小湊鐵道に乗って、春のいちはらアート散策

東京から約1時間と日帰りでも行ける千葉県市原市。そんな市原市の南北をつなぎ、約100年もの間、市民に愛されるのが小湊鐵道。一面に広がる菜の花畑の中を走る列車に乗って、市原のアート作品に出会う春の小さな旅へ出てみませんか。

更新日:2021/03/23

房総の里山でアートトリップ

芸術祭の作品があちこちに残る房総の里山へ

2014年から3年に一度のトリエンナーレ方式で、芸術祭「いちはらアート×ミックス」を開催してきた千葉県の市原市。これまでの開催では、里山や閉校した小学校の校舎、古民家などに、国内外のアーティストが制作したアート作品を展示し、人と街と自然の距離を近づけてきました。芸術祭の閉会後もアートに親しんでほしいと、あえてアート作品を街のあちこちに残置。そのため、芸術祭の会期中でなくても、アートを鑑賞しながら街巡りをできるのが魅力です。この春のおすすめは、“東京から最も近いローカル線”として人気の小湊鐵道の列車に乗って、沿線に点在するアート作品と一緒に散策すること。車窓からは里山の風景や菜の花の絶景に出会え、街中を巡れば作品にじっくりと触れられて、アートの旅がいっそう豊かに。さらに今年は、昨年延期になっていた芸術祭が「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020+」として開催予定(詳細はHPにて要確認)。アートから街、春景色までまるっと楽しみに、いざ市原へ。

房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020+

問い合せ先/いちはらアート×ミックス実行委員会事務局(市原市芸術祭推進課内)
TEL/0436-50-1160

上総牛久駅〜上総鶴舞駅エリア

【ART】[上総川間駅] 
ジョアン・カポーテ《Nostalgias》

無人駅を彩るスーツケースの巨大壁

田園風景が広がる小湊鐵道の無人駅・上総川間駅では、キューバ在住のアーティスト、ジョアン・カポーテによる巨大なアート作品《Nostalgias》を展示。「移民や旅」をテーマに、全国から集まった80個ものスーツケースの中にレンガを積み上げて創造した壁は、境界やシェルターを連想させます。無人の駅を飾り立てるようなカラフルな色合いが目をひくこの作品。近くで咲く菜の花と一緒に望めば、春の訪れも実感できるはず。

ジョアン・カポーテ《Nostalgias》

住所/千葉県市原市下矢田547-4

【ART】[上総牛久駅] 
藤本壮介 《里山トイレ》《Tree/Toilet》

里山の風景を引き立てる公衆トイレ

小湊鐵道の飯給駅に制作したガラス張りのトイレが話題になった藤本壮介が新たに2作品を創作。小湊鐵道沿線で利用者が一番多い上総牛久駅の《里山トイレ》(写真)は、階段や塔を設置したユニークな設計で早くも駅の名物に。関東の駅百選にも選ばれた上総鶴舞駅に完成した《Tree/Toilet》)は、桜の木々や菜の花、水田が広がる豊かな自然を引き立たせる、シンプルで洗練された空間が印象的です。

藤本壮介 《里山トイレ》《Tree/Toilet》

住所/
《里山トイレ》千葉県市原市牛久897-2
《Tree/Toilet》千葉県市原市池和田898-2

【EAT】[上総牛久駅]
#牛久にカフェを作りたいんだ

上総牛久駅のコーヒー片手に街中へ

昨年3 月に上総牛久駅に誕生したコーヒースタンド。「待合室で汽車を待ちながら、車窓からの風景を楽しみながら、はたまた商店街で食べ歩きしながら。そんなコーヒーのある日常を街に作りたかったんです」とは、立ち上げメンバーの高橋洋介さん。店内にあえてイートインスペースを設けないのは、コーヒー片手に街中を回遊してほしいという思いから。商店街の惣菜や甘味と一緒に、街の中でひと休みをぜひ。

#牛久にカフェを作りたいんだ

TEL/なし
住所/千葉県市原市牛久897-2
営業時間/月〜金7:30~10:00、13:00~16:00、土・日・祝10:00~16:00
定休日/月

高滝駅

【ART】 [高滝駅]
市原湖畔美術館

作家の"生"を体感する企画展は必見

高滝湖のほとりに佇む、現代アートを中心にした美術館。市原市の名誉市民でもある銅版画家の深沢幸雄の作品をはじめ、市原にゆかりのある作家の油彩画や立体作品を展示する常設展のほか、湖畔という絶好のロケーションを生かした屋外展示や企画展、イベントを開催しています。4月3日(土)~6月27日(日)は、コロナ禍を生きる世界の約200組のアーティストによる表現を楽しめる企画展「コロナ禍の中、アーティストはいま―Artists’Breath」を開催予定。

市原湖畔美術館

TEL/0436-98-1525
住所/千葉県市原市不入75-1
営業時間/平日10:00〜17:00、土・休前日9:30〜19:00、日・祝9:30~18:00
定休日/月(祝日の場合は翌休)

【EAT】[高滝駅]
PIZZERIA BOSSO

湖を眺めて味わう薪窯ピッツァ

市原湖畔美術館内にあるピッツェリア。ガラス張りの開放的な空間で、地元房総の食材をふんだんに使った本格ピザをいただけます。菜の花やイワシ、しいたけ、落花生などをのせたピッツァ・ボッソは、1枚で房総の四季の味覚を楽しめて特別感もたっぷり。高温の薪窯で焼き上げた外はカリッ、中はモチモチの食感の1枚に舌鼓を打ちながら、窓の外に広がる美しい高滝湖と夕日を望めば、至福のひとときが訪れます。

PIZZERIA BOSSO

TEL/0436-67-0967
住所/千葉県市原市不入75-1市原湖畔美術館内
営業時間/11:00 〜21:00(20:00LO)
定休日/月(祝日の場合は翌休)

【SPOT】[高滝駅]
ANIMAL WONDER REZOURT

ゾウと触れ合える動物リゾートが誕生

3月23日(火)、ゾウが暮らす動物園「市原ぞうの国」が、隣接の姉妹園「サユリワールド」と統合し、リニューアルオープン。ゾウが水遊びする様子を観察できる「エレファント スプラッシュ」や、日本初の動物の行動展示型迷路施設「MAZEOO」といった新施設が登場します。タイ国政府観光庁の協力のもとに新設した、タイ料理を楽しめるフードコートやアンテナショップなど、タイの魅力を感じられるスポットにも注目を。

アニマル ワンダー リゾート

TEL/0436-88-3001 
住所/千葉県市原市山小川937
営業時間/10:00~16:30(最終入園15:00) 
定休日/木休館 
入園料/大人2,900円

月崎駅

【ART】[月崎駅]
木村崇人《森ラジオ ステーション×森遊会》

自然と人がつながる非日常の癒し空間

現代美術家・木村崇人が、2014年の「いちはらアート×ミックス」で制作した作品。小湊鐵道の鉄道保線員の詰所小屋を森に見立て、60種類以上の山野草と苔で覆ったこの作品には、森の鼓動や鳥のさえずりが聞こえるラジオや、光の柱、風見鶏を設置。四季折々の表情に出会え、自然の息吹を体感できる唯一無二の作品と言えます。

木村崇人《森ラジオ ステーション×森遊会》

住所/千葉県市原市月崎539 
定休日/不定期開放

Photo:村上圭一

【ART】[月崎駅]
小沢敦志《地熱の扉》

役目を終えた鉄がアート作品として再生

いちはらクオードの森の入口付近に設置された、幅約7m×高さ約3m の巨大な鉄のアート作品。市原市内から収集された日用品や産業廃棄物など、鉄の廃材を熱して叩いて再構築されたこの作品は、人工物と自然物、過去と未来の境界に立つ、1 枚の鉄扉を表現しています。新たに吹き込まれた命に触れて。

小沢敦志《地熱の扉》

住所/千葉県市原市柿木台1011

【SPOT】[月崎駅]
チバニアン

養老川流域でチバニアンを観察

約77万4千年~12万9千年前の地層年代を「チバニアン」と命名。その地質年代を代表する地磁気逆転期の地層が、月崎駅から徒歩約30分の田淵地区に。間近で見学するガイドツアーもおすすめ。

チバニアンビジターセンター

TEL/0436-96-2755 
住所/千葉県市原市田淵1157
営業時間/9:00〜16:00
定休日/木定休(祝日の場合は翌休))※緊急事態宣言中は閉館
料金/ツアーガイド料金 グループ1,500円〜

上総大久保駅~養老渓谷駅

Photo:CLIP

【ART】 [上総大久保駅]
CLIP《森の入口》

市原の森へと続く秘密の入口

一級建築士事務所「CLIP」が手がける公衆トイレ。正面から裏側まで通じる建物を進むと、森の中へと誘い出すように敷かれた小湊鐵道の枕木が出迎えてくれます。スケルトンの天井からも里山の風景が望め、まるで森に抱かれたような心地いい空間が待ち構えるので、休憩するのもよし、鑑賞するもよし。

CLIP《森の入口》

住所/千葉県市原市大久保96-2

【ART】 [養老渓谷駅]
竹腰耕平《市原の木》

アートの力でよみがえる倒木したイチョウ

木の根を作品にするアーティスト・竹腰耕平が、2019年の台風によって倒木したイチョウの木をアート作品として再生。旧朝生原小学校の校庭で倒れ、根っこもむき出しになっていたイチョウの木は、木の根の泥を落とし、地中にあったときのような姿に再現。幹と根を見ることで、木が生きていた証を感じられます。

竹腰耕平《市原の木》

住所/千葉県市原市朝生原792

【SPOT】 [養老渓谷駅]
石神菜の花畑

金色の絨毯×ローカル列車の絶景

養老渓谷駅近くにある菜の花畑。地元のボランティアが菜の花を植えたのが始まりで、今では毎年春になると輝くような景色が広がることで有名に。一面の菜の花畑の中をトロッコ列車やレトロなディーゼル列車が駆け抜ける様子は、まるで映画のワンシーンのよう。カメラ片手に散策をどうぞ。

石神菜の花畑

住所/千葉県市原市石神225

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PHOTO/SAORI KOJIMA TEXT/FUNABASHI MAKI

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