小泉すみれエッセイ【4】『トップキャスター』飛鳥望美

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文:小泉すみれ
ドラマ評論家・コラムニスト。テレビドラマをこよなく愛し、新聞・雑誌等で多数連載を抱える。ドラマのヒロインキャラを誰もが気づかなかった視点で斬り、連ドラ中毒になるドラマエッセイファン急増中。

 
 なんだか世の中きゅうに「熟女ブーム」到来ですか? 熟女代表タレントのキョンキョンやYOUちゃんは年下の世代からもモテモテだし☆ なんだか年を取るのがへっちゃらになってきましたよ!

 そんなブームに乗ってか(?)、フジテレビの月9にも「史上最年長ヒロイン」が登場しました! 天海祐希姉さん演じるカリスマキャスター・椿木春香(38歳)です。

「そりゃあ、椿木春香みたいな上司が、自分にもいたらいいよね!」
 あたくし、見ていて、素直にそう思っちゃいましたです、はい。
「愚痴は言わないし、面倒くさがらずに最初からちゃんと部下の話を聞いてくれるし、陰でこっそり上司にチクったりしないし。それに、いざとなったら自分で全部責任をかぶる気でいてくれるのがすごい!」
 ヒトコトでいえば椿木姉さんは「男前なオンナ」ってことですね。

 思えば、最近の天海祐希姉さんったら、『女王の教室』しかり『離婚弁護士』しかり、お仕事サイボーグかと思っちゃうほどの「お仕事人間」を演じ続けていらっしゃいます。おそらく、来年あたりの「上司にしたいタレントアンケート」では、ちょっぴりウェットな感じのする黒木瞳さんよりも上位に行っちゃったりするんじゃないでしょうか。

 でも、あたくしは思うのです。
「椿木春香に憧れたり、彼女みたいなキャラを目指したりしなくてもいいんじゃない?」
 なぜなら、今回の月9は、ひたすら男性スタッフの目線から作られているから。なんたって、天海姉さんが演じてるキャラクターは、男の妄想が生み出した理想の「ザ・ハンサムウーマン」なのだから。

 一方、彼女の相方である矢田亜希子ちゃん演じる元お天気お姉さん・飛鳥望美はどうかといいますと、と〜っても温かみのある女子です。きれいで可愛いけど『どこにでもいる平凡な女だと自分でも思っている』人なんだそう。

 つまり、矢田ちゃんのキャラは、男性目線から作り出された「そばに置いておきたい部下」。こちらは今後のロマンチ人生のためにもぜひ参考にしときましょ。

 ドラマの初回、椿木姉さんは望美ちゃんをひと目見るなり気に入って、自分のアシスタントに大抜擢しました。
「あたしは、自分の仕事のアシスタントには、プライベートでも24時間一緒に行動してもらうわよ」
 なんだかヘンテコな理屈ですが、つまりは一緒の部屋に住むことを強要しちゃってます。

 望美ちゃんったら断るかと思いきや、ブツクサ言いながらもなぜかそれに素直に従っちゃうのです。そして毎朝、お姉様のために早起きして、草履ならぬコーヒーを温め、そうっとやさしく差し出します。

 というわけで、みなさま、お気づきでしょうか。よく「報道の現場は戦場である」などと言われますけれど、このふたりを戦国武将にたとえるならば、椿木春香は織田信長。そして、飛鳥望美はその家来であり、フトコロに飛び込んでいったサル=豊臣秀吉でございます。

 さすが、望美ちゃんは現代版のオンナ秀吉だけあって、からみづらい暴君キャラである椿木姉さんに対しても、ひるむことなく質問を浴びせかけていきます。よ〜く聞いてていただくとわかるのですが、その会話のもっていきかたったら、パツパツと短く素朴な感じに聞こえるけれど、けっこうたくみなんです。

「どうしてですか?」
「〜だと思いませんか?」
「ふう〜ん? そうなんだ?」

 ……などなど。彼女のセリフの70〜80%は「ビミョーな疑問形」で終わっておるのです。そんなふうに、やんわりとたてつづけに疑問形で迫ることによって、いつのまにか相手のフトコロにもぐりこんじゃってるから、ホント、不思議なキャラです。

「聞き上手になることこそ、モテの秘訣」
 よく、雑誌の恋愛特集などに書いてあったりしますよね。

 実際、あたくしの近くにも「ザ・質問美人」がいます。彼女の会話の内容は望美ちゃんをはるかに超えていて、なんと、90%が質問形です。1コ1コ、こまかい質問を相手に投げかけてはキラキラの瞳でうなずきまくったりして、ものすごく座のもたせかたがうまい女性です。

 が、しかーし! そのあとが要注意です。
「おのれがすすんで質問したことは、答えまでちゃんと覚えといてよね!」
 なんと、あたくしの知っている質問美人は、次に会った時にはたずねたことすらスッカラカンに忘れてしまっていることが多いんです。超☆忘れん坊さん。あらら、台無し!

 そこのところ、望美ちゃんはさすがです。軽く質問をふっといて、返ってきた答えを、いったんサラリと受け流したように思わせますが、ずいぶんあとになってからわざわざ持ち出したりして、ちゃ〜んと感動的なカタチで回収してくれちゃうのです。
「な〜んだ、ちゃんと覚えててくれたんだね。ウレシイな〜☆」
 相手は瞳を輝かせて望美ちゃんを信頼し、二度惚れですわー。

 昨年大ヒットしたドラマ『電車男』のヒロイン、エルメスさん(伊東美咲)のことを覚えていらっしゃいますでしょうか。彼女もまた、殿方に何か質問をしてあとから回収するのがうまい人でした。

 とりあえず、なにも質問が浮かばないときには、言葉の最後にハテナマークをつけ足すような気持ちで、ちょいと棒読み風にしゃべってみるだけでも、あらあら不思議。イマ風の、伊東美咲ちゃんや矢田亜希子ちゃんっぽい「モテ系セリフ」がマスターできちゃってるのです。
 目指せ、こころにハテナマークを持つオンナ。

 会話のネタに詰まったら、とりあえず頭のなかを真っ白の状態にリセットして、特大の「?」を思い浮かべてみているあたくしです。

飛鳥望美(矢田亜希子)
年齢: 27歳
職業: アシスタントキャスター(元お天気お姉さん)
性格: 明るく前向き。生真面目。フットワークが軽い。
能天気なお嬢さんに見えるが、意外と義理堅いしっかり者。
特徴: ロングヘアにコンサバなスタイル。赤白のカラーコーデが好きみたい。
焼き鳥、焼酎などの庶民的な食べ物が好き。
ロマンチテク: ビミョーな質問形を駆使して、相手のフトコロにもぐりこむ。
望美の歴史
・大学在学中にスカウトされ、テレビの仕事を始める。
・CNBのお天気お姉さんに。
・天然のボケっぷりがいい味をかもしだして人気者になる。
・椿木春香のアシスタントになり、なぜか私生活でも同居中。
・椿木春香を毎朝起こし朝ご飯を作るなど、家来のようにこきつかわれている。
(参考:公式ホームページ)

『トップキャスター』
フジテレビ系 毎週月曜夜9時〜
脚本: 坂元裕二
出演: 天海祐希、矢田亜希子、玉木宏、谷原章介ほか。

椿木春香はスクープのためには手段を選ばない「伝説のキャスター」。ニューヨークから緊急帰国した彼女は、CNBの看板ニュース番組のメインキャスターに就任するが、周りのスタッフは大迷惑で……。CNBを傘下に持つメディア王の御曹司役で谷原章介サマがご出演! 芸能界イチの甘い美声の持ち主である谷原サマが、アナウンサー役じゃないなんて、ちょっとモッタイナイかも?!
画:朝倉世界一
漫画家。「裏ビデの星」でデビュー。 「ひみつのクローバーちゃん」「フラン県こわい城」
「地獄のサラミちゃん」など独特のユーモアやユニークな世界が人気。

INFORMATION


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