夏バテはなぜ起こる?その医学的メカニズムと予防法を知ろう

夏バテはなぜ起こる?その医学的メカニズムと予防法を知ろう

猛暑日や熱帯夜が何日も続くと、多くの人が夏バテに悩まされるもの。でも、そもそも夏バテとはどういう状態をさすものなのか、そして熱中症とはどう違うのか、よくわからない人も多いのでは? 西洋医学的視点と東洋医学的視点の両面から、薬剤師で国際中医師の山口りりこさんが解説。

更新日:2018/08/15

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西洋医学的に見ると夏バテは「自律神経の機能低下」が様々な不調を引き起こすこと

私たちが夏に汗をかくのは、汗とともに体内の熱を放出して体温上昇を抑えるため。この発汗作用をコントロールしているのは自律神経だけれど、猛暑の室外で汗をかいたあとに室内に入ると冷房でキンキンに冷えているため、今度は自律神経が体内の熱を逃さないように汗腺(汗の出口)や血管を収縮させるという、真逆の仕事をしなければならなくなる。
夏場はこうした「熱の放出」と「熱の保持」という真逆の体温調節機能が繰り返し酷使されるため、自律神経が疲労してしまい、うまく働かなくなってしまう。
「自律神経は食欲や睡眠などもコントロールしています。そのため自律神経が疲労して機能が低下すると、食欲不振や胃腸の不調、不眠なども招くのです」(山口さん)

東洋医学では夏バテを「水分とエネルギーが漏れ出る」ために起こる不調ととらえる

東洋医学の場合、夏バテは「汗と一緒に体内のエネルギーが漏れ出るために生じる不調」と考えるのだそう。
「東洋医学では、体の活動エネルギーを『気』と呼びます。気は体じゅうをめぐって内臓などにエネルギーを供給していますが、暑さで汗をかくと、汗と一緒に気も体外へ漏れ出てしまうため、体内の気の量が不足して内臓などの活動が低下し、食欲不振などの症状を引き起こすのです」(山口さん)
さらに、汗をかくことで体内の水分が不足することも、夏バテの一因と考えられている。
「ほてりやだるさなどは、体内の水分が不足するために熱が過剰にたまって起こる症状です。また、夏場に足がけいれんするのは、足の筋肉が水分不足でうまく動かなくなるために起こる、夏バテ症状のひとつなのです」(山口さん)

夏バテ&熱中症予防のためには汗をかくことも大切

夏バテ&熱中症予防のためには汗をかくことも大切

さらに山口さんによれば、夏バテになると熱中症にもかかりやすくなるのだとか。
「夏バテとは、発汗による体温調節機能がうまく働かなくなった状態です。そのため、暑くても体内の熱をうまく放出できなくなり、熱中症になることが多いのです」(山口さん)
夏バテや熱中症を防ぐためには、発汗による体温調節機能がきちんと働くように体を管理することが大切。そのポイントは、「毎日少しだけ汗をかくこと」なのだそう。
「汗はかきすぎてもよくないし、まったくかかないのもよくありません。じわっと汗ばむ程度に汗をかく習慣を身につけると、体温調節機能が維持しやすくなり、夏バテや熱中症になりにくくなります」(山口さん)
おすすめの方法は、比較的涼しい朝などに軽く散歩する、夏でもシャワーだけですませずに入浴する、など。夏バテになりにくい体作りに役立ててみて。

教えてくれた人

山口りりこさん

薬剤師、国際中医師、国際薬膳師。銀座の薬膳レストラン「kampo’s」プロデューサー。星薬科大学にて薬剤師免許を取得し、遼寧中医薬大学にて国際中医師、国際薬膳師を取得。漢方薬局勤務をへて、現在は薬膳レストランの監修をメインに商品開発やエステのメニュー監修などに携わっている。監修する手帳に『月・薬膳・ヨガでどんどんきれいになる! 月美容手帳2019』(2018年9月発売/エイアンドエフ)がある。

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WRITING/TOMOKO OTSUBO

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