クーパー靭帯は再生しないって本当?垂れ胸を防ぐための方法を紹介

綺麗なバストの形をキープするために重要な「クーパー靭帯」。ダメージ量が一定以上になってしまうと再生が難しいため、事前のケアが必要無事でも有名。この記事では、ランジェリースタイリストのASUKAさんにうかがった、クーパー靭帯の基礎知識や、自分のクーパー靭帯にダメージを受けているどうかのチェックをするための方法を解説。クーパー靭帯をケアする方法についても詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてみて。

更新日:2024/03/06

今回お話を聞いたのは・・・日本ランジェリースタイリスト協会 認定ランジェリースタイリストASUKAさん

1997年より百貨店ランジェリー売場を担当し、大手下着ブランドのランジェリーアドバイザーを経た後、2023年、日本ランジェリースタイリスト協会認定ランジェリースタイリストとして独立。約36000名のフィッティングを実施した豊富な経験をもとに、ランジェリーレッスンやセミナー、買い物同行などを提供。クライアントそれぞれの状況やこだわりに寄り添った、親しみやすく温かみのあるアドバイスに高い定評がある。

1. 綺麗なバストを支えるクーパー靱帯とは?

そもそもクーパー靭帯とは何なのか。「名前は聞いたことがあるけれど・・・」という人も多いのでは。クーパー靭帯の役割や、損傷を受けるとどうなるのかを解説。

バストの形を保つための組織

クーパー靱帯の役割は、乳腺組織などを支えること。バストの肉などが脇に流れたり、下に垂れ下がったりしないよう、バストの形状と位置を維持する役割を担っている。クーパー靭帯が機能しなくなると、バストはいわゆる「垂れ乳」、もしくは「離れ乳」状態に・・・。「美バスト」を作るためには欠かせない組織と覚えておこう。

クーパー靱帯が伸びたり切れたりすると再生しない?

クーパー靭帯の主な成分はコラーゲンやエラスチン。筋肉と異なり、伸び縮みをしない特徴が。このため、一度伸びてしまうと、もとには戻せなくなってしまう。手術などでもクーパー靭帯の再生は不可能なため、美バストをキープするためにも、できる限りクーパー靭帯に負担をかけないような生活を心がけよう。

2. あなたの胸は大丈夫?クーパー靭帯のダメージ度チェック方法

クーパー靭帯は損傷しても痛みを感じることがないため「気づいたら垂れ乳・離れ乳になっていた」なんてことも。自分のバストがどのような状態にあるのかをチェックしておこう。

バストの膨らみ開始位置をチェック

クーパー靭帯にダメージがない場合、バストは脇の下あたりからふくらみはじめるもの。これよりも下からバストがふくらんでいる場合、クーパー靭帯にダメージを受けていることが予想されるかも。

垂れ乳になっているかチェック

クーパー靭帯にダメージを受けていると、胸の組織が支えられず、垂れ乳に。垂れ気味になっていないかどうかをチェックしよう。鏡などで見るのがおすすめ。乳首が下を向いているかどうかを見ると判別しやすい。

3. クーパー靱帯が伸びる・切れる理由は?

クーパー靭帯が伸びたり切れたりしてしまう理由について詳しく解説。自分の生活習慣を見直すきっかけにしてみよう。

ノーブラの時間が長い

ノーブラで過ごす時間が長いと、バストをクーパー靱帯のみで支えねばならず、負担が増加しダメージを受けやすくなってしまう。特にバストサイズが大きい場合は、靭帯に無理がかかりやすいので注意しよう。

間違ったブラのサイズや着け方をしている

サイズが合わないブラを着用すると、クーパー靱帯に適切なサポートを提供できない。また、ブラの着け方が間違っていると、靱帯への負担が不均等になり、ダメージを与える原因となってしまう。

ノーブラで運動をする

運動時には胸が激しく揺れるため、靱帯に大きなストレスがかかってしまう。伸びたり、傷ついたりする可能性が増すため、必ずブラジャーをつけて。できれば、スポーツ時の動きに対応できるような、フィット感の高いスポーツブラを着用するのが望ましい。

姿勢が悪い

悪い姿勢は、胸にかかる負担を増加させ、クーパー靱帯への影響を及ぼしてしまうので注意。特に気をつけたいのが猫背。胸部分に圧力が強くかかる状態が続くため、できれば避けたほうが無難といえる。

筋力が低下している

胸部周辺の筋肉が衰えると、胸を支える土台の力が弱まってしまうことに。結果的に、土台のサポートなしに、クーパー靱帯だけでバストを支えることとなってしまう。過度な負担がかかり、ダメージが生じやすくなる。

クーパー靭帯以外でバストを支える土台となるのが、肋骨や大胸筋、小胸筋などの組織。クーパー靭帯を守り、美胸をキープするためには、これらの筋肉も意識して鍛えることが重要と考えよう。

妊娠・出産・授乳の経験

妊娠や出産で、女性のバストは平均2カップほど大きくなるといわれている。大きくなった胸に対応するため伸びたクーパー靭帯は、授乳終了後にバストがもとの大きさに戻ったとしても、縮むことはない。結果的に、垂れ乳につながってしまうことに。

加齢

年齢を重ねると、体のあらゆる部分の弾力性や回復力が低下する。特に、クーパー靭帯の主成分であるコラーゲンやエラスチンは、年齢を重ねるにつれ体内に保持される量が少なくなっていくため、強度も下がってしまうことに。

体重の急激な変動

短期間で体重が増減すると、バストの大きさにも変動が。クーパー靭帯は伸縮性の低い組織なので、一度伸びてしまうと、元の大きさに縮んで戻ることはない。クーパー靭帯が伸び切ったままになってしまい、垂れ乳・離れ乳になってしまうかも。

4. クーパー靱帯の負担を軽減する方法

ここからは、クーパー靭帯の負担を軽減する方法を紹介。衣類や習慣、食べ物、マッサージや筋トレなど、多方面から紹介するので、ぜひ参考にしてみて。

着用下着でケアする

ブラを正しく着用する

正しい方法でブラを着用することで、胸を均等に支え、靱帯への負荷を分散させられる。ブラのストラップやカップが適切にフィットしているか確認しよう。

また、ブラのサイズは、クーパー靱帯への影響が大きい要素。適切なサイズを選ぶことで、胸をしっかりと支え、靱帯への負担を減らせる。定期的にサイズを測り、必要に応じて新しいものを選ぶことが大切。

運動時はスポーツブラを

運動時の胸の揺れは、クーパー靱帯に大きなストレスを与える。運動時はスポーツブラを着用することで、運動中の揺れを抑え、靱帯を守ろう。

就寝時はナイトブラを

就寝時にも胸の揺れや位置の変動は起こるもの。ナイトブラを着用することで、就寝中の胸をやさしくサポートし、靱帯への負担を軽減しよう。快適な睡眠とともに、胸の健康も保ってみて。

ナイトブラの選び方については以下の記事でも詳しく解説しているため、あわせてチェックしてみて。
【人気のナイトブラおすすめ30選】下着コンシェルジュに聞いたブラジャーの選び方も

習慣を見直す

姿勢を正しくする

よい姿勢を保つと、胸に体重が集中しないため、クーパー靭帯への負担が軽減される。特に背筋を伸ばし、肩を開くような姿勢は、胸部の圧迫を減らし、クーパー靱帯へのストレスを軽減してくれる。

お風呂にゆっくり入る

温かいお風呂にゆっくりと浸かることで、全身の血行が促進される。胸部への血流も改善されるため、栄養素や酸素がクーパー靱帯に届きやすくなったり、老廃物を排出しやすくなったりといったメリットが。

また、ダメージを受けても、血流がよければ回復や修復もスムーズになるので、ぜひトライしてみて。

ストレスを溜めない

ストレスは血管を収縮させ、体全体の血流が悪くなってしまうことも。クーパー靭帯にもダメージを受けやすくなってしまうので、ストレスがかかりすぎていると思ったら、リラックスタイムをもつことを忘れずに。

定期的な運動にもトライ!

定期的な運動は血流を改善してくれるほか、ストレス解消にも効果的。美バスト作りには欠かせない習慣なので、ぜひチャレンジしてみて。

食べ物でケアする

タンパク質を摂取する

タンパク質は、体の組織を構成する基本的な成分。クーパー靱帯を含む結合組織の強度と修復には、タンパク質が不可欠。肉、魚、卵、乳製品などの高タンパク食品をバランスよく摂ろう。

ビタミンCを摂取する

ビタミンCは、クーパー靭帯の主要な構成要素であるコラーゲンの合成に必要な栄養素。柑橘類、キウイ、赤ピーマン、ブロッコリーなど、ビタミンCが豊富な食品を意識して普段の食生活に取り入れてみて。

マッサージで血行促進

マッサージで血行促進

胸周辺の血行を促進するためにおすすめなのが、マッサージ。バスト周りをぐるりと円を描くようにさするほか、上下をもむ、下から叩くなども効果的。強さは「気持ちいい」と感じられる程度がベスト。1日に1回、お風呂のときなど習慣化すると続けやすいのでおすすめ。

合掌のポーズ

ヨガでおなじみの、手のひらを胸の前で合わせる「合掌のポーズ」。肩や首の筋肉をほぐし、血流をアップさせる効果がある。手のひらはピタッと合わせなくてもOK。肘は張らず、リラックスさせ、肩の力を抜くことを意識して。

プッシュアップ(腕立て伏せ)

筋トレにもチャレンジしてみたい人におすすめなのがプッシュアップ(腕立て伏せ)。大胸筋周りの筋肉を効果的に鍛えられる。初めての人や、筋トレに自信がない人におすすめなのが、強度の低い「膝付きプッシュアップ」。


肩幅より少し広めに手をつき、背中が真っすぐになるようにして膝をつく。そのまま、肩甲骨を寄せる意識をもちながら、肘を曲げて体を下ろしていく。体をしっかり下ろしたら、元の位置まで体を押し上げて。

5. ナイトブラでバストを守ろう

クーパー靭帯をケアしたい人に特におすすめなのが、睡眠中のバストケア。ナイトブラを使用すると、就寝時のバストがしっかり守られるのでぜひ使用してほしい。ナイトブラのメリットや着用方法について解説するので、参考にしてみて。

ナイトブラって何?

睡眠時に着用するためのブラ。通常のブラジャーとは違い、クーパー靭帯をサポートすることに主眼が置かれている。また、素材にもこだわりが。締め付けが少なく、柔らかく伸縮性のある製品が多い。

ナイトブラのメリットは?

就寝中に寝返りなどでバストが動くときに、クーパー靭帯への負担を軽減してくれるほか、バストの形状を保ち、垂れや変形を防ぐなどの効果がある。美胸を保ちたい人はぜひトライしてほしい製品。

ナイトブラの効果的な着用方法

通常のブラジャー同様、ナイトブラも、サイズやストラップ、フックを調整することが重要。自分の体にピッタリ合ったナイトブラで、自慢できるバストをキープしてみて。

ナイトブラの選び方については以下の記事でも詳しく解説しているため、あわせてチェックしてみて。
【人気のナイトブラおすすめ30選】下着コンシェルジュに聞いたブラジャーの選び方も

6.垂れたバストを改善する方法

大胸筋を鍛える

バストを支える下地となる大胸筋。筋肉トレーニングをすることで、ある程度までは鍛えられる。バストを支える土台部分の強度が増すことで、バスト全体にハリが得られ、垂れ乳も改善されるケースがある。

初心者は、手のひらを胸の前で押し合わせる「合掌のポーズ」などから始め、筋肉量が増してきたらプッシュアップ(腕立て伏せ)などのトレーニングも検討してみて。

マッサージで血流促進

バスト周辺の血行をよくすることで、筋肉の緊張を改善。バスト位置を本来の状態に戻す効果も期待できる。ただし、マッサージでバストを摩擦し過ぎてしまうと、かえって肌の老化や、クーパー靭帯へのダメージにつながってしまうことも。クリームやオイルなどを使って、やさしく撫でるようなマッサージを心がけて。

バストマッサージは、知識のない状態でやりすぎると、むしろ逆効果になってしまうことも。強い力のマッサージによって、結合組織が荒れたり、クーパー靭帯の伸びにつながってしまうこともあるので、リスクが高いものと考えて。

おすすめは、お風呂から出た後に、バストクリームを付け、30秒〜1分程度マッサージをすること。

1.バストのアンダー部分を内側に向かってなでるようにマッサージ
2.デコルテ部分(鎖骨の下〜バストの開始位置あたり)を、下から上にやさしくマッサージ

適度な力でのマッサージは、皮膚のハリにもつながるのでぜひトライしてみて。

また、マッサージでバストケアをしたいのであれば、肩こりや背中のこり、猫背を解消することも検討してみて。バスト周りの血流をよくすることで、バスト全体のハリにつながることも。

セルフケアと正しいブラ選びで進行をゆるやかに

一度垂れてしまった胸を、ブラだけで改善するのは難しいのが現実。ただし、バストのセルフケアにプラスして、適切なブラジャーを選び続ければ、エイジングの進行をゆるやかにすること自体は可能。

「胸が垂れ始めているから、もうどうしようもない」と放置するのではなく、そのタイミングから、バストケアを始めることを検討してみて。

7.クーパー靭帯に関するよくある質問

Q.筋トレはバストアップにつながる?

A.バストの中には筋肉がないので、バストそのものを鍛えて大きくすることはできません。ただし、大胸筋や小胸筋など、バストを支える土台の厚みがしっかりとある場合、バスト位置が高くなり、綺麗に見えることもありますよ。

Q.垂れ乳を防ぐためには、寝るときもワイヤー入りのブラをするべき?

A.寝るときにワイヤー入りのブラをつけても、特に意味はありません。日中用のブラは、あくまで「起きて活動するときに最適なブラ」。ブラが上から乗ることを想定しているため、夜寝るときはむしろ、バストが横に流れてしまうこともあります。

寝た姿勢で、バストの形をキープするために作られた製品がナイトブラ。就寝中のバストケアは、ホールド力が高く、バストの横流れを防げるものを選んでみて。

Q.クーパー靭帯が切れると、痛みはある?

A.クーパー靭帯が切れても、痛みや音、感覚などはしないことがほとんどです。切れた自覚のないまま過ごしている人も多いことでしょう。ただし、クーパー靭帯が切れたり、深刻なダメージを受けたりしたバストは「離れ乳」「垂れ乳」など、目で見て分かる状態になっていることが多いため、セルフチェックは難しくはありません。

Q.寝る時の姿勢はクーパー靭帯に影響する?

A.うつ伏せ寝をすると、胸の形が潰れた状態で長時間過ごすことに。クーパー靭帯にストレスがかかってしまうことも考えられます。美胸をできる限りキープしたい場合は、仰向けで寝ることを意識してみるのもよいでしょう。

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※記事は2024年3月6日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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