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南アフリカ初の黒人大統領、ネルソン・マンデラは、どうやって弱小だった南ア代表ラグビーチームをワールドカップ初出場初優勝に導いたのか？ 白人の愛好スポーツであり、アパルトヘイトの象徴だったラグビーで、対立していた国民たち＝黒人と白人がひとつになったとき、歴史が動いた。クリント・イーストウッドの監督30作目『インビクタス/負けざる者たち』は、感動的なスポーツ映画であり、社会派映画であり、“ネルソン・マンデラ”という偉大なリーダーの実話ヒューマンドラマでもある。南アの全国民が忘れない「1995年の奇跡」を今、映画館でシェアできる。大人のデートムービーにもぴったりの今作は鑑賞後のおしゃべりも盛りあがりそう！
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ネルソン・マンデラ南ア・第９代大統領は「どの俳優に自分を演じてもらいたいか？」という質問に以前、「モーガン・フリーマン」と答えていたという。まさにそのモーガン・フリーマン（72）が演じる、ネルソン・マンデラは1918年生まれで現在91歳。反アパルトヘイト運動により1962年に逮捕、27年間も投獄されていた。1990年２月11日に釈放後、1994年に南ア史上初の全人種参加選挙で大統領に就任。現在は政治界を引退している。製作総指揮者も務めるモーガンは、元大統領のもとを訪ね、「あなたの本質がよくわかる出来事を映画にしたい」と話したところ、彼は最後まで聞く前に「ああ。ワールドカップについてか」と答えたという。
南アのラグビー代表チーム「スプリングボクス」は国際試合で戦える実力はなかったが、1995年のワールドカップ開催国だったために出場が認められていた。チームは白人ばかりで黒人選手はたった１人。そのチームを南アすべての人種がひとつになって応援することなど、当時は考えられないことだった。製作スタッフの１人は「南アの人たちはみんな、あの決勝戦の日に自分がどこにいて、どう感じたかと話してくれる。誰もが鮮明に思い出せる出来事なんだ」と話す。優勝した瞬間の映像をYOUTUBEの動画で発見！ 映画にも登場するユニフォーム姿のマンデラ元大統領も映っている。
「95年の出来事よりすばらしいストーリーは、ハリウッドでさえ思いつかないだろうといつも言ってたんだ」と話す、当時のスプリングボクスの主将、フランソワ・ピナール。彼を演じた「ボーン・アイデンティティ」シリーズのマット・デイモン（39）は、本物のフランソワに会った時、193㎝という大柄な彼をただただ見上げたという。「ちょっと不安な沈黙があったあと、『スクリーンでは僕はもっと大きく見えるよ』と言ったのを覚えているよ」。マットは少しでも彼らしく見えるよう、ラグビー以外にウエイトリフティング、ボクシング、ダッシュなどのトレーニングメニューをこなし、体が1.5倍になったかのような「ラガーマンボディ」に変身した。
1994年、南アフリカ共和国初の黒人大統領、ネルソン・マンデラが就任した。27年間投獄生活を強いられた後の勝利だった。彼は職員、警護班にも黒人と白人を区別なく受け入れた。また、アパルトヘイトの象徴、ラグビーの南ア代表チーム「スプリングボクス」のチーム名とユニフォームの変更を望むスポーツ評議会に対しても強く反対する。彼はチームの継続、強化が国の未来を大きく左右することになると信じて疑わなかった・・・。
© 2009 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.
取材・文／安田佑子
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