世界遺産・熊野古道の玄関口であり、地域に根付く梅の栽培システムが世界農業遺産に認定されている和歌山県田辺市。2つの世界遺産がある地で、ここでしか体験できない旅を
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田辺の世界遺産、ひとつめは世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」。最高品種・南高梅の名産地でもあるこの地域で江戸時代から続く梅の栽培システムが認められ、世界農業遺産となった。梅は樹から自然に落ちるまで完熟させるなどの収穫方法も特徴的。そして名物の梅干し。農家で完熟梅を塩漬け、天日干してから業者に出荷し、各メーカーが独自の味わいに仕上げるそう。梅干し工場見学&梅酒作り体験や梅グルメを通して、そうした梅の文化を感じてみたい。市内には熊野古道の玄関口らしく、平安衣装の着付けができる施設も。
※一部を除き、通常田辺市内の農園では梅の収穫体験などは行っていません
梅干しと梅酒を製造販売する明治30年創業の「中田食品」。本社敷地内の直営店で楽しめるのが、地元産の完熟梅を使った梅酒手作り体験1080円(要予約)。ベースのお酒は焼酎、日本酒、ブランデーから、砂糖も3種から選べて、好みの味に仕上げられる。梅干し工場見学では南高梅の歴史や栽培法なども解説。梅について学ぶならココで。
熊野の観光情報などを発信する田辺市中辺路町の「熊野古道館」では、平安衣装の着付け体験を実施(1時間以内2500円、要予約)。簡単に着られて、すぐ近くの滝尻神社境内や付近を歩けるので、記念撮影したり、熊野詣が最も盛んだったといわれる平安時代に思いをはせたり。ハイキングだけではない熊野古道の文化を感じるひとときを。
田辺には梅を活用したグルメもいろいろ。人気は「パン工房 Kawa」の“まるごと!? 紀州梅バーガー”422円。大粒の南高梅の梅干しに、梅酢配合の飼料で育てられた紀州うめどりのチキンカツ、さらにバンズやソースにも梅を取り入れ、まさに梅尽くし。“全国ご当地バーガーグランプリ”で優勝した実力派のご当地バーガーを堪能して。
田辺を旅するなら、もうひとつの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」もたっぷり満喫。まずは「世界遺産 熊野本宮館」で古道の歴史をお勉強してから熊野古道ウォークへ。個人でももちろん歩けるけれど、熊野セラピストや語り部がガイドしてくれる「熊野古道健康ウォーキング」を利用すれば、より深く古道の魅力を実感できるはず。熊野三山のひとつ「熊野本宮大社」の参拝や旧社地大斎原での散策、さらに奥熊野の名湯・川湯温泉も楽しめば、ますます心が洗われて、たくさんの元気がきっともらえる!
熊野古道ウォークの起点にぴったりなのが、和歌山県・奈良県・三重県を結ぶ本宮地区に立つ「世界遺産 熊野本宮館」。エリアの観光&地域情報を発信するほか、曼荼羅の絵解き説法で熊野古道の歴史をわかりやすく紹介するコーナーも。はるか昔に熊野を訪れた人々の思いや歴史を知ることで、古道の神秘的なパワーをより感じられるそう。
中辺路ルート“発心門王子~熊野本宮大社”の約7kⅿのコースを熊野セラピストまたは熊野本宮語り部と歩く「熊野古道健康ウォーキング」。森の中ではストレッチしたり、木のベッドに寝転んだり。体の負担にならないよう、歩くペースや食事、水分補給、休憩のタイミングに配慮しながら案内してくれる。所要時間約3時間。3000円(要予約)。
「熊野古道健康ウォーキング」にも付く「熊野古道弁当」。まさに熊野ウォーカーのために作られたお弁当で、リュックに収めやすい2段重ね。竹の皮に包まれた南紀名産めはりずしなど4種のおにぎり、竹カゴのお弁当箱には地元の食材がふんだんに盛り込まれたおかずが。豊かな自然に包まれるお弁当タイムも楽しみにして。
“よみがえりの聖地”として今もなお信仰を集めている熊野三山。そのひとつが、「熊野古道健康ウォーキング」の終点地「熊野本宮大社」。杉に覆われたような158段の石段を、境内をめざして登っていくと、気持ちが不思議と静まっていく。境内に入れば、神秘的な雰囲気はいっそう増して、古式ゆかしい佇まいに身が引き締まる。
「熊野本宮大社」を参拝した後は、歩いて10分ほどの「大斎原」へ。大斎原とは、高さ約34m、幅約42m巨大な鳥居の背後に広がるこんもりとした森のこと。かつて熊野本宮大社があった場所で、「神が舞い降りた」という伝説が残されているとか。周囲には美しい自然、景観も広がっているから、心静かにゆっくりと歩いてみたい。
熊野川の支流・大塔川のほとりに位置する川湯温泉は、川原を掘るとぽこぽこと湯が湧く全国でもめずしい温泉地。その名湯を楽しむなら、「川湯みどりや」で。大塔川をすぐ目の前に望む露天風呂は混浴だけれど、専用の浴衣(湯着)を着用して入浴可能。熊野の大自然を開放感たっぷりに満喫しながら湯浴みしよう。夜は満天の星空も美しい。
紀伊半島の南西に位置する和歌山県田辺市。2015年には地域の梅の栽培システムが世界農業遺産に認定され、熊野古道と合わせて2つの世界遺産がある街になった。しかも2016年10月には、熊野古道を含む世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に市内の「闘雞神社」「北郡越」などが追加登録。さらなる盛り上がりを見せている。とはいえ、世界遺産だけはないのが田辺市のイイところ。海、山、川に恵まれた地には、四季折々で楽しめる魚介類や、年間を通して栽培される柑橘類など、おいしいものがずらり。熊野本宮温泉郷、龍神温泉もあり、旅に欠かせない魅力があふれている。
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