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このところ面白い仕事が続いております。面白いといってもいろんな種類があって、前から是非やってみたいと思っていた仕事、初めての経験で新鮮な仕事、作品や監督に惚れ込んでの仕事。
今回は、共演する役者さんたちが大好きという仕事だ。ご一緒させていただくのは泉ピン子さん。泉ピン子さんは、今、私がもっとも尊敬する女優さんだ。芝居に対する真摯な態度、自分に対する厳しさとがむしゃらな求道心には、本当に感動する。
ピン子さんと聞くと、おかしな週刊誌のインチキ記事から「すぐに怒りそー」とか「キツくてコワそー」とか思ったりする人もいるでしょ? ぜーんぜん! それは、いっぺん仕事してみたらわかります。筋の通らないことは絶対にいわない人ですから。精密機械を製造する工場でぼけーっとしている作業員を見て叱らない工場長がいますか? 大切なお客様に横柄な態度をとる店員を見て注意しない店主がいますか? まさにそういうことです。そしてその毅然とした態度の内側にあるのは、テレビを見る皆さんに面白い作品を見ていただきたいという情熱。これだけです。かっこいいでしょ? ピン子さんって。仕事する女の鏡でしょう? そして誰より、一番厳しいのは自分に対してですからね。自分の芝居に対しては恐ろしいほど真剣でどん欲で、なりふりかまわない。そばにいるとビリビリしびれるほど。それがたまらない魅力なんです。
で、ピン子さんが演じるのはウェディングプランナー兼、結婚式の司会者。その妹で葬儀屋をやってるのが私。そしてもうひとり、ピン子さんの親友でブライダル会社の社長役が岡本麗さん。この岡本麗さんも昔から大好きな女優さんで、まあ昔話になるけれど聞いてください。
私が大学のころ、これから芝居を志そうというとき、笑いとパワーが圧倒的な劇団がふたつありました。かたや、佐藤B作さん率いる「東京ヴォードヴィルショー」。かたや、柄本明さん、ベンガルさん、高田純次さんたちの「東京乾電池」。
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