2009年11月から全6話で放送されたNHKドラマ「外事(がいじ)警察」が映画に。外事警察とは日本版CIAとも呼ばれる対国際テロ諜報部隊「警察庁公安部外事課」のこと。任務遂行のためなら手段を選ばないことから外事警察を追放された男、渡部篤郎演じる住本(すみもと)健司が、日本の直面する核テロの危機に呼び戻された。相手を説得する能力にかけて、彼の右に出るものはいない。ただし彼の話が真実かは別の話だが・・・。働く女子の間でも人気だったドラマ「ハゲタカ」の演出を手がけた堀切園健太郎、「ALWAYS 三丁目の夕日」の脚本家・古沢良太がドラマ版に続きコンビを再結成。ドラマでおなじみの俳優陣のほか、映画版では住本にスパイを依頼されるスパイ役で真木よう子がキャスティング!
2009年11月からNHKで放送された人気サスペンスドラマ『外事警察』が、映画となって公開される。“外事警察”とは、日本に密入国し暗躍するテロリストを取り締まる諜報部隊のこと。なじみの薄い言葉だが、実際にある日本の組織なのだとか。
本作では、朝鮮半島から流出したウランをめぐり、日本の外事警察と韓国の諜報機関NIS、テロ組織による情報戦が繰り広げられる。ドキドキハラハラするストーリー展開も見応えたっぷりだが、なかでも注目なのが、主人公・住本健司役を演じた渡部篤郎さん。“公安の魔物”と恐れられるキャラクターを好演している。
「住本というキャラクターのベースは、彼の正義感から作り出されるものじゃないかな。僕はこの作品のテーマを“正義”だと思っているんです。すべての争いごとは憎しみの連鎖ではないでしょうか。争いごとを収めるには、憎しみを断ち切るしかない。憎しみを断ち切る=犯罪を防ぐことが、外事警察の仕事。犯罪を防ぐための正義感から突き動かされた非常識にも見える言動が、住本という男を作った。“公安の魔物”とか“冷酷”などと言われてしまうのは、仕方ないことなのではないでしょうか」
その正義を貫くために、住本は巧みな心理術を使って、民間人をもスパイにしてしまう強者。自分の思い通りに人を動かしてしまうという恐ろしい一面も。
「彼の立場なら仕方がないことだと思うんですよ。彼が取り扱っているのが、“国際テロ”という大事件。それを未然に防いでいるわけですからね。実際の外事警察の方は、家族や同僚にも立場を明かさない、そんな特殊な立場なんですよ。魔物と言われる住本みたいなキャラクターになるのは当然だと思います」
本作で住本は、キム・ガンウさんやイム・ヒョンジュンさんなど、韓国の実力派俳優たちとも対峙する。撮影は韓国でも行われ、劇中、渡部さんは流暢な韓国語を披露している。
「その国の言葉で演じる場合は、きちんと習得してから演じるべきだと思うんですよ。やはり言葉はその国の文化ですから。韓国語は撮影前にきちんと語学の先生に教えてもらいました。日本語と同じで、母音と子音で文字が構成されているので、覚えやすかったですね」
韓国ロケの空き時間には、観光も楽しんだとか。
「ひとりでどこにでも行く方なんですよ。昔からそう。あと、撮影中に子どもが日本から韓国に遊びに来ていたんですよ。なので、一緒にあっちこっち観光しましたね」
ハードな撮影でも自分のスタイルを崩さない渡部さん。うまく物事を運ぶためのコツを伺うと・・・。
「余裕かな。仕事でも人生でも、なんにしても若干のゆとりがないとね。余裕がないと、うまくいくものもうまくいかないと思います」
主演に余裕があると撮影現場は和やかに、撮影はスムーズに進行するもの。そのチームワークの成果もあってか、エンターテイメント作として批評家からの評判も高い作品ができあがった。その評判が正しいのか劇場でチェックしてみて。
渡部篤郎 profile
1968年東京都生まれ。『青春の門』で主演デビュー。その後、映画やテレビドラマ、舞台などで活躍。『コトバのない冬』(01)で監督デビューを果たす。現在、主演ドラマ『市長はムコ殿』(BS朝日 月曜日 22:00〜23:00)が放送中
朝鮮半島から濃縮ウランが流出した。それと同じタイミング、震災の混乱にまぎれて日本の研究施設から核に関する軍事機密データが盗まれた。日本の核テロを暗示させる危機に、警視庁は外事警察から追放した男・住本健司を呼び戻し、韓国・ソウルに飛ばす。住本は、日本の最先端の原子力技術を知り世界中の諜報機関が追う在日2世の科学者・徐昌義の居場所を突き止め、徐を日本に帰国させるために得意のテクニックで説得を始めた・・・。
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© 2012「外事警察」製作委員会
取材・文/安田佑子 撮影/徳田洋平 スタイリスト/中村みのり ヘアメイク/TOYO(BELLO)
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