明治時代へタイムスリップ!絹の国・群馬でレトロな町並みを巡る女子旅

OZ発、プチトリップ

撮影協力/四辻の斎嘉、衣装協力/桐生おりひめ倶楽部

日々ロケハンに出かけたり、個人的に旅をしたりしているOZの編集部にとっては、毎日が新しい発見や出会いに満ちた小さな旅。ページには載らない裏話やエピソードをお届け。今回は編集Cが、明治・大正時代のレトロな町並みが残る群馬県桐生市と甘楽町を巡る旅に出かけてきました。

更新日:2019/02/26

群馬県桐生市・甘楽町
左/先染めした絹糸を使い、模様を織っていくのが桐生織の手法 右/絹糸のもとになる蚕の繭。群馬県では独自に交配された8品種の蚕を育成している

古都・京都や鎌倉、小江戸・川越など、昔のままの景観が残る町は女子旅の定番人気エリア! 今回は、レトロでちょっとハイカラな明治・大正時代の建物が多く残る群馬県で体験した、1泊2日の旅を紹介します。

群馬県は古くから絹産業が盛んで、繭の生産量は日本一、かつて「西の西陣・東の桐生」と称されたほどの絹織物の産地でもあります。また、2014年には富岡製糸場を含む養蚕関連の史跡が世界遺産に登録されるなど、日本はもちろん世界中から注目を集めている「絹の国」なのです。そんな群馬県は、絹にまつわる13スポットが日本遺産にも認定されていて、明治~大正時代にもっとも盛んであった絹産業を象徴する当時の建物が町中に点在しています。特に、絹織物の産地・桐生市と、養蚕で栄えた甘楽町にはレトロな町並みがそのまま残っていて、思わず写真に収めたくなるかわいいスポットがいっぱい。

■日本遺産とは?

文化庁が認定する、有形・無形の文化財をひとつのストーリーでつなぎ、日本の文化・伝統をよりわかりやすく伝えようとする取り組み。群馬県は13件の構成文化財とともに、「かかあ天下-ぐんまの絹物語-」のストーリーが日本遺産創設時に認定されました。

【かかあ天下-ぐんまの絹物語-】
古くから絹産業の盛んな上州(現在の群馬県)では、女性が養蚕・製糸・織物で家計を支え大活躍しました。夫たちは、おれのかかあは天下一と呼び、これが「かかあ天下」として上州名物になるとともに、現代では内に外に活躍する女性像の代名詞ともなっています。

1日目は織物の町・桐生へ

群馬県桐生市・甘楽町
左/大正5年に建築された「矢野本店」。店内には抹茶スイーツや軽食を提供する喫茶スペースもあり 右上/「桐生おりひめ倶楽部」で、レトロ柄の着物と桐生織の帯をレンタルすることができる 右下/江戸時代から昭和初期にかけて造られた11の蔵群「有鄰館」。コンサートや展示会などに使用されている

400年以上前の町並みを着物で散策。レトロかわいい桐生の町にうっとり

旅のスタートは“織都(しょくと)”桐生から。まずは日本遺産の構成文化財になっているレトロタウン「桐生新町重要伝統的建造物群保存地区(以下、重伝建地区)」を、「“織都桐生”案内人の会」のガイドさんとおさんぽ。このエリアには明治・大正時代に建てられた建物が200軒も残っていて、まるでタイムスリップしたかのような古い町並みが広がっています。

江戸時代に機屋の主人たちによって建造された「桐生天満宮社殿」を起点に、町の中心を本町通りが走り、400年以上前に作られた区画がほぼそのままなのも特徴です。主屋と織物工場、従業員宿舎を1区画の中に建てることを想定して縦長の区割りにされたという、まさに織物産業のために作られた織物の町らしさが垣間見えるエリア。現在では、外観はそのままに店内をリノベーションした飲食店をはじめ、アパレルショップなどのお店も増えていて、桐生で注目の観光地です。また、市内には、桐生織の帯と着物をセットでレンタルできる場所も。レトロな雰囲気に浸ってかわいい着物で散策したら、町歩きがより一層楽しくなりますよ。

DATA

■桐生新町重要伝統的建造物群保存地区
住所/群馬県桐生市本町1丁目・2丁目・天神町の一部エリア
公式HP

■有鄰館
TEL.0277-46-4144
住所/群馬県桐生市本町2-6-32
開館時間/9:00~21:00
休館日/年末年始(12月28日~1月4日)
公式HP

■“織都桐生”案内人の会
TEL.0277-46-1111(内線366/桐生市観光交流課内・桐生観光協会)
住所/群馬県桐生市織姫町1-1
料金/2人~5人で1000円(2時間)
※利用日の1週間前までに要予約
公式HP

■桐生おりひめ倶楽部
TEL.090−4000−5543
住所/群馬県桐生市巴町2−1810−17 山本きもの学院
料金/3500円(着物レンタル+着装)
※要予約

群馬県桐生市・甘楽町
上/桐生市で唯一の、れんが造りノコギリ屋根 左下/人気NO.1の「のこぎり屋根のフレンチトースト」184円。奥は蒸しパンに水ようかんがサンドされた「レンガ」194円。 右下/「絹遊塾 工房 風花」で扱う草木染めの絹糸。糸染めも工房で行っている

れんが造りのノコギリ屋根が目印。地元で育った職人がいる名物スポット

町歩きを楽しんだ後は、重伝建地区の近くに位置する「ベーカリーカフェレンガ」でひと休み。れんが造りの“ノコギリ屋根”がかわいいこちらのベーカリーは創業40年以上、かつて織物工場だった建物で営業をしています。店頭には群馬のご当地パンをはじめ、70~80種類の焼きたてパンが並びます。なかでもいちばんの人気は、ノコギリ屋根をかたどった「のこぎり屋根のフレンチトースト」。自家製の食パンを分厚くカットし、フレンチトースト液に浸して焼き上げた一品です。ふわっふわのパンと優しい甘みがマッチしていて、いくつでも食べられそうなくらいの軽さがやみつきに! 店内にはイートインスペースが設けられているので、その場でゆっくりといただくことも可能。

また、ベーカリーの奥には手織り体験ができるアトリエ「絹遊塾 工房 風花(かざはな)」も。草木染めをした柔らかな風合いの絹糸を使って世界に1枚だけのストールを織ることができます。

DATA

■ベーカリーカフェレンガ
TEL.0277-32-5553
住所/群馬県桐生市東久方町1-1-55
営業時間/平日8:00~18:00、土・日・祝7:00~18:00
公式HP

■絹遊塾 工房 風花
TEL.0277-32-6387
住所/群馬県桐生市東久方町1-1-55 ベーカリーカフェレンガ 付設工場内
営業時間/10:00~17:00
定休日/火
公式HP

群馬県桐生市・甘楽町
左/大正から昭和にかけて増築された6連のノコギリ屋根工場。日本遺産に認定されている 右上/館内に置かれた織機に触れて無料で手織り体験ができる 右下/模様を表現するための緯糸。増えるほど繊細な模様を描くことができる

桐生織物1300年の歴史を感じる。ツートントンのリズムに合わせて伝統的な桐生織に挑戦

続いて訪れたのは、ベーカリーカフェレンガから徒歩15分ほどの場所にある「織物参考館 “紫(ゆかり)”」。こちらでは伝統的な機織り機を使った手織り体験をしました。館内には、繭から糸をとって織りあげるまでの工程が、実際に使用されていた道具約1200点とともに紹介されています。3人掛かりで動かす日本一大きな巨大織機といった貴重な品がたくさん置いてありますが、展示されている年代物の織機の中には今も現役で毎日稼働しているものも! 併設の売店で販売されている天皇家御用達の手織あかすり「御召(おめし)アカスリ」や、完成までに数カ月を要する桐生織の高価な着物も毎日こちらで生産されています。

工場見学を終えた後は、いざ手織体験へ。今回は明治時代の初期に登場した高機(たかはた)を使って、あらかじめ経糸(たていと)が掛けられているものに、美しい緯糸(よこいと)を織り進めていきます。慣れるまでに少し時間がかかりますが、事前に予約をすると、15cm四方のコースターは2時間程度、長さ50cm以上のテーブルセンターは1日程度で完成したものを持ち帰れます(有料)。織物体験に自信がないという人には、30分程度で完成する「藍染体験」もおすすめです。

DATA

■織物参考館“紫”
TEL.0277-45-3111
住所/群馬県桐生市東4-2-24
開館時間/10:00~16:00
休館日/月
入館料/大人700円、大学生・専門学生600円、中・高校生500円、小学生400円
駐車場/バス7台
公式HP

群馬県桐生市・甘楽町
+50円ですべての麺をひもかわに変更可能。桐生のご当地グルメ・ソースカツ丼もオーダー可能

女工がルーツだった!?桐生で愛されるローカルフードを味わおう

頭と体を使ってお腹が空いたので少し遅めのランチは、桐生のソウルフード“ひもかわ”を食べに重伝建地区の「藤屋本店」へ。ひもかわとは、もちもちとした食感の幅広うどんのこと。1cmから10cm以上まで麺の幅はさまざまですが、忙しい女工たちが手間を省くためにうどんを幅広に切って茹でた、または、茹で時間を短縮するためにあえて幅広に生地を切ったなど、桐生で絹産業を支えた女工たちがルーツの食べ物とも言われています。きれいに折り畳まれて盛り付けられることが多く、その見た目はどことなく織物を連想させます。

今回伺った「藤屋本店」は明治初期から創業130年以上の老舗で、お昼どきには行列ができるほどの人気店。もともとはうどん店としてスタートしたそうですが、70年ほど前からひもかわの提供を始めたそう。毎日手打ちで仕込む生地には3種類の地粉をブレンドしていて、幅3cmほどの麺はもっちりツルツル! ひもかわの注文は全体の8割にも上り、この味を求めて週に3日も足しげく通う常連客もいるそうです。想像以上に麺が太いので上手に食べるのに工夫が必要でしたが、食べ応え抜群でしっかりとお腹が満たされました。

DATA

■藤屋本店
TEL.0277-44-3791
住所/群馬県桐生市本町1-6-35
営業時間/火~木11:30~14:30(LO) 金・土・日11:30~14:30(LO)17:30~20:30(LO)
定休日/第4火・月
公式HP

2日目は“かかあ天下”ゆかりの養蚕の町・甘楽へ

群馬県桐生市・甘楽町
左/かつて養蚕農家が立ち並んでいた小幡の町並み 右上/「甘楽町歴史民俗資料館」はイギリス様式で大正時代に建てられた建物 右下/養蚕農家が厚く信仰した養蚕の神様「絹笠明神」。右手に蚕の卵、左手に桑の葉を持ち、頭上や足元には蚕と繭が描かれている

今も城下町小幡の姿を残す、情緒あふれる養蚕の町をぶらり。のどかな甘楽町をさんぽ

2日目は桐生市から車で1時間、世界遺産で有名な富岡市に隣接する、かつて養蚕が盛んだった甘楽町へ。町の中心を400年以上も前から流れる雄川堰沿いに、江戸時代以降に建てられた趣のある町並みを今でも見ることができる甘楽町は、人口1万3000人ほどののどかな地域です。江戸時代に区画された城下町の町屋地区は、明治・大正時代の間に養蚕農家が立ち並ぶ町へと姿を変えていきました。甘楽町に設置されている「甘楽社小幡組由来碑」には、甘楽町に養蚕を営んでいない家はないという旨の記述がされるほどの養蚕の町に発展しました。

そんな甘楽町には、日本式家屋が並ぶ風景の中にひときわ目立つレンガ造りの建物「甘楽町歴史民俗資料館」が残っています。現在、資料館として使われているこの建物は、養蚕業の最盛期だった大正時代に繭倉庫として建設されたもの。施設内には養蚕・製糸・織物に関わる資料が333点も展示されていて、学芸員の長谷部さんが養蚕の歴史を楽しく説明してくれます。日本で最初に製造された貴重な顕微鏡や、蚕の生体展示もあり、当時の様子が手に取るようにわかります。長谷部さんの話に登場する“お蚕さま”という呼び方が印象的で、当時は養蚕が生活の中心であったことを実感しました。こちらでは資料の一環として今なお養蚕が行われているので、春と秋には実際の養蚕過程を見学することもできますよ。

DATA

■甘楽町歴史民俗資料館
TEL.0274-74-5957
住所/群馬県甘楽郡甘楽町大字小幡852-1
開館時間/9:00~16:30
休館日/月(祝の場合翌火休)、年末年始(12月29日~1月3日)
入館料/高校生以上200円、中学生以下無料
公式HP

群馬県桐生市・甘楽町
左/明治時代に建てられた商家をそのまま利用した店内。養蚕が行われていた2階には、養蚕場特有の炉や天窓の痕跡が残る 右上/ペルー原産のカムカムジュース。ほんのりとした酸味とすっきりとした喉越しが爽やか 右下/「気まぐれおやつセット」700円

築100年以上の古民家カフェでひと休み。農家のおやつや手作りスイーツにほっこり

資料館を後にし、再び雄川堰沿いをぶらり。養蚕が行われていた頃は家の裏地に蚕のエサとなる桑畑が一面に広がっていたそうで、そんなエピソードからも、養蚕が人々の暮らしに深く関わっていたことがわかります。さて、ここで雄川堰沿いの古民家カフェでティータイム! 明治時代の商家をリノベした古民家カフェ「信州屋」では、カフェメニューを通して群馬で育つ豊かな食材を知ってほしいという思いから、地元で採れる野菜や果物、加工品を仕入れてスイーツ・ドリンク・軽食の提供を行なっています。

今回はカフェで人気だという、ドリンクが付いた「気まぐれおやつセット」をオーダー。気まぐれおやつは1~2週間ごとに内容が変わり、この日は吟醸酒粕のチーズケーキ風ケーキが登場。地元の酒造・聖徳銘醸の酒粕と、お店で仕込んだ梅ソースが使われていました。地元食材と自家製にこだわったスイーツは、食材本来の味がしっかりと感じられてなんとも滋味深い。もう少し暖かくなると甘楽地域の地元酪農家から仕入れた生乳で作るアイスクリームや、群馬産のイチゴをふんだんに使ったイチゴソーダなんかもお目見えするみたいなので、甘楽町さんぽの途中にまた立ち寄りたいです。

DATA

■古民家かふぇ「信州屋」
TEL.0274-74-6061
住所/群馬県甘楽郡甘楽町大字小幡7
営業時間/10:00~16:00(季節により変更あり)
定休日/月(祝の場合翌火休)、12月29日~1月3日
facebook

今回の日本遺産を巡る群馬県桐生市・甘楽町の旅では、笑顔が素敵な女性に案内していただく機会が多く、その全員が自分の商売に誇りを持って楽しそうにお話をしてくださったのが印象的でした。女性の活躍によって栄えた群馬県の「かかあ天下」の心が、今でも受け継がれてこの地に根付いているような気がしました。レトロな町並みだけでなく今を生きる女性たちの生き生きとしたパワーを感じに、この週末は群馬県へ出かけてみませんか?

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