大好きな彼は重い心臓病を抱えていた。彼は私を悲しませないよう、一生懸命別れようとしている。いつもは草食系だけど、いざというときは命をかけて私を守ろうとする彼・・・私は彼から絶対に離れないと決めた！ 小学館漫画賞を受賞した青木琴美のベストセラーコミック「僕の初恋をキミに捧ぐ」が井上真央×岡田将生コンビで映画化。20歳まで生きられないことを８歳で知った逞（たくま）と、強がりながらも一途に彼を愛し続ける彼女・繭（まゆ）。羨ましいくらいどこまでも両思いな２人の純愛ストーリー。コミックでは登場しない映画のラストシーンも見逃せない。「もっともっと愛したい、そして愛されたい」そんなガールズ同士で映画館へ。
原作者の青木琴美は1980年生まれ。「僕は妹に恋をする」、現在連載中の「カノジョは嘘を愛しすぎてる」など、「僕」「キミ」「カノジョ」などを取り入れた心憎いタイトルが多いヒットメーカー。青木は自身の原作漫画の映画を観て、「自分がこの映画の原作者じゃなかったとしても、この映画が大好きだと思う」とコメントしている。特に「井上真央ちゃんが繭役だと聞いて安心していたけれど、想像以上に繭の“強がりないじらしさ”が表現されていて、すごいなと思いました。逞役の岡田将生さんに関しては、思い切って書いてしまうと、恋を、してしまいました。や、もちろん“映画の中の岡田くん”に、ですけれども！」と満足のキャスティングだったようだ。
10月末に開催された東京国際映画祭で、特別招待作品に選ばれた今作。主演の井上真央（22）と岡田将生（20）も多くのファンの声援を浴びながら仲良く腕を組んでグリーンカーペットを歩いた。作品の舞台挨拶の時には「グリーンカーペットの感想は？」と聞かれ、「監督と岡田くんの緊張が移ってしまってドキドキしたけれど、（岡田くんに）素敵なエスコートをしてもらいましたし、『僕キミ』のパンフレットを持ってる方がたくさんいて暖かい声援をいただき、楽しかったです」と話す井上に対し、岡田はほんわかした口調で、「僕らしさが出せたかな、と・・・（笑）。ちゃんと俺、井上さん引っ張れたかなと思ってます」と笑顔で答え、会場を沸かせた。
「タイムリミットがある逞より、自分の方が繭を大切にできる」と堂々と恋のライバル宣言をするの昂。演じているのは細田よしひこ（22）。和菓子屋さんの息子で、現在慶応大学商学部に在学中。2004年にCMでデビュー後、ドラマや映画で活躍中。映画「デトロイト・メタル・シティ」では、松山ケンイチ演じるクラウザー２世率いるバンドのベース担当アレクサンダー・ジャギ様を演じた。昂は学校一のモテメンで繭以外の女子の誰もがつきあいたいと思っているという、まさに少女漫画には欠かせないややナルシストな王子様キャラ。ストーリーが進んで行くうちに誰もが昂の魅力を感じていくはず。もちろん繭の心は・・・なわけですが。
繭と逞は、８歳の時に病院で出会った。繭は医師である父が勤める病院に遊びに来ていて、逞は心臓の病気で入院していた。ある日、２人は繭の父が、「逞の心臓では20歳まで生きられない」と両親に説明している場に居合わせてしまう・・・。退院してからも会うようになる２人。繭は四つ葉のクローバーに逞の病気が治るよう願う。そして逞は「大人になったら結婚しよう。そしたらきっと楽しいよ」とプロポーズをするのだった。
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© 2009「僕の初恋をキミに捧ぐ」製作委員会
© 2005青木琴美／小学館
取材・文／安田佑子
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