眠っているときに見ている夢、それは本当にあなたのもの? 実は「誰か」に作られた夢かもしれない・・・。夢を見ている間に潜在意識に侵入し、秘密、アイディア、思い出までを盗むプロ集団。そして今回の彼らのミッションは、盗みではなく、思考を「植え付ける」ことだった! 『メメント』『ダークナイト』のC・ノーラン監督の最新作『インセプション』。想像もつかない展開と映像に、エンディングまで息もつけないおもしろさ! 主演にL・ディカプリオ、そしてセカンドクレジットには渡辺謙。さらにの『NINE』のM・コティヤール、E・ペイジなどとにかく豪華。セキュリティが本当に必要なのは、あなたの「頭の中」かも・・・!
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共演のレオナルド・ディカプリオに、「彼はナショナル・トレジャー(日本の財産)」と言わしめた渡辺謙さん。渡辺さんが演じる“サイトー”とは、一体どんな人物なのだろう?
「日本の大企業のCEOの役。ライバル企業の力をそぐために、そこのトップの潜在意識に“あるもの”を植え付けてほしいと、レオ演じる“コブ”に依頼するところから話は始まるんですね。おもしろいのはね、潜在意識の中では“自分が思う自分”と、“人が思う自分”って違うじゃないですか。だから、人のマインドの中のシーンでは、違うテイストで演じてもアリなんですよ。そういう意味では、キャラクターの手が自由に伸びていく瞬間がいっぱいあって、おもしろかったですね」
レオをはじめ、今がまさに旬の若手ハリウッドスターたちと過ごした現場では、「やっぱり、刺激は受けましたね」、と渡辺さん。
「いちばんイキのいいジェネレーションばかりじゃないですか。撮影のキャリアもスキルも、体力も充分にある。現場自体の空気圧が“ボンッ”って高い感じはしました。」
「“お、やるな”って思ったのは、みんなで言い争うシーンの撮影で、セットコールの10分前にレオがトレーラーの前にみんなを集めて、台詞合わせをしたんです。単純な合わせというより、結局、みんなのテンションを高めるためなんですよね。レオの、作品を引っ張って行こうっていう空気が伝わってきました」
キャリア&年代を重ねたことで、「渡辺謙ならこういう感じ」という観客のフレームができてしまいがちなところを、「ハリウッド作品で演じた役柄が、自分を原点に戻してくれている」、と言う渡辺さん。
そのハリウッドでも、着実にその存在感を増している。今作では、『バッドマン ビギンズ』以来、2度目の仕事となるクリストファー・ノーラン監督が、渡辺さんをイメージして書いたという嬉しいエピソードも。
「日本人である必然性はまったくない役で、それを僕のために設定を日本人にしてくれたんですよね。僕、ハリウッドでコンテンポラリーな(=現代設定の)役って初めてなんですよ。
これは、ある意味大きなハードルでもあったんで、違う窓が開いたかな・・・という気はします。英語の台詞も、非常に現代的な要素が多くて、トレーニングの必要がありましたが、その課題も楽しめたと思ってます」
世界6カ国で撮影され、その中には日本も含まれている。ますます期待高まる今作だが、渡辺さんに言わせると、「観終わった後に、誰かとしゃべらないとストレスがたまる映画」なのだそう。
「かなり頭がシャッフルされる、脳内アトラクションのような感じですね。クリス(監督)は、13歳の時にこの映画のベースストーリーを考えたらしいですからね。妄想少年ですよねー(笑)。ほんとに彼は映画製作者になってよかったですよ。ちなみに僕は、この撮影を終えた後、『絶対に人の思考にも入りたくないし、入られたくもない!』と思いましたね」
渡辺 謙PROFILE
1959年、新潟県出身。ハリウッド映画『ラスト・サムライ』で米アカデミー賞助演男優賞ノミネート、ほかにも「バットマン・ビギンズ」「硫黄島からの手紙」など。また「明日の記憶」「沈まぬ太陽」では日本アカデミー賞最優秀主演男優賞獲得
ドム・コブは、人間が夢を見ているときに潜在意識に入り込み、アイデアを盗み出す犯罪のスペシャリスト。業界でもコブの“技術”はトップレベルで、企業スパイの世界で彼は引っ張りだこだった。しかし、そんな彼が国際指名手配犯に。人生を取り戻すために、コブは最後のミッションを拒むことはできなかった。それは、「インセプション」と呼ばれる、アイデアを「盗む」のではなく、アイデアを意識に「植え込む」という完全犯罪だった。
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© 2010 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.
取材・文/安田佑子 スタイリスト/馬場順子 ヘアメイク/筒井智美(PSYCHE)
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