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週末、千葉で。 #チバケーション ~VOL.10 いすみ&大多喜~

千葉、いすみ市、大多喜町、旅行、旅、トラベル、トリップ、チバケーション

東京から近いのに千葉にはトリップ感があると思いませんか? 海が、まちが、ひとが、別世界で、豊かな時間を刻んでいる感覚。そんな千葉を体験することで感じる心豊かな時間・暮らしを「#チバケーション」といいます。房総半島の南東部、酪農が盛んないすみエリアでは、生乳が手に入りやすい環境からチーズ工房が数多く存在しているほか、最近ではベーカリーも多く誕生し激戦区に。発酵の美味を満喫する1泊2日の旅へ!

更新日:2025/11/20

【STORY01】発酵の力を体感。
チーズとパン尽くしの週末トリップへ

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お店で一番人気を誇るクロワッサン。折の数を少なくすることで、もちっとした食感になるそう

牛とふれあい学ぶ牧場を見学
風土を反映するチーズの味

稲穂が揺れる田園地帯をドライブ。いすみエリアに評判のベーカリーやチーズ工房が集まっていると知り、パンやチーズなど発酵食品が大好きな私たち家族は週末トリップに出かけた。

開店に合わせ『grain』へ。都心のベーカリーで腕を磨いた鶴岡(つるおか)あずささんが作るパンを求め、開店直後からお客さんがひっきりなし。

名物のクロワッサンの芳しいバターの香りに誘われ、購入直後に軒先の席でぱくり。中はもちもちで、小麦の優しい甘みが最高!
「酪農が盛んな地域でチーズ工房がたくさんあります。パンと合わせて買いに来る方も多いですよ」と鶴岡さん。

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牛舎の牛を優しく撫でる馬上温香(まがみはるか)さん。カナダで観光ガイドを務めた経験も

次の目的地は『高秀(たかひで)牧場』。車内では「酪農ってなに?」と息子から質問が飛ぶ。「牛や羊を飼って乳を搾り、牛乳やチーズを作るお仕事のこと。千葉県は日本で初めて酪農が始まった場所だよ」という夫の説明に私も密かに感心。

牧場では黒白2トーンのホルスタインが私たちを出迎えてくれた。「やっと会えたねー!」と子どもたちに言うと一気に笑顔と歓声がはじけた。予約していた牧場体験に親子揃って参加。

「牛は醤油の搾りかすなど人間が消化しにくいものを食べ、牛乳や乳製品を生み出します。糞も堆肥になるし、とことん人間に寄り添ってくれる動物。その生態を知って感動したことが今の私の仕事の原点です」と、牧場オーナーの長女で、カフェ事業や見学のガイドを担う馬上温香(まがみはるか)さん。牛舎を回り、乳搾りやバターづくりも体験し、子どもたちは目をキラキラと輝かせていた。

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木の温もりを感じる「蔵」は2階建ての造り。敷地内には、他にも趣の異なる2種類の施設を備える

宿泊は『MARUGAYATSU』の「蔵」。

夫と子どもたちが、敷地内の小さな池でザリガニ釣りに挑戦している間に、私はヒノキ桶の露天風呂でお先にひと休み。

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この道40年の店主、江澤さんがカウンターで寿司をにぎる。お客さんに合わせてシャリの大きさを変えるという繊細さ

夕食は、宿おすすめの『すし処美月(みづき)』で。旬の地の魚介はもちろん、いすみや大多喜産のコシヒカリを使ったシャリのおいしさを実感。

帰り道、城下町の風情が残る大多喜の街を月が照らす。「きれい」と言う声が、夫と重なった。

【SPOT紹介01】訪れたのはこちら!

左上/近隣の農家から仕入れた旬のフルーツで作るデニッシュも絶品 左下/緑豊かないすみエリアに店舗を構える 右/色とりどりの焼き立てパンが並ぶ店内

【01】grain

オーナーシェフの鶴岡あづささんは大多喜町育ち。結婚を機に東京からUターンし、夫の実家の日本家屋の敷地内にベーカリーを開店。「近隣の食材を使って地元を盛り上げられたら」と鶴岡さん。材料は国産にこだわり、近くの農家から仕入れるブルーベリー、イチジク、シャインマスカットなどのフルーツはデニッシュにアレンジ。となりの御宿町で農薬を使わず栽培された小麦粉や近くの「椿公園」の椿の花の酵母を使用したパンも。このエリアの食材の豊かさに驚かされる。

grain〈グラン〉
TEL.0470-86-4007
住所/千葉県いすみ市荻原2631-5
営業時間/10:30~17:00
定休日/月~水
grain Instagram

左上/牛舎では約200頭のホルスタインを飼育 左下/「4種のチーズのクワトロフォルマッジ」1,800円 右上/生まれたばかりの子牛の姿も 右下/ミルク工房では様々な種類のチーズも販売

【02】高秀牧場

牧場体験の後は併設のミルク工房に寄り、ピッツァやジェラートでひと休み。「牛乳を飲みながら牛を見てもらえる場所があったらと思い、このカフェを作りました」と馬上さん。「牛の一生」などの解説文が壁新聞のように店内を彩り、子どもたちも見入っていた。「草原の青空」1,100円など国際的なコンクールで入賞したチーズも評判。微生物を混ぜた独自の飼料を開発し、糞尿を堆肥にする循環型酪農にも取り組んでいるそう。

高秀牧場〈たかひでぼくじょう〉
TEL.0470-62-6669
住所/千葉県いすみ市須賀谷1339-1
営業時間/10:00~17:00
定休日/木
※牧場体験は小学生以上2,000円、小学生未満1,000円、幼児(0歳~2歳)無料。ウェブサイトでの申し込み状況により開催
高秀牧場 Instagram
高秀牧場 WEB

左/客室の2階は、静かな寝室 右上/敷地内には散策できる遊歩道も 右下/豊かな緑に囲まれた2万㎡の敷地。元は農家の大地主の邸宅だそう

【03】MARUGAYATSU

築200年の古民家をリノベーションした「萱」、ジャグジーを備えたキャンプ場「宙」など趣の異なる3つの施設があり、各1日1組限定でゆったりと過ごせる。宿泊した「蔵」は九十九里町出身の著名建築家、中村好文さんが手がけた居心地のいい空間。屋根付きのアウトドアリビングでのバーベキュー、庭での焚き火なども楽しめる。農業体験や自然散策など、地元のスタッフが案内してくれるオプションの体験メニューも充実。

MARUGAYATSU〈まるがやつ〉
TEL.043-301-2777
住所/千葉県夷隅郡大多喜町下大多喜1530
チェックイン/15:00~
チェックアウト/11:00
定休日/無休
料金/1泊2名利用時素泊まり大人2名28,600円~
MARUGAYATSU Instagram
MARUGAYATSU WEB

左上/大多喜町の夜空に浮かぶ満月のような暖簾のモチーフ 左下/もみじ2,860円、アジのなめろう1,650円。大多喜城 特別純米生貯蔵酒1合1,100円も 右/カウンターの向こうで寿司をにぎる店主の江澤さんとの会話も魅力

【04】すし処美月

一枚板のカウンターの向こうで店主の江澤茂徳(えざわしげのり)さんがきびきびと調理する姿に、自然と背筋が伸びる。キンメダイやヒラメなど千葉県産の魚介が盛り込まれるにぎりは、お客さんに合わせて大きさを変えるという繊細さ。一品料理も豊富で、生姜や大葉と叩いたアジのなめろうは「ぜひお酢をつけて」と江澤さん。お酒は女将の貴子(たかこ)さんが全国から吟味して選んだもの。近隣の「豊乃鶴酒造」や「大多喜麦酒」をはじめ、地元の蔵のお酒が揃うのも嬉しい。

すし処美月〈すしどころみづき〉
TEL.0470-82-5122
住所/千葉県夷隅郡大多喜町久保119
営業時間/11:00~14:00、17:00~21:00
定休日/不定休
すし処美月 WEB

【STORY02】魅力的なチーズ工房やベーカリーを巡り
地域の発酵の美味を満喫!

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五十川さんが、牧草のみを飼料として育てるジャージー牛。1年を通して牧場で放牧を行っている。

コミュニティの交流が活発
食と自然の豊かさも体感

翌朝、『チーズ工房IKAGAWA』の牧場を見学。茶色の牛が草を食む姿に「目がかわいい!」と上の娘がはしゃぐ。

「近隣の牧草だけで育て、生乳からチーズを作ります。ジャージー牛でグラスフェッドを貫く牧場は少なく、岩室での貯蔵や酵母の働きもあってうちだけの味になるんです。チーズは牛が安心して暮らせる環境を作れた後の、ご褒美ですね」と代表の五十川充博(いかがわみつひろ)さん。

試食させてもらうと「ムチュリ」はまろやかでクリーミー、「アルプケーゼ」はナッツのような風味を感じ、後味はさらり。子どもたちにも大好評だった。

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小松豪さん(右)と裕美さん。東京から家族で2021年に移住し、棚田だった耕作放棄地でジャージー牛を飼育している

牧場をもう1カ所、見学しに行こう。

山あいの『うたうファーム』では5頭の牛が元気に歩き回っている。子どもたちは愛らしく跳ねる子牛に夢中。

代表の小松豪(こまつごう)さんは建築家で、妻の裕美(ひろみ)さんはランドスケープデザイナー。
「自分たちのフィールドを持ち、その土地に深く関わって環境を良くする仕事をしたくて移住しました」と豪さん。

販売予定のヨーグルトを試食させてもらうと、軽やかな中にもジャージーミルクのコクがあり、後引くおいしさ。

「いすみを中心に、マルシェで農産物や手作り品を販売する小商いの文化が根付いています。先輩移住者を中心に多彩なコミュニティがあり、気軽に仲間に入れて面白いんですよ」と裕美さん。

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棚には所狭しとカラフルなパンが並ぶ。「トマトとミートソース」380円など季節限定のパンも

旅のラストは人気の『BAKERY KONATE』へ。パン職人として30年ほどのキャリアがある店主の宮本望(みやもとのぞむ)さんが焼く、40種類のパンに家族全員目移り。

「サーファーのお兄さんが近所のおばあちゃんに『これおいしいんですよ』と話しかける。そんなお客さん同士の交流を見ると嬉しくなります」と宮本さん。

購入したパンを手に近くの太東埼灯台でランチ。豊かな食と自然に触れた二日間を思い返し「またすぐ来たい」と娘。
家族みんな、考えることは同じかも。

【SPOT紹介02】訪れたのはこちら!

左上/約9haの土地で牧草を育て、ジャージー牛8頭と羊7頭を飼育している 右上/特別に見せてもらった貯蔵庫の岩室。先代と岩盤を削り出して作ったものだそう 左下・右下/築約60年の古民家の軒先でチーズを販売

【05】チーズ工房IKAGAWA

牧場で1年を通してジャージー牛を放牧し、飼料は牧草のみ。「牛が健康に育つための牧草を作るのが基本。ジャージー牛のミルクから作ったチーズは黄色がかり、ややハードな質感になるのが特徴です。いすみの風土の味を楽しんでもらえたら」と五十川さん。スイスのチーズを手本にしたウォッシュタイプの「ムチュリ」100g 1,026円や、1年近く長期熟成をさせた「アルプケーゼ」100g 1,458円が定番。今後は羊乳を使ったチーズの販売も計画中とのことで、これからの展開も楽しみ!

チーズ工房IKAGAWA〈チーズこうぼうイカガワ〉
TEL.0470-66-0825
住所/千葉県いすみ市山田6623
営業時間/10:00~14:30、土・日・祝~16:00
定休日/不定休
チーズ工房IKAGAWA WEB
チーズ工房IKAGAWA Instagram

左上・右上/昨年には子牛も誕生し、現在は計5頭のジャージー牛を飼育している 左下・右下/ギリシャヨーグルトとフローズンヨーグルトをECサイトで7月後半より販売予定

【06】うたうファーム

「まずは牧場を中心にした元気な里山を作るのが目標です」と牧場主の小松豪さん。東京から家族で2021年に移住し、棚田だった耕作放棄地でジャージー牛を放牧。昨年、子牛も誕生し、牧草で育ったジャージー牛の生乳を加工したヨーグルトの製品化をスタート。現在は4.5haほどになった敷地の中に、伐採した杉の木を活用した搾乳小屋を建て、ミツバチの巣箱を設置するなど、開拓が進行中。今後は環境再生や開拓の体験プログラムも実施するそう。

うたうファーム〈うたうファーム〉
うたうファーム Instagram
うたうファーム ECサイト
※牧場イベントはInstagramにてお知らせ

左・右上/焼きたてのあんぱん180円。4坪ほどの広さの店内に様々な種類のパンが並ぶ 右下/国道128号沿い、白い洋風の外観が際立つ

【07】BAKERY KONATE

強めに焼き込んだバゲットやふんわりした食パンにファンが多く、週末は2時間で商品が売り切れ、閉店することも。「新メニューの開発より定番のパンの質を上げ続け、とにかくおいしいパンを提供したいです」と話す店主の宮本望さんは、いすみ市出身の妻の千恵さんと都心の修業先で出会い、移住して2010年にお店をオープン。仕事終わりに趣味のサーフィンを楽しむこともあるそう。

BAKERY KONATE〈ベーカリー コナテ〉
TEL.0470-87-8383
住所/千葉県いすみ市岬町和泉3088-4
営業時間/11:00~なくなり次第終了
定休日/日定休
BAKERY KONATE Instagram

INFORMATION
#チバケーション
千葉を体験することで感じる心豊かな時間・暮らし

都心から近いのに、風景も、食も、ひとも、すべてが新鮮で心に響く。そんな千葉を体験することで感じる心豊かな時間・暮らしを伝えて、みんなでシェアするためのキーワードが、「#チバケーション」です。
#チバケーションは、千葉を旅して遊ぶことはもちろん、買い物をしたり、その味覚を楽しんだり。買って帰ったものを家で愛で、味わう・・・、あとに続く余韻の時間も含みます。ワーケーションや二地域居住、移住や定住もそのひとつ。さまざまな#チバケーションのかたちを紹介しています。

Photo:YUSUKE SHIRAI Text:AZUSA SHITO

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※記事は2025年11月20日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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