日本初公開の名品がずらり!六本木でフランス宮廷の磁器セーヴルの300年に及ぶ創造の歴史を紹介する展覧会

セーヴルといえば、18世紀にフランスで誕生して以来、今もなお世界的に知られる陶磁器ブランド。国王の保護の下で宮廷画家や彫刻家が考案した絵柄と、技術者たちの高い技術が作り出す磁器は、優雅で気品高く、国内外の王侯貴族を魅了したそう。そんなセーヴルの300年にわたる創造の歴史を振り返りながら、貴重な名品を紹介する展覧会が開催される。歴史を彩った、華やかなセーヴル磁器の魅力とは?
更新日:2017/09/04
セーヴルが誕生した18世紀から現代までの軌跡を4章にわけ、各時代の黄金期の作品を展示
東京ミッドタウンのガレリア3階にあるサントリー美術館では、2017年11月22日(水)から2018年1月28日(日)まで、「六本木開館10周年記念展 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」を開催。今回は、2010年に国立セーヴル磁器製作所と国立セーヴル陶磁美術館が統合された新組織「セーヴル陶磁都市」が所蔵する名品の数々を紹介する。
会場はセーヴルの「18世紀」、「19世紀」、「アール・ヌーヴォーとアール・デコ」、「1960年代~現在」の4章で構成されていて、各時代の黄金期を彩った作品が、これまでにない規模で来日するのも見どころのひとつ。

Photo(C)RMN-Grand Palais (Sèvres, Cité de la céramique) / Droits réservés / distributed by AMF
パーヴェル・ペトロヴィチのティーセット 1772-73年 セーヴル陶磁都市
第1章 は「18世紀のセーヴル ―王の磁器―」と題して、セーヴルが誕生した当時のルイ15世時代の名品を集めて展示する。特徴的なのは、ルイ15世の寵愛を受けたポンパドゥール夫人の影響。彼女がセーヴル磁器に興味を示すと、その好みに応える形で独自のスタイルが発達したそう。その結果、よりリアルな表現のために多くの色絵具の新色が開発され、愛らしい子供たちや優雅な庭園を主題にした作品が生まれたという。写真はロシアの女帝・エカテリーナ2世の息子「パーヴェル・ペトロヴィチのティーセット」で、華やかな絵付けと曲線を組み合わせた優美なフォルムは、何ともゴージャス。

Photo(C)RMN-Grand Palais (Sèvres, Cité de la céramique) / Martine Beck-Coppola / distributed by AMF
マリー・アントワネットのための乳房のボウル(ランブイエの酪農場のためのセルヴィスより) ルイ・シモン・ボワゾ、ジャン=ジャック・ラグルネ 1787-88年 セーヴル陶磁都市
写真の「マリー・アントワネットのための乳房のボウル」は、ルイ16世の王妃マリー・アントワネットのために作られたミルクを飲むためのボウル。古代ギリシャの頃にさかのぼる器の形を、エレガントに表現する技術とセンスはさすが。
製作所長の豊かな知識と優れた技術を結晶させた19世紀のセーヴルの魅力
第2章の「19世紀のセーヴル ―ブロンニャールと製作所の成功―」では、1800年から1847年まで製作所の所長を務めたアレクサンドル・ブロンニャールの功績をメインに紹介する。鉱山技術者であり鉱物学、地質学、動物学の研究者でもあったブロンニャールは、豊かな知識と優れた技術で19世紀の製作所を黄金期に導いた人物。広い知識によって磁器の形や装飾を一新し、画期的な金彩装飾の製造技術を導入したり、ステンドグラスや七宝などの芸術技法を取り入れたり。1824年にはフランスで初の陶磁とガラスの専門美術館も設立したそう。
写真のデザート皿は、歴史的な逸話をテーマにしながら、周囲をさらに別のデザインで飾っている。一方では、いろいろな出来事を歴史的に理解しようとする歴史主義が盛んになり、その流れに乗って、過剰にデコレーションを施すスタイルも誕生。

Photo(C)RMN-Grand Palais (Sèvres, Cité de la céramique) / Martine Beck-Coppola / distributed by AMF
デザート皿《デュプレシ准将の戦闘と死》(エジプトのセルヴィスより) ジャック・フランソワ・ジョゼフ・スウェバー、ドミニク・ヴィヴァン・ドゥノン、アレクサンドル・テオドール・ブロンニャール(父) 1811年 セーヴル陶磁都市
20世紀の章では、パリ万博で絶賛されたセーヴルの傑作や日本人彫刻家の作品も
1897年に製作所の芸術部長となったアレクサンドル・サンディエは、当時のヨーロッパで流行したアール・ヌーヴォー様式を取り入れる。その作品は1900年のパリ万博で絶賛され、特に、彫刻家アガトン・レオナールの優美なテーブルセンターピース「スカーフダンス」(写真)は大きな評判を呼んだそう。
また、20世紀になって、セーヴルが1904年に外国人初の「協力芸術家」として受け入れたのは、日本の彫刻家・沼田一雅(ぬまた・いちが)だったとか。沼田が提案した女性像や動物像などのビスキュイ(無釉白磁)彫刻の原型は、今も大切に保管されているという。さらに洗練されたアール・デコ様式なども採用し、著名な芸術家や建築家との協力もあって、セーヴルは20世紀でも大きな成功を収める。

Photo(C)RMN-Grand PalaisRMN-Grand Palais (Sèvres, Cité de la céramique) / Martine Beck-Coppola / distributed by AMF
ダンサーNo.14(テーブルセンターピース「スカーフダンス」より)
アガトン・レオナール 1899-1900年 セーヴル陶磁都市
現代も著名な芸術家とのコラボなどでさらに進化を続けるセーヴル
1960年代以降の作品を集めた第4章「現代のセーヴル ―ゴーティエの時代、現代の芸術家との協力―」では、1963年に製作所長となったセルジュ・ゴーティエのもとで作られた作品などを紹介する。この時代以降、セーヴルでは歴代の名品の復刻を続ける一方で、現代の著名な芸術家を招いて、より魅力的な磁器芸術を創り出すことに力を入れてきたそう。
例えば写真は、第一線で活躍する芸術家の自由な発想が生み出した彫像、草間彌生の《ゴールデン・スピリット》。このほかにも、フランスの偉大な抽象画家であるピエール・スーラージュによる《スーラージュの壺》は、大相撲の優勝杯の一つとして製作されたというから、驚き。
どの時代においても、時代の変化や革新的な技法を取り入れながら、それぞれに黄金期を築いてきたセーヴル。その300年の華やかな軌跡を追いながら、多彩な作品の数々を満喫しよう。

Photo(C)Sèvres, Cité de la céramique, Dist. RMN-Grand Palais / Gérard Jonca / distributed by AMF
《ゴールデン・スピリット》 草間彌生 2005年 セーヴル陶磁都市
「六本木開館10周年記念展 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」の招待券を5組10名様にプレゼント
【応募方法】
① OZmall東京体験公式Twitterアカウント「@OZmall_TOKYOex」をフォローしてください。
② 下記の「Twitterで応募する」ボタンからツイートしてください。
【応募期間】
2017年9月4日(月)10:00~9月11日(月)09:59まで
※上記期間以降の応募に関しましては抽選の対象外となります。
【注意事項】
プレゼントにご応募される前に、下記【プレゼント応募条件】【当選者への通知・お願いについて】をよくお読みいただき、同意のうえ、ご応募いただきますようお願い申し上げます。
【プレゼント応募条件】
Twitterアカウントをお持ちでない方は、Twitterサイトにてアカウントを作成してください。なお、応募受付の確認、当選・落選についてのご質問は受け付けていません。
【当選者への通知・お願いについて】
OZmallより当選者の方には、Twitterのダイレクトメッセージ(DM)でご連絡をさせていただき、プレゼントの発送先に関する個人情報をご登録いただきます。DM内に記載の期間中に、個人情報のご登録をいただけない場合は当選を無効とさせていただきます。
※当選の権利を他人へ譲渡、あるいは換金することはできません。フォーム記入には会員登録(無料)が必要となります。ご了承ください。
六本木開館10周年記念展 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年

TEL.03-3479-8600
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3F
アクセス:都営地下鉄大江戸線「六本木駅」8出口より直結、東京メトロ日比谷線「六本木駅」より地下通路にて直結、千代田線「乃木坂駅」3出口より徒歩3分
会期:2017年11月22日(水)~2018年1月28日(日)
開館時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
※金・土および11月22日(水)、1月7日(日)は20:00まで開館。ただし12月29日(金)は18:00まで
休館日:火曜(ただし、1月2日、9日、16日、23日は18:00まで開館)、12月30日(土)~1月1日(月・祝)
※ショップ×カフェは年末年始をのぞき、会期中無休
入館料(前売):一般1300円(1100円)、大学・高校生1000円(800円)、中学生以下無料
※前売券の発売は9月16日(土)より
<割引>
HP割:ホームページ限定割引券提示で100円割引
携帯割:携帯サイトの割引券画面提示で100円割引
あとろ割:国立新美術館、森美術館の企画展チケット提示で100円割引
※割引の併用は不可
※画像の無断転載禁止
(C)木奥恵三
NAOKO YOSHIDA (はちどり)
アート、ミュージカル、クラシック・・・特別な1日を約束する“東京体験”をチェック

舞台、ミュージカル、歌舞伎、クラシック、アート・・・さまざまなエンターテインメントがあふれている東京。でも、なかなか経験する機会がない人も多いのでは? オズモールの東京体験では、観劇や鑑賞のレストラン付きプラン、お土産付きの観劇チケットなど “いい1日”が過ごせる、とっておきのプランをラインナップ。ぜひチェックしてみて。