海もないのに「シーサイドモーテル」。それだけでも怪しいのに、そこに集まってきた面々はさらに怪しかった!! 103号室にはインチキ美容クリームのセールスマンと駆け引き上手のコールガール。202号室には借金まみれのギャンブラーと彼を追ってきたヤクザ&伝説の拷問職人。203号室にはEDに悩むスーパーの社長と嫉妬深い社長夫人。102号室には潔癖性のキャバクラ嬢とセコいキャバクラ常連客。生田斗真、麻生久美子、山田孝之、玉山鉄二、成海璃子ら豪華俳優陣が、テンポのいい演出に合わせ、ひとつ屋根の下で「仕事」「愛」「お金」、ついでに「ベルギーの猫祭り」を賭けた熱いドラマを繰り広げる! チェックアウトできるのは、誰なのか!?
「お前、どこの貴公子だよ!」という、山田さんの首元のスカーフを見た玉山さんのツッコミからインタビューは始まった。写真撮影でも、カメラマンの笑顔のリクエストにも、「ちゃんと笑ってる?(山田さん)」「笑ってるよ!(玉山さん)」。とにかく2人は仲がいい。山田さんはギャンブラーの朝倉役をオファーされたとき、ヤクザの相田役が玉山さんに決まっていることを台本で知ったそう。
山田:話も役も面白いし、久しぶりの共演だし、前回の『手紙』は重いストーリーだったので、今回はまた違った感じで楽しめるかなと思って「僕もやります」と言いました。そうしたら、(玉山さんが)朝倉の役は僕に、と言ってくれたみたいで・・・その話は僕も今日知ったんですけど。
玉山:というか、僕は1年半前くらいから相田役に決まっていて、「朝倉役にはどういう俳優さんを想像しますか?」と聞かれたので、「山田くんならキャラに合ってるし、個人的にも一緒にやりたいです」という話をしたら、それが実現したという感じです。
「衣装がすごかったですね」と伝えると、玉山さんが山田さんに「お前なんかほとんど下着だったしな(笑)」と一言。
山田:そういう衣装だったり、縛られていたりという状況もあって、役には入りやすかったです。朝倉の適当な感じというか、「本心なんてないんじゃないか?」という感じに見えたら、と思いながら演じました。
玉山:僕は、怖い系じゃなくて愛着が湧くようなヤクザになるよう心がけたのと、理由のない無駄な動きを積み上げることで、そこをクスッて笑ってもらえればいいなと思いながらやりました。
舞台は、周囲に海がない「シーサイドモーテル」。聞いただけでも残念な宿だが、2人は今までに宿泊したホテルで残念な経験は?
山田:中東ウズベキスタンのホテルで、シャワーが水しか出ないのでフロントに言ったら、4リットルくらいのお湯を持ってきて「あとは水で薄めてください」って言われて。浴槽にそれ入れたって10pくらいですよ(笑)。あれはきつかったですね。
玉山:冬に中国の四川で標高2000mくらいにある施設に泊まったとき、僕は海外だと食べ物にメンタルが慣れるまで時間がかかるんで、カップラーメンとか持ってくんですね。でも標高が高いから沸点が低くて水が熱湯にならないんですよ。だから、超ぬるいカップラーメンしか食べられなくて(笑)。それでも食べましたけど。
この映画の見所はという質問に「全員がうざいところ(笑)」と山田さん。確かに登場する女性キャラ4人も、それぞれ個性が強い。でも、敢えて2人がシーサイドモーテルで過ごすなら?
山田:だってキャバ嬢のマリン(山崎真実)は面倒くさいよ。社長夫人の美咲(小島聖)も問題ありでしょ。
玉山:マリンと美咲、朝倉の女の留衣(成海璃子)は3人とも面倒くさい。
山田:やっぱり面倒くさいのはダメだよね。そうなるとコールガールのキャンディ(麻生久美子)しか残らないよね。話だけでも楽しそう。
玉山:そうだね。「帰れ」って言えば帰るし(笑)
山田孝之 PROFILE
1983年、鹿児島県出身。1999年にデビューし、ドラマ「WATER BOYS」、映画「電車男」など数々のドラマ、映画に出演。映画「十三人の刺客」、「乱暴と待機」、「GANTZ」が公開待機中。
玉山鉄二 PROFILE
1980年、京都府出身。雑誌モデルを経てドラマ「ナオミ」(1999)で俳優デビュー。映画版『ハゲタカ』では日本アカデミー賞最優秀助演男優賞にノミネート。4月中旬からドラマ「素直になれなくて」に出演。
午後6時。103号室のベッドでうたた寝していた亀田が目を覚ます。原価200円の美容クリームを数万円で売る亀田は、社長に「全部売り切るまで帰らない」とタンカを切って飛び出てはみたが、そんな自信はない。そこへコールガールのキャンディが部屋を間違えて亀田の部屋を訪ねてきた。「4万円で遊ばない?」と言うキャンディに亀田は・・・。その5分前の5時55分。202号室のベッドの上ではギャンブラーの朝倉が目を覚ました。
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© 2010『シーサイドモーテル』製作委員会
取材・文/安田佑子
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