早期発見につながる乳がん検診。自分に適した検査の年齢や種類は?

早期発見につながる乳がん検診。自分に適した検査の年齢や種類は?

日本人女性の11人に1人はかかるといわれている乳がん。早期発見、早期治療できれば、ほとんどの人が治る。誰もがかかる可能性があるからこそ、定期的な検診やセルフチェックで自分の体を守ろう!

更新日:2018/09/26

半数の人が乳がん検診を定期的に受診。欧米に比べると低いのが現状
(2018年9月オズモール調べ 828人)

半数の人が乳がん検診を定期的に受診。欧米に比べると低いのが現状

オズモールのアンケートによると、乳がん検診を定期的に受けている人は約50%。日本人女性全体の調査では30%程度なので、アンケートではそれよりも高めという結果に。乳がんの死亡率が減少し続けている欧米の検診受診率は80%以上であるのに対して、まだまだ低い数字。定期的ではないけれど、受けたことがある人は3割近くいるので、一度受けて異常がなかったために安心してしまうケースもありそう。なかには乳房を上下、左右に挟んでX線撮影するマンモグラフィが痛そうで、検診を受けるのをためらっているという人も。一方「実際にやったらガマンできる痛みだった」(きらきらさん/32歳・会社員)という声も。

マンモグラフィと超音波検査は同じくらいの割合に
(2018年9月オズモール調べ 上記の質問で検診を受けたことがある方対象 634人)

マンモグラフィと超音波検査は同じくらいの割合に

また、受けた検査の種類は、「超音波検査」「マンモグラフィ」「触診・問診」がいずれも8割前後。超音波検査とマンモグラフィを1年ごとに交互に受けているという人もいたけれど、「どの検査を受ければいいのかわからない」という声も目立った。
現在、死亡率を低下させることが科学的な方法によって認められている乳がん検診は、40歳以上のマンモグラフィ。このため自治体は、40歳以上を対象に2年に1回のマンモグラフィを実施し、対象であれば無料または少額で検診を受けられる。

閉経前に乳がんになった血縁者がいる人は20代から検診を受けて
※2014年に人口10万人のうち何例新たに乳がんと診断されたかを表しています
(c)2015 国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター

閉経前に乳がんになった血縁者がいる人は20代から検診を受けて

乳がんにかかる年齢のピークは40代後半だけれど、実際には30代後半から増えはじめる。割合は少ないけれど、20代や30代前半で発症する人も。ではどんなタイプの人が20代や30代から検診を受けたほうがいいの? 乳腺科医の島田菜穂子さんは、「遺伝性乳がんの場合は、通常よりも若い年代で発症する特徴があります」と話す。
「血縁者の中に閉経前に乳がんや卵巣がんになったことがある人がいる場合、親から受け継いだ遺伝子異常のためにがんになりやすい『遺伝性乳がん卵巣がん症候群』の可能性が高くなります。このため、20代のうちから年に一度は検診を受けることをおすすめします。母方だけではなく、父方の血縁者も乳がんになった人がいるかどうかチェックして」
遺伝性乳がんは乳がん患者全体の5~10%いるといわれ、乳がんを発症するリスクはそうではない人に比べて約10倍とされている。遺伝性乳がん卵巣がん症候群であるかどうかは、遺伝子検査によって調べられるけれど、現在のところ健康保険が適用されないため、費用が高額に。
また、遺伝性乳がん卵巣がん症候群ほどではないけれど、ホルモン治療を受けている人も乳がんを発症するリスクが高くなるといわれている。女性ホルモンは乳がんの成長を促すこともあるため、不妊治療や月経トラブルなどでホルモン剤を使用する前には必ず乳がん検診を受けて、まずは乳がんがないことを確認することが大切。女性ホルモンを使っている間ももちろん検診を続けるほうがいいそう。

マンモグラフィではがんが映りにくいタイプの人も

マンモグラフィではがんが映りにくいタイプの人も

画像検査にはマンモグラフィと超音波検査があるけれど、どちらを受ければいいのか迷うところ。超音波検査は手に触れる前の小さなしこりも見つけることができ、被爆の心配や痛みがないのがメリット。ただし、乳がんの初期症状の一つである石灰化を写し出すことは不得意。マンモグラフィは石灰化を写し出すことはできるものの、若くて乳腺が発達していると全体が白く映り、同じく白く映るがんのしこりが紛れてしまい、見つけ出せない。初期の乳がんは、小さなしこりからスタートすることもあるけれど、石灰化だけでしこりを作らないこともあるので、どちらか一方の検査だけでは100%の乳がんの検出は難しい。
「マンモグラフィと超音波検査の両方を受けるのがベスト。特に日本人女性は40代以上でも乳腺が発達した高濃度乳房の人が半数以上います。この場合、マンモグラフィだけではがんを見逃してしまう危険性があるのです」(島田さん)
特に検診を受けた際に「高濃度」と診断された人は、次回からはマンモグラフィと超音波検査を併用するのがおすすめ。

しこりの多くは良性のもの。見つけても怖がらずに早めに受診して

しこりの多くは良性のもの。見つけても怖がらずに早めに受診して

また、実際に乳がんを発見するきっかけで多いのは、セルフチェックによるもの。月経が終わるくらいのタイミングで、毎月実践してみて。
「セルフチェックはがんを早期に見つけるというよりも、正常な胸の状態を知っておくという意味で重要。しこりなどちょっとした異変に気づきやすくなるのです」(島田さん)
しこりを見つけるとドキッとして、怖くて病院に行く勇気が出ないという人も。
「自己検診で発見されたしこりのすべてが乳がんと診断されるのではなく、乳腺症や線維腺種、乳管内乳頭腫瘍など、むしろ良性のしこりの場合がほとんど。しこりに気づいたらまずは乳腺科を受診して必要な検査を受け、そのしこりが何であるかを確認することが大切です。検査の結果、乳がんでなければ治療の必要がないことがほとんどです。怖がらず勇気を出して受診してください。そしてしこりや心配な症状がなくても定期的な検診はさらに大事です。乳がんは今や女性が一番かかりやすいがん。残念ながら確実に防ぐ方法はありませんが、早く発見して正しく治療することが最大の予防なのです。日頃からセルフチェックを心がけて、さらに毎年の検診受診も欠かさないこと。それが乳がんから自分を守るためにできる大切なことです」(島田さん)

教えてくれた人

島田菜穂子さん

ピンクリボンブレストケアクリニック表参道院長。乳腺科医としてクリニックで診療するかたわら、認定NPO法人乳房健康研究会副理事長として、ピンクリボン運動をはじめ乳がんに関する正しい情報の発信と死亡率低下に貢献するための活動を積極的に行っている。

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WRITING/AKIKO NAKADERA

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