疲れやすさの原因は貧血かも!?食生活の改善で解消する方法とは?
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疲れやすさの原因は貧血かも!?食生活の改善で解消する方法とは?

更新日:2020/09/03

いつも疲れやすかったり、動悸や息切れ、めまいがしたり・・・。その背景には貧血がある可能性も。女性に多い貧血だけど、その多くは食事を改善することによって解消できるので、まずは自分の食生活を振り返ってみて。

貧血と診断された人、自覚症状がある人を合わせると約半数に
(2018年9月オズモール調べ 925人)

貧血と診断された人、自覚症状がある人を合わせると約半数に

オズモールのアンケートによると、貧血と診断されたことがある女性は、約25%。「貧血っぽいと感じることがある」「検査をしたことはないけれど貧血の自覚症状がある」という人を合わせると、約半数という結果に。「献血をしようとして貧血を指摘され、結局献血ができなかった」という声も目立った。日常生活で困っている症状は「立ちくらみがする」「月経中にフラフラする」「めまいがする」「ジョギングをしているとすぐに息切れしてしまう」「疲れやすい」「階段や上り坂で息があがりやすい」など。対策としては鉄剤や鉄のサプリメントを摂取したり、鉄を多く含むレバーや小松菜を意識して食べたり、という声が多かった。

慢性的なめまいや倦怠感などがあれば、血液検査を受けて

慢性的なめまいや倦怠感などがあれば、血液検査を受けて

貧血とは血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態のこと。ヘモグロビンは酸素を体中に運ぶ役割があるため、ヘモグロビン濃度が低くなると、めまい、倦怠感、頭痛、動悸、息切れ、顔面蒼白、起立性低血圧といった症状が出る。いずれも貧血特有の症状というわけではないので、自覚症状だけでは判断しにくいもの。上記のような症状があるという人は、まず血液検査で貧血なのかどうかを調べてみて。通常、ヘモグロビン値が女性12g/dl以下、男性13g/dl以下だと、貧血と診断される。貧血を引き起こす原因にはさまざまなものがあるけれど、最も多いのは鉄欠乏性貧血。中には子宮筋腫などの病気が隠れている可能性もあるので、注意して。

貧血を改善するには鉄の摂取だけでは不十分

貧血を改善するには鉄の摂取だけでは不十分

鉄欠乏性貧血の場合、体内に鉄を補えば改善すると思われがち。けれども公認スポーツ栄養士の鈴木志保子さんは「鉄の摂取量を増やすだけでは貧血を改善できません」と話す。
「ヘモグロビンをつくるためには、鉄だけではなくタンパク質、ビタミン、ミネラルが必要です。また、エネルギー摂取量が必要量を満たしていないと、エネルギーを補うためにタンパク質が使われ、ヘモグロビンを合成できない状況になることもあります」
つまり、エネルギー源となる糖質や脂質の不足も鉄欠乏性貧血につながるというわけ。特にダイエットで糖質や脂質を制限している人はエネルギー不足になっている可能性があり、要注意。
「貧血を回復するための近道は、できる限り規則正しく、栄養バランスよく食べること。エネルギー不足の人は、少し体脂肪を増やすくらいだと貧血の回復が早くなります」(鈴木さん)
貧血の程度が重症ではなく、摂取エネルギーを増やすことで太るのが気になるなら、一気に食べる量を増やすのではなく、1週間ごとに毎食ご飯(主食)の量を1口ずつ増やしていくくらいのペースで長い時間をかけてエネルギー不足を解消するのがおすすめ。この方法だと体重を増やさずにエネルギー不足や貧血を解消できる。

鉄はビタミンCと一緒に摂取するのが効果的

鉄はビタミンCと一緒に摂取するのが効果的

また、食品中に含まれる鉄には肉や魚など動物性の食品中に多く含まれるヘム鉄と野菜や海藻、大豆の中に多く含まれる非ヘム鉄がある。非ヘム鉄は吸収率が2~5%なのに比べて、ヘム鉄は15~25%程度。けれども通常の食事では、非ヘム鉄の摂取量のほうが多くなるもの。そこで非ヘム鉄の吸収を高めるために、ビタミンCを積極的に摂取するのが効果的。例えば鉄を多く含むヒジキを食べる際は、ビタミンCを多く含む野菜を一緒に食べることで、効率よく鉄を吸収することができる。
また、胃腸の調子が悪いと、エネルギーや栄養素がうまく消化吸収されないので、まずは胃腸の回復を優先して。鉄剤によって胃粘膜が荒れ、胃腸の調子が悪くなっているケースもあるので、その場合は医師に相談を。
「エネルギーや栄養素の消化吸収を高めるには、リラックスしておいしく食べること。食後もすぐに動くのではなく、ゆっくり過ごすとさらに効果的です」(鈴木さん)

教えてくれた人

鈴木志保子さん

神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授。日本スポーツ栄養協会理事長、日本栄養士会副会長、日本スポーツ栄養学会前会長。マツダ株式会社陸上競技部、パラ水泳日本代表など、数多くのトップアスリートの栄養指導に従事。2018年7月に新刊『理論と実践 スポーツ栄養学』(日本文芸社)が発売。

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WRITING/AKIKO NAKADERA

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります