毎日新聞の大人気連載マンガ、西原理恵子の「毎日かあさん」が実写映画に! 仕事と育児に奮闘するマンガ家のリエコ。おねしょししたズボンをストーブで乾かしているのが見つかり、「あたると濡れるストーブ」と言い訳する息子のブンジ。4歳にして女の武器で父親に犬をねだる娘のフミ。連載途中で「元・夫」となっても、子供たちに慕われる夫・カモシダ。実際の西原家の物語が描かれた原作は、笑いだけでなく、雑誌「ダ・ヴィンチ」の「BOOK OF THE YEAR2007」の「泣けた本」でも1位に。リエコ&カモシダを演じるのが小泉今日子&永瀬正敏というのも見逃せない! かあさん業も楽ありゃ苦もあるさ。でもやっぱり、母親っておもしろい。
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漫画家・西原理恵子氏の元夫で、アルコール依存症を克服するも、ガンでこの世を去った戦場カメラマン・鴨志田穣氏。原作マンガでもおなじみ「カモシダ」は、酔って妻の原稿を台無しにしたり、自分が泊まったホテル代を妻の経費にしようとしたり。妻からは「いい夫ポイント」が全然もらえないけど、子供たちは「おとしゃん」が大好き。永瀬正敏さん演じたカモシダは、まさに「愛すべき困った君」! 同性の永瀬さんから見て、カモシダはどんな人?
「純粋なために、普通の人があえて見逃す部分をためてしまう方だったと思うし、大変な生き方をされた方ですが、アルコール依存症や病気の部分は置いて言うと、あの“センス”に憧れます。ああいう男になりたいなって。この野郎!って思うけど、許してしまう、そんなチャーミングさが出ればいいなと思っていました」
永瀬さんと小泉今日子さんの元夫婦が演じるカモシダ&サイバラ元夫婦。キャスティングが決定したときの「世の中の驚き」を、永瀬さんはどんな風に受け止めたのだろう?
「あー、やっぱりそう思うよなーって・・・(苦笑)。お互いプロの役者ですし、当時は憎しみじゃなく未来を考えて離れたわけで、ぜひ一緒に作品を作りたいねと話していたんですよ。この映画の話が来て、脚本を読んだら彼女にぴったりだし、それをサポートできる役だったんで、やらせてもらおう、と自然な形だったんですが、やっぱり皆さん驚くんだなぁと。でもいい女優さんとは、役者ですから、一緒に現場で戦いたいです。ここまで“がっぷりよつ”の芝居は初めてでしたが、同業者として、たいした人だなと。作品を主役で引っ張っていく覚悟が伝わってきました」
永瀬さんが、この映画から深く感じたのは、「つながり」だと言う。
「鴨志田さんは、亡くなっても家族とつながってる。僕も3年前に祖母を亡くしたんですけど、田舎に帰るとよく、“あのときバアちゃんは・・・”って話が出たりしますもんね。疎遠になったり、亡くなってしまったとしても、ちゃんと関わった人たちっていうのはずっと切れないんだなって。僕は実際、子供もカミさんもいないけど両親はいるし、誰もがそんな“つながり”を感じ取れる映画になってると思います」
永瀬さんの2011年の抱負は「今までどおりマイペース」。自分が合わせるのではなく、日々を自分のペースで過ごすためには?
「ブレないこと、信じること、じゃないですかね。僕の場合は、“映画”を信じています。企画しても作品にならなかったり、徹夜が続いたり、映画の現場って本当に大変なんですよ。でもまたやってしまうのは、映画を信じる気持ちがブレないから。なにがあろうとそこに行けるんです」
最後に。“毎日かあさん”ならぬ、“毎日永瀬さん”は楽しい?
「オレ業? どうかなぁ・・・うん。楽しい楽しい。例えば・・・今は僕、ふたり暮らしで(笑)。猫がいるんです。雑種の雄猫でね。言葉が通じないだけにおもしろい。だから僕も“毎日とうさん”な感じで、すごく楽しいです」
永瀬正敏PROFILE
1966年、宮崎県出身。1983年に映画『ションベン・ライダー』でデビュー。映画を中心に活躍。米映画『ミステリー・トレイン』、アイスランド映画『コールド・フィーバー』など海外作品にも出演。写真家でもある。
マンガを描いて一家を養うリエコは、今日も母・トシエにたたき起こされる。「なぜ世界中の母親は、毎日朝から怒鳴り散らすのだろう」とリエコは思う。自分くらいは、と息子・ブンジを褒めてみるが、ブンジに「おかーさん、褒めてばっかじゃダメなんじゃない?」と言われ、思わずブンジの頬をつねるのだった。アルコール依存症の夫は「今度こそ酒をやめて、本を書く!」と燃えている。そして保育園に通う娘のフミ。これがリエコの家族だ。
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© 2011映画「毎日かあさん」製作委員会 © Rieko Saibara
取材・文/安田佑子 撮影/キムラミハル ヘアメイク/勇見勝彦(THYMON) スタイリスト/渡辺康裕(FEMME)
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