あの空をおぼえてる＜映画　試写会＞竹野内豊＆水野美紀

娘を交通事故で亡くし、自分を責め続ける夫、雅仁。奇跡的に自分が生き残ったことで両親を気遣い、妹のかわりに自分が死ねば良かったと思う息子、英治。悲しみにくれ、毎日泣き続ける妊娠中の妻、慶子。『あの空をおぼえてる』は、一瞬のうちに崩れた家族の形を、残された者たちが必死で取り戻そうとするファミリー・ラブストーリーだ。主演は竹野内豊＆水野美紀。アメリカ人作家ジャネット・リー・ケアリーの同名小説である原作は、少年が妹に宛てた手紙の形式で綴られている。恋に、仕事に頑張れるのは、家族の存在があってこそ。自分の幸せの原点“家族”を見つめなおすきっかけムービーは、家族になりたいあの人と観てほしい。

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幸せだった家族を襲った究極の悲しみに立ち向かう母親・慶子を演じた水野美紀さん。深い悲しみの中で、弱さと気丈さを行き来する慶子の姿を見ながら、“もしも自分だったらどうしただろう？”と考えずにはいられない。水野さん自身は完成した映画を観て、何を感じたのだろう？

「いつも１回目に観る時は、自分のお芝居が気になったり、“あそこはカットされたんだ”とか、すごく俯瞰で見てしまうものなんですけど、今回は映画にのめりこんじゃって、自分の出てこないシーンでも“うちの息子は知らないところでこんなに頑張ってたのか”と思ったら泣けてきてしまって・・・。人間の脆さと強さが両方描かれていると思うんですよね。幸せが大きいほど、それがひっくり返った時の悲しみはすごく深いものですし。でもこの映画を観終わった時にはあったかい前向きな感動で映画館を去ることができると思うんです。だから、いろんな人に愛情とか、生命についてあらためて何か感じてもらえたらうれしいですね」

夫役を演じた竹野内豊さんとは、本当の夫婦のように楽しい話も悲しい話もして、家族像を作り上げていった。

「両親について、事故についてもたくさん話をして、役作りのヒントをもらいました。竹野内さんは映画に出てくる主人公のように、自然の中で暮らせる人だと思いますね。短パン姿の竹野内さんは蚊に刺されずに、私だけたくさん刺されるんですよ。そうしたら竹野内さんが、“水野さん、血がどろどろなんじゃないんですか？　野菜ジュース飲んだ方がいいですよ”って（笑）」

子役の子供たちともすぐに打ち解け、特に悲しい感情を無理に準備しなくても、現場にいるだけで自然に感情が湧き出てきた。それでも同じシーンを多い時で15〜20回もリテイクし、その度に同じテンションを求める冨樫森監督の演出には、女優として鍛えられたという。

「朝現場に入って、悲しい気持ちの水の中にずぶずぶ沈んでいって、テストを10テイクやるんですね。待ち時間に自分を水面に上げちゃうと、また悲しみに潜っていくのが大変なので、半分くらいのテンションで気持ちをキープしておいて、またテイクの時に沈んで・・・と自分の状態をコントロールすることを覚えましたね。でも、監督がOKを出すテイクには、いいものが撮れたという安心感があります」

今後も女優として、テレビや映画、舞台で、役の大きさにこだわらずいろいろな役をやってみたいと話す、好奇心たっぷりの水野さん。そんな水野さんにとって“家族”とは？

「今一緒にいられることが尊いんだという事を日々感じながら、時間を重ねられたらいいですね。母親役を演じて、私の母親が昔言っていた“親は子供に育てられる”という言葉が少しわかった気がします。でも、慶子のように完璧な母親を見てしまうと“でき・・・できっこないっ！”と逆に自信をなくしますね（笑）」

写真館を経営する深沢雅仁は、自分が建てたアメリカン・ハウスで、妻の慶子と小学４年生の長男、英治、幼稚園に通う元気いっぱいの長女・絵里奈、ゴールデン・レトリバーとともに絵に描いたような幸せな暮らしを送っていた。慶子のおなかには新しい生命が宿り、全員が深沢家に“やってくる”新しい家族を心待ちにしていた。誰も想像していなかった。英治と絵里奈が交通事故にあい、大切な家族を“失う”ことになるとは・・・。

監督／冨樫 森
出演／竹野内 豊、水野 美紀、広田 亮平、吉田 里琴、小日向文世ほか
配給／ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
　　　【2008／1h55m】
4月26日（土）新宿バルト９ほか全国ロードショー

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