小泉すみれエッセイ【9】『富豪刑事デラックス』神戸美和子

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迷って見つける恋するトキメキ


文:小泉すみれ
ドラマ評論家・コラムニスト。テレビドラマをこよなく愛し、新聞・雑誌等で多数連載を抱える。ドラマのヒロインキャラを誰もが気づかなかった視点で斬り、連ドラ中毒になるドラマエッセイファン急増中。

 
 みなさま、おひさしぶりです。2週間ぶりのロマンチでございます。あたくし、ひとあしお先に夏休みをいただいておりました。どこに行っておったかと申しますと、北海道の旭山動物園です。こちらで働く職員のかたたちのステキなお姿が2時間ドラマで描かれているのを拝見し、行きたくてたまらなくなったのでございます☆

 で、行ってみてよかった〜ん! すっかりリフレッシュ〜! いや〜、素晴らしいですね、どうぶつたちってば! とってもイノセントな彼らの生き様をながめているうちに、いつのまにか心にうす汚れた大荷物を抱えて生きちゃってる自分に気づかされましたよ。無邪気に遊ぶホッキョクグマ、4種類のペンギンたち、やる気満々のアザラシなどなどたくさんのケモノたちに会ってまいりましたが、いまこの瞬間のみを楽しんで無心に過ごしている生き物の姿はどこか神々しくて、いじらしかったです。

「この清々しい気持ちはなんなのかしら。そうだわ! なんだか、あのかたをみたときの気持ちに似ているわ!」
 あたくし、ホッキョクグマ館の水槽のまえでハタと思い当たりました。あのかたとは……そう、今回ご紹介する『富豪刑事デラックス』のヒロイン、神戸美和子さま(深田恭子)でございます。

 美和子さまは世界一の大富豪を祖父に持っています。でありながら刑事になって2年目の新米ちゃんです。
「たった3億円ぽっちのために人を殺すなんて……」
 美和子さまは不思議そうにキョトンと首をかしげます。お金に悩まされ、金銭欲に心を支配されてしまっている庶民の気持ちがまったくわからないのです。だから美和子さまは、みずから5兆円ほどのお金をポ〜ンとなげうって大胆な方法で事件を解決していっちゃうのですが、億じゃなく、兆って……。

 まさにケタはずれのお嬢様っぷり。世の中には、生まれつき天然ボケの魅力が身に付いている「不思議ちゃん」というジャンルのモテ女子がおりますけれど、美和子さまはさらにスケールがすごいって感じ。女子としての余裕がありまくりです。事件に巻き込まれて拉致されたりもしてるのに、どんなひどい目にあってもおっとりとした気分を維持していて、動揺しません。

 会議でも、みんなの意見がすっかり出そろったのを確認してから「あのうー、ちょっとよろしいでしょうか」と自分の意見を言っちゃうあたり、「ガツガツしてないわね!」って憧れちゃいます。かなりマイペースで言いたいことを言い、ブリブリと我が道を行ってるのに、美和子お嬢様ったら、どうぶつたちのように清々しい雰囲気があるのはなぜ?!

「憎もうと思っても憎めない。どうしてかしら……」
 あたくし、なんとか美和子お嬢様のロマンチテクを盗もうと、観察しました。真剣です。おのれのなかのズケズケ&ギスギスしておる部分を消し去って、なんとか余裕のあるオンナとして生きていきたいのです。

「観察の結果、ひみつがわかっちゃいました☆」
 美和子さまのおメメの周りをよ〜く見てみますと、目尻のあたりにシャドーが足されているのがわかります。それもけっこう大胆な分量が。あの憎めなさ加減やハッピーモテオーラが空気中に垂れ流されてるのは、美和子さま(っていうか深田恭子ちゃん)の独特の美意識に基づいているらしいパンダメイクにアリとみた!

「すごく可愛いわ。あのカリスマ歌姫・倖田來未ちゃんの目尻といい勝負かも☆」
  みなさまご存知の通り、倖田來未ちゃんのあのメイクは、ご自身のメイク研究の結果生み出されたものです。つり気味でキツイ印象がある目を、目尻にシャドウを垂れ気味に塗り足すことによって、あの親しみやすい「くうちゃんフェイス」が演出されているのございます。

「倖田來未ちゃんはつり目だけど、もともとタヌキ目っぽい深田恭子ちゃんは足す理由がないはず。そこを無理やり足してさらにパンダちゃんの領域までもっていっちゃうとは貪欲だわ! さすが、ドラマ界屈指のモテヒロイン恭子ちゃん!」

 パンダってば、「クマネコ」というだけあって、よ〜く見ると目がケモノっぽく鋭くって怖いのですけれど、あのグルリと黒い毛色に縁取られているおかげでたれ目に見えて、かなり好感度がアップ! それだけで世界中の人気者ですね!

 さらにいうと、倖田來未ちゃんも深田恭子ちゃんもまぶたのすぐ上でパツンと前髪を切っているので、見る者の視線をよりパンダちゃんみたいなおメメの部分にクギ付けってわけなのです。

 最近のインタビューで「人間っぽくない人に憧れています」と答えていた深田恭子ちゃんですが、もしかしてお手本はパンダちゃん?! ああ、まだまだ我々女子には、どうぶつや大自然が生み出したカタチから学ぶべきロマンチがあるのですね!

神戸美和子(深田恭子)
年齢: 23歳
職業: 神奈川県警焼畑警察署の刑事
性格: お嬢様のなかのお嬢様。つねにおっとりしていて、慌てたり取り乱したりすることがない。
特徴: どんなときでもフルメイク。ネイルにまで気をつかっている。お嬢様らしい服装で、ゴージャスな装飾品(時計とジュエリーはティファニーが多い)を身にまとい、汗臭いオトコの世界にご出勤。人命のためならお金なんて惜しくないと思っている。
ロマンチテク: 動物界を意識したアイメイク
美和子の歴史
・世界一の大富豪である祖父に溺愛されて育つ。
・家はお城のような豪邸。
・お屋敷の敷地内にはプライベートビーチまで!
・敷地内を車で移動しても数時間かかる。(伊豆半島くらいの規模らしい)
・神奈川県警焼畑警察署に刑事として配属。
・一人前の刑事になれるよう庶民の気持ちを勉強中。
(参考:番組公式HP)

『富豪刑事デラックス』
テレビ朝日系(放送終了)
原作: 筒井康隆『富豪刑事』
主題歌: 『トライアングルライフ』オオゼキタク
出演: 深田恭子、山下真司、鈴木一馬、西岡徳馬、升毅、夏八木勲ほか

格差社会を逆手にとった富裕層の描きっぷりがすごいドラマ。神戸美和子(深田恭子)は世界一の大富豪の孫にして、神奈川県警焼畑警察署の刑事。おっとりとお嬢さんっぽい彼女だが、じつは祖父の私財を使って奇抜なアイディアで事件を解決していく凄腕富豪刑事なのだ。
画:朝倉世界一
漫画家。 「ひみつのクローバーちゃん」「フラン県こわい城」
「地獄のサラミちゃん」など独特のユーモアやユニークな世界が人気。

INFORMATION


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