ガンを宣告されながらも最後の瞬間まで懸命に生きたプロのウインドサーファー、飯島夏樹。テレビで放映されたドキュメンタリーや著書で、彼の存在を知る人も多いのではないだろうか。今夏、その実話をもとにした大沢たかおさんの主演映画『Life 天国で君に逢えたら』が公開される。
「ぼくもたまたま飯島さんのドキュメンタリーを観ていたんですよ。もちろんそのときは自分が飯島さんを演じることになるなんて、想像もしていませんでした。自分と年齢的に近い人間がプロのウインドサーファーとして活躍しながら、4人の子供を育てる。それだけでもすごいことなのに、ガンという病と対峙して、家族に希望を残すために笑顔を忘れずにがんばっている。ぼくには子供はいないけれど、飯島さんのそんな姿にある種の理想の父親像を見たような気がしました。その番組を観たあとで本を読んで、素敵な言葉にもたくさん出会いました」
38歳という若さで他界した飯島さんが最期の時を過ごしたハワイで現在生活する、妻の寛子さんと4人の子供たち。撮影前に対面したという大沢さんは、「ご家族の方が映画を観ると思うと、やっぱり責任とプレッシャーを感じました」と語る。
「寛子さんはとてもきれいな方で、壮絶な時間を越えてきたからこその本当のやさしさを持ってる。子供たちもすごく素直でいい子たちなんですよ。やっぱりお父さんが気持ちの深いところに存在しているのかなって思いました。言葉にできないくらい大変なことと向き合ってきた寛子さんには、ただただ頭が下がる思いです」
撮影では、サーフボードにウェディングドレス姿の伊東美咲さんを乗せ、2人で沖に出るシーンにも挑戦。サーフィンの特訓については「もともとマリンスポーツが好きだったし、仕事ですから当然のこと」と謙虚に語る大沢さん。約3週間にわたったハワイでの撮影では、奇跡的ともいえるほど、天候に恵まれたのだとか。
「ハワイには25歳くらいまでよく行ってましたね。サーフィンしたり、ダイビングしたり。久しぶりに行ったのですが、やっぱりすごくいい土地だと感じました。風景がきれいだからモニターをのぞくのも楽しいし、環境がいいからみんなあまり寝ていなくても不満が出ない(笑)。今回の撮影では、ハワイの空気に助けられっぱなしでしたね。スタッフと出演者たちみんなの“素敵な映画にしたい”っていう気持ちが、いい天候を呼び寄せたのかもしれません」 |