“いわさきちひろ”は昭和のワーママだった!東京駅で人気画家の魅力にせまる「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」

 いわさきちひろ、絵描きです。@東京ステーションギャラリー 「ハマヒルガオと少女」

ハマヒルガオと少女 1950 年代中頃 ちひろ美術館蔵

やわらかい色彩で描かれた子どもたちや花の絵で今も人気の画家・いわさきちひろ。2018年が生誕100年となるのを記念した展覧会「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」が、丸の内の東京ステーションギャラリーで開催。彼女が生きた時代や創作活動について、多彩な作品と貴重な資料からひもとく展覧会となっている。絵を観る楽しさはもちろんだけど、仕事と家庭を両立させたワーキングママの先輩としても学ぶものがあるはず。

更新日:2018/07/16

 いわさきちひろ、絵描きです。@東京ステーションギャラリー 家族と
家族と(左端・ちひろ) 1928 年 ちひろ美術館蔵

第1章の「娘時代」では、貴重な戦前の資料を多数展示!

2018年7月14日(土)から9月9日(日)まで、東京ステーションギャラリーで開催される「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」。タイトルは、ちひろが後に夫となる松本善明氏との初対面の時に自己紹介した言葉だそう。そこで、展覧会では「絵描き」としての技術や作品の背景を振り返りながら、約200点の展示品を通じて いわさきちひろの世界を紹介する。

展示構成は4つの章からできていて、そのタイトルはいずれも本人の言葉からの引用。第1章「私の娘時代はずっと戦争のなかでした」では、1918年(大正7年)に生まれたいわさきちひろ(岩崎知弘)が終戦を迎えるまでの時代を振り返る。

恵まれた家庭環境で少女時代を過ごしたちひろは幼い頃から絵が得意で、洋画家・岡田三郎助にデッサンや油絵を学ぶなど、幅広い文化にふれていたという。そんな少女期について、貴重な戦前の資料などを交えながら立体的に再構成。娘時代のちひろがなにに出会い、なにを吸収したのかが分かる。

 いわさきちひろ、絵描きです。@東京ステーションギャラリー ヒゲタ醤油広告
ヒゲタ醤油広告 1950 年代前半 ちひろ美術館蔵

家庭と仕事を両立させながら多彩なメディアで活躍する姿も

第2章「働いている人たちに共感してもらえる絵を描きたい」では、紙芝居やポスターなど多くのメディアで活躍する姿を紹介。

東京で新聞記者として働きながら、洋画家の丸木位里・丸木俊夫妻のアトリエで絵を学び、1947年(昭和22年)に手がけた紙芝居『お母さんの話』をきっかけとして29歳で画家の道を歩み始めたちひろ。第2章では、1950年(昭和25年)に結婚して以来、家庭生活と作家活動を両立してきた様子を追いながら、同時代の文化史についても考察する。

この章では、紙芝居や幻灯の絵、これまでまとめて見られる機会の少なかった油絵など、いろいろなジャンルの作品が見られるのも嬉しい。

いわさきちひろ、絵描きです。@東京ステーションギャラリー 引越しのトラックを見つめる少女
引越しのトラックを見つめる少女『となりにきたこ』(至光社)より 1970 年 ちひろ美術館蔵

新しい画法にチャレンジする姿などを「線」に注目して分析

第3章のタイトルとなっている「私は、豹変しながらいろいろとあくせくします」というのは、1970年(昭和45年)に51歳となったちひろの言葉。『となりにきたこ』は、パステルで描いた線に水をつけると水彩絵の具より透明なきれいな色が流れでることから制作したという。

51歳になってパステルという新しい画材にチャレンジしたちひろは、それまでも画面の中に多様な技術をこらして描いていた。そこで、この章ではその技術にスポットを当て、どんな道具や素材を使って、どんな姿勢でいかなるスピードをもって描いたのか、などに注目する。

とくに「線」の現れ方にポイントを絞り、伸びやかで自由な線の細部を見ていくことで、図としての美しさにとらわれがちなちひろ作品の見え方が変わってくるかも。

 いわさきちひろ、絵描きです。@東京ステーションギャラリー 小犬と雨の日の子どもたち
小犬と雨の日の子どもたち 1967 年 ちひろ美術館蔵

童画の世界に包み込まれる拡大原画や映像番組も楽しんで

最終章となる第4章は「童画は、けしてただの文の説明であってはならない」。ここでは明るく輝くような美しい水彩画の数々を展示して、開放的な色彩による作品の魅力を紹介する。

また、2017年に開催された「高畑勲がつくるちひろ展 ようこそ!ちひろの絵のなかへ」の中で、最大6.6倍の壁画のような大きさに拡大したちひろの絵が好評だったことから、今回も拡大原画を展示。絵本の中に入り込んだような、没入感に包まれるのも楽しそう。

「絵本、挿絵、カレンダーなどで、だれもが目にしたことのある、いわさきちひろの作品。ちひろは、家庭生活と作家活動を両立させて、たくさんの作品を生み出しました。その創作の源をぜひ探りにきてください!」と広報担当者さん。

会場では、ちひろ美術館・東京館長である黒柳徹子さん出演の映像番組「黒柳徹子さんと『いわさきちひろ』」のダイジェストも展示されるので、作品と合わせて楽しんで。

生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。 ポスター

イベントDATA

イベント名
生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。
開催場所
東京ステーションギャラリー
会期
2018/7/14(土)~9/9(日)
開館時間
10:00~18:00(金曜 ~20:00、入館は閉館30分前まで)
休館日
7/16、8/13、9/3をのぞく月曜、7/17(火)
入館料(前売)
一般1000円(800円)、高校・大学生800円(600円)、中学生以下無料
ホームページ
生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。特設サイト
東京ステーションギャラリー外観

東京ステーションギャラリー

電話番号
0332122485 0332122485
住所
東京都千代田区丸の内 1-9-1 Map
交通アクセス
JR「東京駅」丸の内北口改札前、東京メトロ丸の内線「東京駅」より徒歩3分、東西線「大手町駅」より徒歩5分、千代田線「二重橋駅」より徒歩7分

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