お気に入りのアートに囲まれた暮らし。なんだかちょっと敷居が高い気がするけれど、気軽にお気に入りアートを見つけたり、手軽に手に入れるチャンスがやってきた。欧米ではメジャーな野外イベントになっているアートフェアが、今年横浜の山下公園で初開催される。10月30日(金)から11月1日(日)の3日間に行われる「国際屋外アートフェア2009 横浜」は、『アートを日常に』をテーマに国内外のアーティスト30名が参加。北米の野外アートフェアで活躍する彼らの絵画、写真、陶芸など多彩なジャンルの作品が展示・即売される。山下公園内のアーティストブースをめぐって、アーティストと会話を楽しみながら、気軽にお気に入りを見つけてみない?
「アーティストと市民が直接交流を持ち、アートを手軽に購入することができるアートフェアというのは、アメリカではすでに一般的で、各地で開催されています。アートフェアは美術館やギャラリーのように敷居も高くなく、財布の中のお金でアートを買って自分の生活に色を添えられる。それはいつもの日常から、世界が広がるヒントになると思うんです」
自身もアメリカでの生活が長く、今回アートフェアを横浜で初めて開催するNPO法人IA&CPの副理事、岡鼻ミドリさんは、まっすぐな情熱を感じさせる瞳が印象的な表情で語りはじめた。
「私はこれからの世界が共存していく為にはアートの『力』が必要不可欠だと思っています。世界を担う若者たちを、人間としてはぐくむために最も大切なのは芸術教育かもしれない。私はそう感じています。私は芸術教育とはアーティストを育てることがその目的だとは思いません。芸術教育の真の意味とは、多くの自由な市民が生まれ育つ環境を創り出すことだと信じています。そして、自由な市民とは、創造力、発想力、集中力、考える力、見抜く力、行動力、そしてコミュニケーション能力の備わった人間の事ではないでしょうか。このフェアが、今までアートに関係のないと思い込んでいた人たちと、アートを結ぶきっかけになればいいと思っています」
彼女のアートを発信したいという思いは、開催地選びにも現れている。すべての行動に、メッセージが込められる。その彼女の活動自体、どことなくアーティスト的なこだわりを感じるものに思える。
「今回横浜で開催できることは、とても光栄なことだと感じています。この町は創造文化都市を宣言し、アートに対する理解もとても深い場所です。ここは150年前に黒船が来て、西洋文化が庶民の生活に紹介され、その後も多様な文化を受け入れ、育ててきた町だと感じています。そこでこのアートに関わる新しい試みができたら、そう思っていましたので、今回の開催をとても楽しみにしています」
彼女はこんな風にも思っている。アートとは一方通行のものではないと。それはまさに彼女が今回のフェアでいちばん伝えたいことのようだ。
「アート作品は、創る側と見る側(買う側)があってこそ命が吹き込まれるんです。両者の共同作業で一作家の作品は独立したひとつの作品として歩き出せる。あなたの心を引きつける作品は、他の人とは違うかもしれません。でもそれはあなたがあなたである限り当然の事なのです。ぜひ自分の心に響く作品を見つけてもらえたら、そう思います。そしてアートを暮らしに取り入れてみてください。世界でたった1人の大切なあなたです。まずは自分自身を大切にする、そのためにも」
今回は、アートの展示販売のほかに、作品創りを体感できるワークショップ、アメリカ作家による水彩テクニックなどのイベントも用意されているそう。ぜひ、あなたとアートの出会いのきっかけの1日を、横浜で。そこで感じて、買って、電車で持って帰れます!
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