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おなじみの漫画家であり、妖怪研究家の水木しげると、お見合いからたった5日で結婚。底なしの貧乏暮らしの中で、妻の布枝は、夫が描く“妖怪漫画”の善し悪しもよくわからないまま、「彼の努力は報われる」とただ信じた。布枝は「結婚」とはそういうもの、と思った・・・。40万部を超えた原作エッセイに続き、NHK朝の連続テレビ小説でも高視聴率を記録した「ゲゲゲの女房」が、この秋、吹石一恵×宮藤官九郎のコンビで映画に。老若男女が共感する、良妻“布枝”とは? 「幸せ」は1日で作り上げることはできない。愛、そして妖怪も、その存在を信じる人のもとに、いつの間にか訪れるものだから。
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出会って5日で結婚し、それから50年間、今なおいい関係を続けている水木しげる夫妻。映画版布枝&しげるを演じた吹石一恵さん、宮藤官九郎さんに、今作に込められた「夫婦像」について聞いた。
愛を感じる間もなく始まった、2人のぎこちない新婚生活は貧乏そのもの。質屋に通ってお金を作り、八百屋から売れなくなった商品をもらってくる日々。布枝がそれでもしげるに惹かれた理由はなんだったのか?
吹石「漫画を描く必死な背中やひたむきさ・・・だったのではないでしょうか。信じたものに突き進む情熱がある人には惹かれますよね。しげるは“ありがとう”とか“愛してる”と言うわけじゃないけれど、不器用な優しさに愛情があふれていたり、尊敬できるところがあったんでしょうね」
宮藤「正解です! 吹石さんがいらっしゃらないときに、水木さんの事務所で奥様にお会いしたんですが、“漫画を誠実に、精根込めて描いていた姿に、私はついて行こうと思った。だから、漫画を描くシーンだけはしっかりやってください”ってまったく同じことをおっしゃってました」
「知らなかったです! やった」と喜んだ吹石さん自身、この映画は「自分の人生観、恋愛観に大きな影響を与えてくれた作品」になったそう。
吹石「原作を読んだときに、私、自分の中の“布枝さん度”がものすごく低いと思ったんです。最初聞いたときと結婚の条件が違うわけじゃないですか。安定してるって言ってた月収も全然ないし、出版社に原稿料もらいに行っても半分しかもらえないし。私だったら、そういうことが1つ、がんばっても2つ? くらい続いたら、ちゃぶ台ひっくり返して実家に帰るかもしれない(笑)。
でも、布枝さんはそうしなかったから、今のお2人がいるのかな・・・と思うと、これは恋愛だけなく、仕事でも友人関係、なににおいても、ちょっとくらい“あれ?”とか、“違うな”と思っても、いったん越えてみる。すると、違う景色が見えるかもしれない、と思うようになりました」
宮藤「いいですねー。でもね。お2人が、ああいう状況なのになんで別れないかっていうと、やっぱりお互い嫌いじゃなかったんだと思う。誰でもよかった訳ではなく、初めて会ったときに“好きになろう”と決めたと思うんですよね。現代の恋愛って、結局“この人でいいのか?”って考えるようになるじゃないですか。それは贅沢ですよね」
吹石「宮藤さん、深いです!」
宮藤「いやもう、すみません。偉そうなこと言って(笑)。でも、“この人しかいない”ってなったときに、その人をどれだけ愛せるかってことですよ。
だって、布枝さんも最初は違う結婚生活を夢見てきて、米もないし、お金もないし、将来も見えないけど、なんとかしようとして、ちょっとでもおいしいもの作ろうとしたりするじゃないですか。やっぱりそれはお互い好きじゃないとできないですよ・・・て、この映画を観て思いました。いやー、この映画、やってよかったです」
吹石「総括ですね(笑)」
吹石一恵PROFILE
1982年、奈良県出身。1997年に映画デビュー。その後映画、ドラマ、CMなどで活躍。今年は映画『THE LAWST MESSAGE 海猿』『十三人の刺客』『さらば愛しの大統領』にも出演
宮藤官九郎PROFILE
1970年、宮城県出身。1991年から「大人計画」に参加し、脚本家、映画監督、俳優とマルチに活躍。「木更津キャッツアイ」など、彼の脚本ドラマのファンは多く、最新作では「うぬぼれ刑事」(TBS)
昭和36年。出雲の酒屋の娘で、29歳の布枝は「いいかげんに嫁入りしないと」と周囲に急かされ、お見合いをした相手は戦争中に左腕を失った漫画家・しげる。「収入は月3万、仕事は安定している」というので、布枝はお見合いから5日で結婚。しかし、上京した布枝を待っていたのはどん底の“貧乏暮らし”。米を買うのになにかを質に入れるような暮らしだった。しかも、しげるが描いているのは、不気味な“妖怪漫画”だった・・・。
© 2010 水木プロダクション/ 『ゲゲゲの女房』製作委員会
取材・文/安田佑子 撮影/徳田洋平
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