「僕の体格に似た男を選ぶんだ」。エリーズは、国際手配中の恋人の指示に従い、ヴェネチア行きの列車で平凡な米国人教師・フランクに声をかけた。フランクは、エリーズに連れられ運河沿いの高級ホテル“ダニエリ”にチェックイン。「ラッキー」と思いきや、その翌朝から警察やギャングに追われる立場に! かと思うと今度はエリーズに助けられ。一体、彼女は? そして、フランクが抱く、エリーズへの恋心はどうなる!? 主演は華麗な衣装で風格を見せるアンジェリーナ・ジョリーと、一度は見てみたかった「ただのツーリスト」役のジョニー・デップ! 美しい風景に謎の美女、気の利いたジョークと謎解き、そして恋。映画のおもしろさが揃った、極上のミステリー。
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往年の名作映画の懐かしさと、現代が求めるエキサイティングさを兼ね備えた今作。ハリウッド映画だが舞台はヨーロッパということで「ヨーロッパ的センスを持つ監督が必要」と感じたアンジェリーナ・ジョリー(35)が、『善き人のためのソナタ』を見て以来、ずっと仕事がしたかったドイツ人監督・ドナースマルクに声をかけた。ドナースマルク監督とアンジーが手を組んだと聞き、プロデューサーのG・キングはたった30分で資金提供を決定、キングがジョニー・デップ(47)と古い友人ということもあり、夢のキャスティングが実現! 初共演というだけでなく、デップとアンジーは意外にも今回が初対面だったそう!
ホテルのスイートに着いたエリーズとフランク。クローゼットには彼女の恋人が用意したドレスと宝石たちが! その夢のような衣装を担当したのは、「シカゴ」などでアカデミー賞を受賞した衣装デザイナーのC・アトウッド。アンジーがゴージャスなヒロインになるのは監督の希望でもあったそう。監督はもともと彼女のファンで、「彼女はグレース・ケリーのようなパワーを持つ希有な女優なのに、フェミニンで優雅な面を十分に見せる役にまだ巡り会えてないと感じていた」と言う。アンジーは「普段の私のリズムは速くて強いの。でも撮影前に、監督には“もっとスローダウンして”と言われたわ」とのこと。
これまで、メイクもキャラも濃い役が多かったデップだが、今作のフランクは、登場シーンから「ほんとに彼?」と驚くくらい、見事に「普通の人」! ジワジワあふれ出てくるフランクの魅力は実際スクリーンで観ていただくことにして、彼が言うには「平凡と思われている人ほど、奇妙な人間であることが多い。フランクはたいした特徴もない人生を歩んできた男。極めて普通の男を演じるのは大きな挑戦だった」とのこと。そしてもう1人、要チェックなのが、エリーズの恋人・ピアースを追うアリソン警部役のポール・ベタニー(39)。堅物だが、フランクに振り回される姿が微笑ましく、英語のアクセントもセクシー! 私生活ではJ・コネリーの旦那様。
パリのカフェ。エレガントなドレスでいつもの朝食をとる英国人女性・エリーズに手紙が届く。彼女を監視するパリ警察とスコットランド・ヤード警察のアチソン警部は、この日を待っていた。エリーズは、国際指名手配中の金融犯罪者、A・ピアースの恋人で、手紙はピアースからのものだった。「8時22分、リヨンからヴェネチア行きの列車に乗り、僕の体格に似た男を選んで警察に僕だと思わせろ」。彼女は手紙を燃やし、リヨンに向かった。
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取材・文/安田佑子
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