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で、私は毎回、篠原涼子ちゃんを見ては「こんなことでイライラ、ハラハラするのかぁ、かわいいなぁ」と思い、松坂慶子さんを見ては「いい息子を持って幸せだなぁ」と思い、坂口憲二君には「なんてお母さん思いのいい子なんだろ! こんな息子がいたらめっちゃくちゃかわいがっちゃうよねー」と、楽しく見てるわけです。ところがうちの現場マネージャーと、スタイリストの意見は違ってたのよ。ふたりとも20代と30代のバリバリ現役。それが口をそろえて言いました。「あんなにお母さんお母さんて言われると嫌だ。それは松坂慶子さんがきれいだから。きれいなお母さんはまだまだオンナとして勝負してる。だから嫌。たとえば肝っ玉母さんみたいな感じのお母さんが作ってくれた肉じゃがと、松坂慶子さんが作った肉じゃがは意味が違う」と。エーッ! そうなのー? そんな厳しい目で見てるわけー? じゃ、私がマザコン息子をかわいいと思い、そのお母さんをいいお母さんだと微笑ましく見てるのは、私がもうおばちゃんだからかー!?
それにしても失礼ぶっこいちゃうよね、じゃ何、女は年取ったらいかにもおばさんでいろってことでしょー? なめんなよ小娘! こっちはあんたなんか太刀打ちできないほど長い間女やってきてんだぞ! 包丁もまともに握れない、アイロンもろくに当てられない、こないだオシメ取ったばっかりのションベン臭いガキに何がわかるっツーのよ。そーんな小娘にうちの憲二は渡せませんよ! あったり前じゃないの、もっとよそのしっかりした親孝行な娘さんと、うちの憲二は一緒にさせますっ!
あらら、やっぱり私、すっかりお母さん目線だわ。でもね、人間、自分を産んで育ててくれた母親も大事にできないようじゃ、よその女なんて幸せにできないのよ。お母さんを大事にできない男は自分のことも大事にしなくなると思っといたほうがいいからね。覚えとけ!
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