つじあやの♪エッセイ【8】ブルーな五月に魅惑の座禅体験

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やってみたかったことをやってみる。これはかなり日々のリフレッシュになります。そんな訳で今回のうららかさん、こんな提案!

 心と体がちょっとだるくなるこの季節、やってみたら引き締まるんちゃう? とにかく面白そうやし行ってみよ!という訳で、座禅体験に行ってきたよ。座禅のこと何も知らなかったので、ネット検索し、今回は「永平寺別院長谷寺」の月曜参禅会に参加。
 当日18時30分、長谷寺に行くとお寺はなんとも立派な構え。大丈夫かな〜いきなり怒られたりしないかな〜と不安気に「初めてなんですけど・・・」と訪ねるとお坊さんが親切に対応してくれました。お布施100円を払って、アクセサリー類を外し、裸足になる。堂内は凛とした空気が流れていてとても静か。さすがに緊張したけど「初めての方」も結構多くてまずは一安心。

 初心者は座禅会の前に座り方、手の組み方、心得等の講習を受ける。「私どもの座禅はそれ自体に意味がありません。ただ座り退屈を感じるだけです」とのお坊さんの説明にびっくり。え! 意味ないのに座るの? 逆にものすごく意味があるとか?? ともかく片足を組んで座り、背筋を伸ばし深呼吸し、視線を落とす。
「考えごとをしない事は難しい。考えが浮かんで来たら、付いて行かずに放っておく。」そんな
言葉を聞きながら、むむ〜うと姿勢と心に悪戦苦闘。目の前は壁のみ。目を閉じたらあかん。眠らないで20分間乗り切れるやろか・・・座禅に入ると、本当にいろんな事が頭に浮かんで来る。「帰ったら何食べよ〜今日天気良かった〜ちょっと足痛いな〜」いかんいかんと思いつつもどんどん出て来るどうでもいいこと。「何かこの壁のシミ人の顔みたい、しかも諸星大二郎風」なんて妄想も。隣に人がいるなんて信じられない位静かで、まるで時間が止まったよう。
 そして妄想との格闘は続き、やっと20分が過ぎた。喋ったり音楽やテレビを見ているのでもない、ただただ自分一人との20分。思えば何もせず自分と向き合う事って少ないんやなあ。それにしてもめくるめく邪念の多さ! あれ食べたいとか、さっきの打ち合わせあれ言うの忘れたとか、お寺からどうやって帰ろうとか。私って、いや人間って、今の自分よりここにいない自分の事の方が大事なんかなあ。でもそれって今を生きてる事にはならへんし、何か寂しいような・・・。

 講習後、座禅専用のお堂で参禅会本番。またあの静けさがやって来て、やっぱり考え事が始まってしまう。「足痛いな〜っていうかお尻? 〜あ、考え事はほっとくんやった〜で、帰りはバスか? 〜ああまた考えてしもた・・・」
  この繰り返しの中「ピシッ」という音が聞こえ、はっと我に返る。そう、この音は警策(きょうさく)。長い棒で居眠りした人なんかの背中をびしっと叩くあれです。初心者はいきなりは叩かれないけど、お坊さんが背後に来た時合掌すると叩いてもらえる。この「ピシッ」ていう音、ほんまに痛そうで目が冴える! 叩かれないって分かってても、お坊さんが来たらどっきどき。
 暫く座り続けていると、お経が始まった。経本片手にお坊さんを真似てみる。もちろん意味も、どこで息継ぎするのかも分からん。でも分からんなりにも結構みんなしっかり声を出してて、おもしろかった。
 お経が終わると、厳かな鐘が鳴り座禅終了。あらら? 本番は終わってみると案外早かった。しかも何故か心がスッキリ。やって良かった。うまく言えないけど、貴重な時間をもらったような気がした。大層なアトラクションを使うでも、お金を費やすでもなく、時間と自分に向き合う。普段はあっという間に流れる時間がこんなに長いなんて・・・一瞬って長いんや。“今ここにいることを感じる”ことって、出来そうでなかなか出来ない、とても大事なことなのだ。「座るだけ、他に意味はありません」って言葉が重みを帯びて来ました。
 帰り、電車の中で気が付いた。「電車で座ってる時間って、座禅に似てない? 携帯のメール打ったり本読むのやめてみたら・・・」なんてね。ちょっと気になったあなた、一度座禅体験に行ってみて下さい。感じたことのない時間に出会えるよ。



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