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たいな肌に、前衛舞踊みたいな真っ白なおしろい塗りたくってさ、そこに切り傷みたいな真っ赤な口紅ですよ。その土台によ、目が覚めるほど色鮮やかな紫の銘仙の着物と明るい牡丹色の花柄の羽織をお召しになったとこ見たらあなた、しかもピンクの花柄の半襟でだ。このいでたちで町をそぞろ歩かれでもしたらあなた、まあ、ピーポーピーポー鳴らして車がやってきても文句言えないわな。いや、たまにそぞろ歩いてるんですよ、実際。ああいうのは家族が責任もって自宅に監禁しといてもらわんと困るよ、まったく。
と、なんでこんなに現代着物事情に詳しいかというと、私も数年前から着物が大好きになったからなのです。まあ、大好きといっても仕事に追われる毎日、着物なんてそう着る機会はありません。いろんなパーティーとかに呼ばれる、華やか型芸能人キャラでもないしさ。ただなんとなく、うちで着物を着てるだけですけど。
きっかけは数年前に韓国に行ったとき。行く先々で奥さんたちがチマチョゴリで歓迎してくれた。日本からわざわざ自分を訪ねてきてくれたことへの感謝の気持ちを表すために、正式な民族衣装で応対するなんて、なんて素敵なもてなしだろう。そういえばインドもベトナムもみんなサリーやアオザイを着て歓迎してくれる。民族衣装って、すばらしいなあ。
よし、じゃあ私もっ! と、意気込んで気がついた。私、着物着れない、帯結べない。これは実に悲しむべきことですよ。なんで自分の国の民族衣装を満足に着れないのか。私たちの先祖が長い時間をかけて完成した、いわば日本文化の結晶ですよ、着物って。情けない、民族衣装ひとつ着れずに、それでも貴様、日本人といえるのか! 江戸時代なら、打ち首獄門になったって文句は言えないぞ! しかも江戸時代の人は誰も打ち首獄門にはならない。なぜなら、みんな着物が着れるから!
わけのわからない、にわか国粋主義者に変身した私は、急に日舞を習いだし、先生に着物の着つけを習い、暇な時間はうちで着物を着て努力に努力を重ねたわけです。
しかしこれが、なかなかうまくならない。どこかこう、ぬるさが出てるんだよねぇ、家で練習してるだけじゃ。何かいい方法はないかと悩んだあげく、私はすばらしい方法を思いつきました。果たしてそれはどんな方法か、それは、次週をお楽しみに!
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