女性ホルモンを味方につけてストレスをコントロールしよう
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女性ホルモンを味方につけてストレスをコントロールしよう

更新日:2020/09/03

新型コロナウイルスに対する不安や生活の変化によって、ストレスを感じている人は多いはず。ストレスは心身にさまざまな影響を及ぼすけれど、女性ホルモンの分泌もそのひとつ。この機会に女性の健康を左右する女性ホルモンと向き合って、体調を整えよう!

20~30代で女性ホルモンの分泌量が減る人も

20~30代で女性ホルモンの分泌量が減る人も

女性ホルモンの分泌に影響を与えるストレス。そもそもなぜ、ストレスが女性ホルモンに影響を及ぼすの? 産婦人科医の入江琢也さんによると、「女性ホルモンは脳からの指令で分泌される」からだそう。
「女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、卵巣は自分勝手に女性ホルモンを分泌しているわけではなく、脳に存在する視床下部からの指令によって、分泌を調整しています。視床下部は自律神経を司る重要な部分なので、ストレスによって視床下部からの指令が変化すると、結果として女性ホルモンの分泌も変化するのです」と入江さん。

一般的に女性ホルモンの分泌は、30代後半から減り始めるけれど、ストレスや過度なダイエットによる体重減少によって、20~30代でも減少することがあるのだそう。
「女性ホルモンが減少する原因をとり除けば、分泌量は徐々に回復していきますが、もとに戻るまでには1年以上かかることもあります」(入江さん)

女性ホルモンの乱れが肌荒れや抜け毛を引き起こすことも

女性ホルモンの乱れが肌荒れや抜け毛を引き起こすことも

女性ホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類でバランスを保っているもの。エストロゲンは女性らしさをつくるホルモンとして、乳房の発達や皮膚、骨、筋肉の働きに関わり、30代をピークに減少していく。プロゲステロンは子宮内膜を受精卵が着床しやすいように整え、体温を上昇させる働きがある。月経が終わってから排卵まではエストロゲンの分泌が多く、排卵後から月経まではプロゲステロンの分泌が多くなる。しかしこのバランスが乱れると、月経周期が乱れたり、不正出血(月経期以外の出血)が起きたり、月経が3カ月以上止まる「続発性無月経」になったりすることも。

また、女性ホルモンの乱れは、肌荒れや抜け毛などの症状を引き起こすほか、不妊につながることもあるのだそう。
「月経周期が乱れたり、不正出血が続いたりしたら、女性ホルモンのバランスが乱れているサイン。婦人科系の病気の可能性もあるので、一度婦人科を受診してみてください」(入江さん)

気づかないうちに心身に影響を与えている女性ホルモン

気づかないうちに心身に影響を与えている女性ホルモン

日常的にストレスをコントロールして、体調を整えることができれば、結果的に女性ホルモンのバランスも整うはず。
「自分でも気づかないうちに、女性ホルモンの影響を受けていることを知ることが大切です。月経前までの約1週間は、精神的にも身体的にも不安定になりやすくなります。この時期はイライラしたり、精神的に不安定になりやすかったりすることを理解しておくことで『この時期に重要な仕事をしない』など、心がけることができます。一方、心身の調子がいいのは、月経後から排卵前までの約1週間。この時期は積極的に体を動かして活動的に過ごすことをおすすめします」(入江さん)

今は新型コロナウイルスの影響で、活動的に過ごしにくいけれど、月経後から排卵前までは、できるだけ家でできるエクササイズなどをとり入れて。女性ホルモンの分泌に合わせた生活を送って、体調やストレスのコントロールを目指そう!

教えてくれた人

入江琢也さん

アイレディースクリニック新横浜院長。医学博士。日本産科婦人科学会専門医。日本臨床細胞学会細胞診専門医。慶應義塾大学病院、けいゆう病院のほか渋谷や恵比寿の婦人科クリニックに勤務。2016年開院。月経痛緩和のための低用量ピル処方、子宮頸部異形成に対するレーザー治療などをおこなっている。

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WRITING/AKIKO NAKADERA

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります