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『私の頭の中の消しゴム』『サヨナライツカ』のイ・ジェハン監督最新作は、クォン・サンウ、チェ・スンヒョン（BIGBANGのT.O.P）など、豪華韓流スターが主演する戦争ヒューマン映画『戦火の中へ』。1950年、朝鮮戦争の渦中で、16歳の韓国軍・学徒兵が母親に書いた実在の手紙をもとに、韓国・浦項（ポハン）で71人の少年が戦火の中に散っていった史実を描く。戦闘経験がほとんどない少年たちは、圧倒的な装備を誇る北朝鮮軍にどんな気持ちで立ち向かっていったのだろう。そんな彼らの姿に、韓国軍、北朝鮮軍の兵士はなにを感じたのか？ 苛酷な戦闘シーンに、平和の愛おしさを再確認したい。製作費約８億7000万円を投じた長編大作！
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1950年６月25日の開戦からわずか３日でソウルが陥落。北朝鮮軍は南へ侵攻。この映画では韓国軍が大邱・釜山を貫流する川、洛東江（ナクトンガン）を守るため浦項を含む一帯で繰り広げられた戦闘が描かれている。８月10日、北朝鮮の部隊が浦項に奇襲してきた際、司令部のあった中学校には非武装兵力である71人の学徒兵しかいなかった。武器は１人につき小銃１丁と、実弾250発だけ。11時間半の間に４回交戦し、47人が死亡したが、この戦いで北朝鮮の南への侵攻が遅れ、20万人以上の民間人をそのエリアから退避させられた。なお、朝鮮戦争は1953年に終戦ではなく“休戦”協定が締結され、現在もその効力が続く。
主人公ジャンボムのモデルとなったのは、浦項の戦いで命を落とした中学３年生の学徒兵イ・ウグン。遺体から見つかった母への手紙には、祖国にも仲間にも言えない戦争の理不尽さ、“生”への渇望がつづられていた。ジャンボムを演じるのは、紅白歌合戦にも出場した韓国の人気グループ“BIGBANG”のラッパーで、俳優業のときは本名チェ・スンヒョンで活動するT.O.P（23）。ジャンボムが慕う韓国軍のカン大尉役を演じるのは韓流ドラマではおなじみキム・スンウ（41）。２人は昨年、日本で放送されたドラマ「IRIS-アイリス-」にも出演。T.O.Pは暗殺者、スンウは北朝鮮の冷静沈着な軍人役と、今作と180度違う役を演じた。
韓国ドラマ「天国の階段」で日本でもブレイク、今作で映画出演10作目となるクォン・サンウ（34）。「少年院に入るぐらいなら」と、学徒兵に志願する“ちょい悪”のガプチョを演じている。学生服は着てるけど、今や一児のパパで今年35歳になるサンウは、まわりの学生より大人に見えるような・・・その理由が最後にわかるかも!? そして、言葉を発しなくても怖い！ 圧倒的な存在感で学徒兵たちを震えさせる北朝鮮の将校パク・ムランを演じているのがチャ・スンウォン（39）。コメディ演技でも定評あるスンウォンだが、なぜかこのところは反乱軍の首領、テロ団のリーダーなど悪役が多く、「そろそろ楽しい役を演じたい」と思っているそう。
1950年、朝鮮戦争が勃発。韓国軍の学徒兵・ジャンボムは、自分の勇気がなくて目の前で味方が殺された経験が大きな傷となっている。８月、北朝鮮の猛攻で全滅の危機にさらされていた韓国軍は、最後の砦・洛東江（ナクトンガン）を死守する必要があったが、前線部隊はほかの要地にいた。司令部を置く中学校の守備を任されたのは、ジャンボム、少年院から志願したガプチョなど、戦闘経験がほとんどない71人の学徒兵だった・・・。
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取材・文／安田佑子
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