週刊少年ジャンプで5年に渡り連載された、ベストセラーコミック「るろうに剣心」。世界23カ国で翻訳され、TVアニメも大ヒット。その人気作がついに映画になった! 舞台は幕末から明治。左頬の大きな十字の傷と「伝説の人斬り」という過去。「二度と人は殺さず」という誓いを守るため刃と峰が逆についた「切れない刀」で旅をし、弱い者たちを守る流浪人(るろうに)、それが剣心という男だった・・・。心優しい流浪人の剣心役に佐藤健、剣心に助けられ心を通わせていくヒロイン・薫役に武井咲、元新撰組の警察官・斎藤役に江口洋介、謎の女医・恵役に蒼井優ほか。「龍馬伝」「ハゲタカ」の大友啓史監督が描く、興奮のアクションシーン満載の実写映画版!
「すごい映画になりました」。
完成した映画を観ての感想を聞くと、斬れない刀で正義を貫くヒーロー・緋村剣心を演じる佐藤健さんはそう答えた。
「とにかくかっこいい映画です。映像のクオリティが非常に高く、海外映画のような世界観です。僕はもともと原作ファンだったので、お話をいただいたときは“嬉しい”が7、“覚悟”が3でした。原作ではとにかく剣心がかっこいいという強い印象を持っていました。そんな無敵の憧れのヒーローを演じるときには“強く見せる”こと。そこをいちばん大事にしました。具体的に意識したのは最強ならではの余裕ですかね」
「超」がつく人気コミックだけに、原作ファンたちの間では製作前からキャスティングが大きな話題に。そんな現象を佐藤さんは「賛否両論があるのはしょうがないですよ。僕らは自分たちを信じてやるべきことをやるだけだと思います」と真っすぐ受け止める。そして原作の大きな魅力であるアクションシーンには、かっこよくできなかったら自分の役者生命が終わるくらいの覚悟で臨んだと言う。
「とにかく時間の許すかぎり練習しましたね。体力的に大変でした。僕は普段から動いている人ではないので、自分の体力の衰えを痛感しました」
・・・と、さらりと言うけれど、まだ23歳なのに!?
「高校のときからじわじわ衰えてます(笑)。こんなに動くお仕事は初めてでした」
「龍馬伝」でも一緒に仕事をした大友監督は、佐藤さんについて「飄々とした佇まいと、20歳そこそことは思えないハラの据わり具合(笑)、容姿も含めて剣心にぴったり」と話している。
「大友監督の演出は、照明や衣装など全部が役者にとって最高の環境であり、僕たちはそこで自由に生きればいい。もうその時点で大友組は特別な現場なんですよ。楽しいしやり甲斐があります」
「もう決して命は奪わない」と<不殺(ころさず)の誓い>をたてた剣心だが、血に飢えた悪党たちはかつて「人斬り」だった剣心のダークサイドを呼び起こすべく闘いを挑んでくる。「人は過去を捨てて変われるのか」、そんな人間的なテーマも込められた作品。佐藤さん自身、今の自分は以前に比べて変わっただろうか?
「変わりましたね。ちっちゃいころは人と喋れなくて、友達のお母さんとすれ違っても挨拶できない子でした。でも少年野球を始めて変わったと思います。今も人見知りでシャイだとは思うけど、挨拶はできるようになりました(笑)。役者になってからは細かいことをよく考えるようになりましたね。こうすればもっとよくなるんじゃないか、もっとかっこよく見られるにはどうしたらいいのか?とか」
普段は穏やかで癒し系の剣心だが、本気で闘うときには表情が別人になる。佐藤さんが映画の中で見せる「剣心の2つの顔」にも注目!
佐藤さんにも知られていない一面があるのか?と質問すると、「着やせします」という答えが。確かに、佐藤さんはスリムなイメージがある。
「痩せてないんですよ別に。めっちゃ食べるんで(笑)」
佐藤健 profile
1989年、埼玉県出身。2007年、「仮面ライダー電王」で初主演しブレイク。以降、ドラマ「ROOKIE」「メイちゃんの執事」、大河ドラマ「龍馬伝」などに出演し話題に。また今年、「ロミオ&ジュリエット」で初舞台を踏み、その活動の幅を広げている
幕末、伝説の剣客として人々から恐れられていた「人斬り抜刀斎(ばっとうさい)」こと緋村剣心。時代は明治に変わり、剣心は「不殺(ころさず)」の誓いを立てて流浪人になり、旅をしていた。ある日、剣心は薫という「神谷道場」で師範代をしている少女と出会う。剣心は薫と道場を助けたことがきっかけで薫のもとに居候することに。その頃、街では「抜刀斎」を名乗る人斬り事件が連続して起きていた・・・。
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© 和月伸宏/集英社 © 2012「るろうに剣心」製作委員会
取材・文/安田佑子 撮影/徳田洋平
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