宮アあおい(女優)
『ユリイカ』に続いて梢を演じたのが、宮アあおいさん。21歳の彼女が、かつてバスジャック事件の被害に遭った10代の梢を、どんな気持ちで演じたのだろうか。また梢にあって、自分にはないものとは何だろうか。
「私は、台本を読んで、その役が自分とどう違うとか同じ性格かなとかあんまり分析をするようなことはしなくて。映画が完成をしたのを見たり、またはこうしてインタビューに答えるときに梢の性格を振り返って“自分と違うことと同じこと”を感じるんですね。梢ちゃんは、(相手が)傷ついていることが解っていながらも、言葉を発しないで相手を受け入れられる強さを持っていますけど、私はまだそこまでの強さはなくて、それはいちばん欲しいものです」
この映画は、すべてを包み込みながら美しく生きる3人の“ゆるぎない女たち”が描かれている。「女性は、誰でも強さを持っていると思うんです」と語る宮アさんに“ゆるぎない女”のひとりである梢の強さについて教えてもらった。
「女の人はいつかお母さんになる。子供って、すごくワガママだったり、物を壊したり汚したりするけれど、お母さんはそういうことを“ハイハイ”って全部受け入れてあげるじゃないですか。梢ちゃんは人のつらい部分を色々と見てきているから、10代っていう若さなのに、お母さんのように相手を受け止める強さを持っているんだと思うんです。時には声をかけるのではなく、ただ頭をなでてあげるだけでも、相手が救われるのがわかっている」
オズモールの読者と同じアラウンド30を迎えるときには「自分のやりたいことがちゃんと見えていて、それに向かっている人。努力をして、夢を実現しようと思っている人になっていたい」と、なりたい女性像をしっかりと捉えている宮アさん。今は、その目標の半分くらい達成したところ?
「うーん。でも止まっていたくないので、1ミリでも1センチでも前に進んでいたい、昨日と変わっていたいと思う性格なので、どんどん上にいきたいと思いますね」
最後にこの映画を観た女性たちに、どんなふうに受けてとめてもらえればいいと思いますか?
「この映画には、10代の梢ちゃんのような子の強さや、板谷さんが演じる20代後半の冴子の子供ができてさらに芯が通った強さ、石田さんが演じる千代子の大いなる母の強さ。それぞれ女性の強さを描いているので、もしその強さを自分の中でまだ見極めがついていない人がいれば、発見して欲しいし、そうじゃない人は再確認ができるんじゃないかなと思うんです。女性は絶対に強いと思うので、それを改めて感じてほしいですね」
宮アあおい profile
1985年東京生まれ。4歳からモデルとしてスチール写真やCMに出演。青山監督作「ユリイカ」のヒロイン役で脚光を浴びる。05年に公開された「NANA」は大ヒット。今後も、様々な映画の公開が待機している。 |
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