迷って見つける恋するトキメキ
ラジオが輝いていた70年代を舞台に、海辺の病院に入院した12歳の太郎が、治療の一環として院内放送のDJを務めたことからストーリーは動き出す。リスナーから番組に寄せられたメッセージを受け取り、様々な環境にいる患者たちと交流するなかで、太郎は初めての恋をする。両親への感謝や、好きな人への告白なんて、照れくさくて恥ずかしい。本当に言いたいことを素直に口にできないもどかしさは、今も昔も誰にだって経験があるはず。だからこそ、太郎が命を懸けて見せる“想いを伝える”ことの尊さが、心に響いてくるのだろう。神木隆之介と福田麻由子、ふたりの天才子役が演じるピュアなラブストーリーは、大人になった今だからこそ観たい作品だ。
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ぷるんとみずみずしく水分を含んだ肌は少女の頃のまま、やわらかな笑顔が大人の女性の落ち着きを感じさせる広末涼子さん。最新作の『Little DJ〜小さな恋の物語〜』は、海辺の病院に入院した男の子、太郎がDJをはじめる物語。「完成作を観て思わず号泣してしまいました」という広末さんは彼と意気投合した女の子、たまきが成長した姿を演じ、プロローグとエピローグに出演している。 「福田麻由子ちゃんが演じる少女時代とギャップがあるといけないな、とはじめは心配だったんです。でも脚本を読んだときに気持ちが突き動かされた部分を大事にして、あまり深く考え過ぎずに太郎君のことを思って演じたら、素直に入っていけました。2人の思い出がメインなんですが、大人になったたまきの人生から映画がはじまるので、夢を感じさせるサクセスストーリーでもあるし、過去を振り返ることで未来を見る映画でもあるのかなと思うんです」 太郎との思い出を胸に抱え、念願のFM局のディレクターという仕事につきながら、理想と現実に悩むたまき。27歳の広末さんも、友人たちの同じような悩みを耳にすることが増えてきた。 「私の場合はすっごくお仕事が好きで、趣味っていうのもおかしいですが、それぐらい熱中するものなので、あんまりマンネリ化しちゃうことはなかったんです。でも学生時代の友達と話していると、ちょうど私の世代の子たちは、最初はてんてこまいだったのが仕事に慣れてきて、転職とか結婚とかいろんな選択肢が見えてくる頃ですよね。やりたいことをやっているんだけど、同じ場所で成長したいのか、それとももっと刺激がほしいのか。抱えてるものはみんな同じだなって思うから、きっと大人になったたまきに共感してくれる人は多いと思います」
父から贈られたレコードに込められた想い、入院患者たちからのリクエストに込められた願い。病に倒れながらもDJに挑戦する主人公を通して描かれるのは、自分の気持ちを素直に“伝える”ことの難しさと大切さ。広末さんもラジオ番組を持っていた経験を「すごく楽しかった」と振り返る。 「とても慌ただしい頃だったのでたいへんではあったのですが、みんなの声が聴こえてくる感じ、すぐに反応が返ってきて直接つながっている感じがすごくうれしかったことを覚えています。それと今回この映画を観て思い出したのは、放送委員だったときのこと! 小学校のときは放送委員で、“下校の時刻です”などやっていました(笑)」 舞台は70年代の函館。ノスタルジックな映像でつづられる太郎とたまきの初デートがなんともほほえましく、初恋を思い起こされる。病院をこっそり抜け出して2人が観に行った映画は『ラストコンサート』。気になる広末さんのデートの思い出は? 「私はこんなにおませじゃなかったかも(笑)。13歳といえば、はじめて髪の毛をのばした頃で、それまでは男の子に間違われてたくらいだったんです。そういえば中学生のときはじめてデートに行って、映画を観ながら手を握られたことを覚えてます(笑)」
12月からは野田秀樹氏の舞台『キル!』を控え、来年は映画『子猫の涙』も公開に。年齢を重ねるごとに役柄の幅がどんどん広く、深くなる。 「なにに対しても多面的に見られるようになってきたし、いろんな方に出会うことで自分に広がりが出てきたように感じますね。女優さんは、それを活かせるお仕事だなって、最近すごく思います。10代の頃は、年齢を重ねると役の幅は広がるけど、おばちゃんになっちゃうし・・・って思ってたんですよ(笑)。その頃、自分ではできていたと思っていたことでも、今になってみると気づいてなかったなって、感じることもいっぱいあります。以前の自分は、生き急いでいたのかもしれないですよね。できないこと、知らないことしかった。でも今は逆に、そういうことがあるのが、うれしかったりするんです。マイナスなことがあるからプラスにもっていきたくてがんばれる、ってことに気づいたのかな。自分がちっぽけだってこともわかったし、人として大きくやさしくなりたい。最終地点はどこ、って決めていないから、今すごく楽しいです」 広末さんのしなやかな存在感はきっと、自分らしい“がんばり方”を見つけたからこそ生まれたもの。 「撮影が続いちゃうと、季節感や現実味がなくなったりしがちな仕事だから、そんなときはちょっと公園に行ったりするだけで、自分に帰れる気がするんですよね。以前はずっと仕事の緊張の中にいたかったけれど、今はそこから自分を解放してあげることを覚えたんだと思います」
ラジオを聴きながら野球の練習にはげむ12歳の少年・高野太郎は、突然学校で倒れることが続き、海辺の病院に入院する。痛くて退屈な入院生活に飽きたころ、治療の一環として病院の中で流れる音楽番組のDJをすることに。様々な事情と病気を抱える大人たちと触れ合うことで、太郎のDJ番組「サウンドエクスプレス」はどんどん大きく成長していった。そんなとき、太郎はひとつ年上のたまきに出会い・・・。
監督/永田琴 出演/神木隆之介、福田麻由子、広末涼子、佐藤重幸 配給/デスペラード【2007/2h8m】 12月15日(土)、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋、渋谷シネ・アミューズ、シネマート新宿他全国ロードショー
■試写会開催日時: 11月28日(水)18:00開場、18:30開映 明治安田生命ホール(新宿)
■応募締め切り:11月21日(水)
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