章「1990年代から現代まで:自由化と機能の再発見」では、1989年に民主主義国家へ復帰したことで、亡命先から多くのデザイナーが帰国し、次第にネオモダニズム(新機能主義)が盛んになる様子が分かる。2000年頃には、デザインの社会的な責任や意義についての認識も高まり、最先端のデザイン展示会「デザインブロック」も開催されるように。

この3つの章で、20世紀後半のチェコ・デザインのすべてが一覧できる。

チェコ・デザイン 100年の旅@世田谷美術館 《童話の鳥》
ヴァーツラフ・シュパーラ、アルチェル協同組合 《童話の鳥》 1920年 チェコ国立プラハ工芸美術館蔵 Collection of The Museum of Decorative Arts in Prague

テーマ展示は愛らしいおもちゃと人気の高いアニメーション

また、「テーマ展示」のひとつは、第9章「チェコのおもちゃと子どものためのアート」。おもちゃ作りの古い伝統を持つチェコで、時代の変遷とともに生み出されてきた、チェコらしいおもちゃを紹介する。

第10章「チェコ・アニメーション」では、絵本とともにチェコの文化を代表するアニメーションの世界をセル画などで展示。パペット・アニメーションでチェコ・アニメーションを世界に知らしめた作品や、日本でも知られている「もぐらのクルテク」なども登場する。

10月6日(日)13時30分からは、カレル・ゼマン監督作品「盗まれた飛行船」の上映会も開催。定員は140名で、展覧会の半券を提示すれば無料で鑑賞できる。

時代の波にもまれながら、人々の生活に潤いと豊かさを与えてきたチェコ・デザインの名品を、多彩な展示で堪能して。

チェコ・デザイン 100年の旅 ポスター

イベントDATA

イベント名
チェコ・デザイン 100年の旅
開催場所
世田谷美術館
会期
2019/9/14(土)~11/10(日)
開館時間
10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日
毎週月曜日(祝・休日の場合は開館、翌平日休館)
※9/16(月・祝)は開館、翌9/17(火)は休館。9/23(月・祝)は開館、翌9/24(火)は休館。10/14(月・祝)は開館、翌10/15(火)は休館。11/4(月・振替休日)は開館、翌11/5(火)は休館。
観覧料
一般 1100円、65歳以上 900円、大高生 800円、中小生 500円
※画像の無断転載禁止
ホームページ
チェコ・デザイン 100年の旅 公式サイト

アート、ミュージカル、クラシック・・・特別な1日を約束する“東京体験”をチェック

舞台、ミュージカル、歌舞伎、クラシック、アート・・・さまざまなエンターテインメントがあふれている東京。でも、なかなか経験する機会がない人も多いのでは? オズモールの東京体験では、観劇や鑑賞のレストラン付きプラン、お土産付きの観劇チケットなど “いい1日”が過ごせる、とっておきのプランをラインナップ。ぜひチェックしてみて。

美術展ニュース

今しか見られない、おすすめの美術展をご案内。見どころをわかりやすく紹介します。

WRITING/ YOSHIDA (はちどり)

  • LINEで送る