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恋に焦がれ、ヨーロッパ文学映画にひたる・・・そんな秋もステキ。出版から230年以上たった今も、全世界で読まれているゲーテの恋愛小説「若きウェルテルの悩み」。25歳のゲーテの名をヨーロッパ中で有名にしたこの本は、彼自身の失恋経験をもとに書かれ、彼が愛した女性・シャルロッテはそのままの名前で小説に登場する。彼女は別の男性と結婚する。大きく違うのは、失恋によってウェルテルは死を選ぶが、現実のゲーテは「生きる」ことを選ぶ。この映画は、小説の中のウェルテルとシャルロッテの物語ではなく、現実の世界でゲーテが愛したシャルロッテとの恋を描く。失恋は切ない。でも、その失恋をバネにゲーテは名作を生み、文豪となった!
1749年、フランクフルトの裕福な家庭でゲーテは生まれた。初恋は14歳。16歳で大学に入学、行きつけのレストランの娘に恋に落ちる。21歳に、フランス領の大学に入り直し、牧師の娘と付き合うも破局。その後、映画や小説のヒロインとなった、シャルロッテ・ブフに恋をするが、彼女に婚約者がいて泣く泣く身を引く。その数年後にフランクフルトで銀行家の娘と婚約するが破談に。続いては10数年もの間、人妻と不倫。39歳の時に、23歳の女工・クリスティアーネと付き合い、翌年には長男誕生。クリスティアーネとは57歳まで籍を入れなかった。彼女の死後、彼は74歳で17歳の少女に求婚するが成就せず。多くの恋をし、多くの作品を残したゲーテは83歳でこの世を去った。
「若きウェルテルの悩み」は1774年ドイツで出版され、若者たちの間で大人気となり、ヨーロッパ各国語に翻訳された。映画でもゲーテが着ている「黄色いベストに青い燕尾ジャケット」という“ウェルテルファッション”が流行。しかし、失恋の痛みに耐えきれず死を選ぶウェルテルに感化され、自殺若者が増えてしまい、発売禁止になった国もあった。同時代を生きたナポレオン・ボナパルトの愛読書でもあり、エジプト遠征のときにも持っていき7度読んだという。日本では、発売から100年以上後の1890年代〜1900年代に島崎藤村ほか明治の文学人の間で「ウェルテル熱」が起きた。映画を見ると、ゲーテが紡いだ愛の喜び、そして恋の痛みをまた読み返したくなはず。
実際もチャーミングな青年だったというゲーテを演じるのは、長身のハンサムガイ、アレクサンダー・フェーリン(30)。ベルリン出身で、ドイツの映画、舞台で活躍している彼は、一昨年、Q・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスター』にナチス・ドイツの軍人役で出演している。ゲーテが恋に落ちるシャルロッテ役には、今作が長編映画初出演、ウィーン出身のミリアム・シュタイン(21)。ゲーテとシャルロッテは惹かれあうが、シャルロッテの婚約者は弟、妹たちの養育費まですべて面倒見てくれるという。苦渋の選択を迫られるシャルロッテ。ここでゲーテとシャルロッテが結ばれていたら・・・「若き〜」は誕生しなかったことになる。
1772年。作家を志しているヨハン・ゲーテは、自作の戯曲を出版社に送るものの、「才能が感じられない」と突き返され、父親に従い田舎町の裁判所で働くことに。上司のケストナーにはじめは厳しく当たられるが、持ち前の陽気さと、気が利く仕事ぶりが評価されるように。ゲーテは気分転換に行った舞踏会で美しいシャルロッット・ブッフに出会う。その後礼拝堂で再会し、惹かれあう2人だが、どちらも「自分から告白はしない」と心に決めていた・・・。
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取材・文/安田佑子
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