市川猿之助さんインタビュー!何度でも観たくなる、スーパー歌舞伎Ⅱ『新版 オグリ』

スーパー歌舞伎II 新版 オグリ

セリフはすべて現代語かつ、歌舞伎の枠にとらわれない壮大な演出が話題の「スーパー歌舞伎」。2018年5月まで上演されたスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』は40万人以上を動員しファンの裾野を広げた。そして令和初となる新作はスーパー歌舞伎の伝説の舞台として名高い『オグリ』を一新し、市川猿之助・中村隼人の交互主演で初上演。座頭をつとめる四代目市川猿之助さんに見どころを聞いてきました。

更新日:2019/09/27

スーパー歌舞伎II 新版 オグリ

時代を越えて愛され続ける『オグリ判官』を大スペクタクルに進化

『オグリ』は説経節の代表作で中世から語り継がれる『小栗判官』が原作。妻・照手姫(てるてひめ)の一門に殺されたオグリが、閻魔大王によって変わり果てた餓鬼病(がきやみ)の姿で甦り、苦難の末に人生の歓びを見つける波乱万丈の物語。


――まずは、この『オグリ』についてお聞かせください
「高貴な人が落ちぶれ、試練を克服する貴種流離譚(きしゅりゅうりたん)は、日本人に好まれる典型的な王道ストーリーなんですよ」と猿之助さん。再演を繰り返しても、決して飽きさせない骨太な魅力があるという。

「スーパー歌舞伎の創始者である市川猿翁が『オグリ』を上演したのが平成三年。当時は鏡張りの舞台が注目されたけれど、本当は映像を流したかったそうです。ただ当時は、それだけの舞台をつくるには莫大な費用が必要であったため断念。『新版 オグリ』では映像を駆使した大スペクタクルを考えています。伯父(猿翁)のやりたかったことが、三十年の時を越えてようやく実現するんです。」

スーパー歌舞伎II 新版 オグリ

小栗判官がストリート系に?血の池地獄の立廻りも見逃せない

――今回の『オグリ』は、どのような演出になるのでしょうか?

「“演出”に私の名前が入っているけれど、実質的にはアドバイザーのような立ち位置。今回は演出家の杉原邦生くんにまかせているから、今までの発想にはない新たな歌舞伎が見せられるはず」と期待をにじませる。たとえばオグリが「オグリ党」として仲間と徒党を組むシーンでは、衣裳にストリート系ファッションを取り入れる予定だとか!

「オグリ党は現代でいえば、街にたむろしているやんちゃ集団。中村隼人くんがオグリを演じる際には帽子を逆さにかぶったりして、今どきのワルっぽさを出します。私? 私はさすがにヒップホップ系は勘弁してもらいました(笑)」
と猿之助さんも言うように、実は今回の主演2人の演出はそれぞれ異なったものになるそう。


また、「従来の『小栗判官』では、オグリが人食い馬の鬼鹿毛(おにかげ)を乗りこなし、曲芸を見せる場面も見どころのひとつだったが、今の人にとっては馬に乗ったところで普通の演出になってしまうので、なにか驚くようなことをしたいね」と猿之助さん。

「むしろ、オグリが地獄に堕ちてからが今回はおもしろいよねと話しています。血の池地獄でびしょ濡れになりながらの大立廻りをするとか。ただ、杉原くんが地獄だから“赤色”っていうのはありがちなので、真っ白な世界はどうだろうかと言い出しました。(発想が新鮮で)びっくりしますよね」

舞台のテーマは「歓喜」。見た人誰もが幸せになれるデトックス歌舞伎にしたい

――『ワンピース』では観客もタンバリンを振り、舞台と一体となって盛り上がったが、今回、観客参加の演出は?

「新作では、みんなでうわーっ!と踊りたいと思っています。艱難辛苦(かんなんしんく)を乗り越えたオグリの先に待っているのはハッピーエンド。劇場全体が喜びの渦に包まれるような舞台を作り上げたいです」


『新版 オグリ』はいわば心のデトックスになる歌舞伎だと笑う猿之助さん。現在、役作りのために準備していることを訊ねると「前もってなにもしないのが、私なりの準備」と話す。

「舞台に立った瞬間に気持ちがその役に切り替わるから、セリフもアドリブもごく自然に出てくる。逆に本を読み込むと失敗することが多いかな。だから台本も本読みのギリギリ前になって開くのが常。『オグリ』の概要ももらったけど、まだぜんぜん読んでいないですよ。なんて言ったら、みんなにバレちゃうけど(笑)」



高いエンタテイメント性はお墨付きのスーパー歌舞伎Ⅱ。壮大なスケールで描かれる『新版 オグリ』は初心者だけでなく歌舞伎ファンをも虜にしてくれるはず。今から上演が待ちきれない。

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スーパー歌舞伎II 新版 オグリ

芸術の秋にふさわしいお出かけをご紹介。まずは、新進気鋭のアーティストたちが手がけた芸術的な個室や半個室で、食通を魅了する鉄釜飯や炭火でさっと炙った高原豚肩ロースをはじめ、まるでディナーのようなボリュームの6皿が楽しめる。感動的なランチを堪能した後は、ミッドタウン日比谷のショッピングなど楽しみながら新橋演舞場へ。市川猿之助と中村隼人が交互出演するスーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)『新版 オグリ』を鑑賞して。新橋演舞場初の左右同時両宙乗りなど派手なパフォーマンスに大興奮。 かつてないスケールと壮大なスペクタクルにあふれた超大作活劇に鳥肌が立つかも!

ピピン

PROFILE

市川猿之助(いちかわえんのすけ)
昭和50年生まれ。父は四代目市川段四郎。伯父には三代目市川猿之助(現猿翁)。昭和58年7月歌舞伎座『御目見得太功記』で、二代目市川亀治郎を名乗り初舞台。平成24年6・7月新橋演舞場『二代目猿翁 四代目猿之助 九代目中車 襲名披露公演』において、四代目市川猿之助を襲名。立役から女方まで幅広く活躍し、古典作品はもちろんスーパー歌舞伎Ⅱや新作歌舞伎にも意欲的に取り組む。現代演劇、映画、ドラマなどにも多数出演している。

スーパー歌舞伎Ⅱ 新版 オグリ

<あらすじ>
毘沙門天の申し子で武術や馬術にも長けた美貌の若者・小栗判官=オグリは、相模の国の照手姫とめぐり合う。しかし、恋に落ちたふたりは掟を破って契りを交わし、オグリは姫の父に殺されてしまう。閻魔大王の前にやってきたオグリは、地獄で大立廻りを繰り広げるが、ついには捕えられ、餓鬼病(がきやみ)の姿として娑婆へ送り返される。変わり果てた姿に歩くこともままならず、善意の人が曳く土車に乗り、治療のために熊野をめざすこととなる。
その道中、照手姫と運命的に再会するが、姫は気づかない。果たしてオグリは元の姿に戻ることができるのか、そして照手姫との恋の行方は・・・。

スポット名
新橋演舞場
住所
東京都中央区銀座6-18-2
交通アクセス
都営大江戸線「築地市場駅」A3出口より徒歩3分、東京メトロ日比谷線・都営浅草線「東銀座駅」6番出口より徒歩5分
原作
梅原 猛
演出
市川猿之助、杉原邦生
出演
市川猿之助、中村隼人ほか
公演日程
2019/10/6(日)~2019/11/25(月) 昼の部 11:00開演~ 夜の部 16:30開演~
料金
1等席16500円、2等A席9500円、2階B席6500円、3階A席6500円、3階B席3000円、桟敷席17500円

WRITING/YUMIE NAKAZAWA

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