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金沢は伝統工芸の宝庫。手仕事のクラフトが生まれる場所をひとりで訪ねたら、お店の人がいろんなことを教えてくれる。手仕事の美しさを知れば、今まで以上に伝統工芸の町・金沢への興味が湧いてくるはず。
守り続けるだけではない、伝統の受け継ぎ方
- 加賀毛針の老舗「目細八郎兵衛商店」のギャラリーショップ「MEBOSO FEATHER CRAFT GALLERY」では、加賀毛針の技術を応用したフェザーアクセサリーが並ぶ。アクセサリー作りを始めたのは15年ほど前。20代目の目細勇治さんが「毛針の魅力を広めたい」との思いからスタート。伝統を受け継ぐということは、古いものを作り続けるだけでなく、時代に合った新しい形を提案していくこと。そんなことを考えさせてくれた。
加賀毛針って?外様大名ゆえに江戸幕府から厳しく監視されていた前田家。武士たちも大っぴらに武芸を磨くことはできず、ひそかな鍛錬のために鮎釣りが奨励され、加賀毛針が発展。鳥の羽根や金箔を使って川虫に似せるなど繊細な美しさが特徴。
- 1.ホロホロ鳥などの羽根を使ったリング付きピアス4960円 2.加賀銘菓をモチーフにした和菓子待ち針などの新作も 3.手前から時計回りに毛針と羽毛のピンブローチ4320円、毛針付きブローチヘアパーツ4960円、カワセミのヘア&ブローチ6480円。美しいターコイズブルーはカワセミの羽根の天然の色
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- DATA
- MEBOSO FEATHER CRAFT GALLERY(メボソ フェザー クラフト ギャラリー)
- TEL 076-255-3666
住所 金沢市安江町12-1
営業時間 9:30~17:30 火定休 カード可
アクセス JR金沢駅東口より徒歩10分
伝統への敬意がこもった、普段使いできる水引細工
- 加賀水引を普段使いしてほしいと、アクセサリーなどに仕立てている「自遊花人」。今年2月にはオリジナルの黒ラメやパステルカラーなど、新色も登場。ただ、水引作家の廣瀬由利子さんは言う。「人にものを贈る際、相手を敬う気持ちを表したのが水引のはじまり。そんな日本の心や、加賀水引の伝統に対する尊敬の念を忘れずに、品格のあるものを作らないと」。そんな作り手たちの心が伝統工芸を支えているのだと気付かされた。
加賀水引って?水引そのものは長野県や愛媛県、京都府で生産されており、金沢では水引を結ぶ水引細工が盛ん。水引を立体的に細工するのが特徴で、大正時代に初代・津田左右吉が独自に考案したものが、加賀水引として定着した
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- DATA
- 自遊花人(じゆうかじん)
- TEL.076-244-6441
住所 金沢市清川町7-9
営業時間 11:00~17:00 日・祝定休 カード可
アクセス JR金沢駅東口より「城下まち金沢周遊」バス左回りルートで約15分、桜橋下車徒歩5分
- 1.ひとつ珠のリング大は各3500円。カラーバリエーションは全13色 2.水引細工の基本、あわじ結びを立体的に結んだ香袋4500円 3.整った丸を立体的に作るのは熟練を要する作業。要予約ながら体験教室も行っているので、気軽に問い合わせてみて
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- 北陸のもの作りを伝える
セレクトショップ -
石川、富山、福井と、北陸3県のものを集めたショップ。スタッフはもの作りの現場に足を運んでいるので、心に残る深い話が聞ける。「気に入った商品の工房を訪ねたり、『次は能登に行こう』と思ったり。そんなきっかけになれば」とマネージャーの大蔵さんは言う。旅のヒントがもらえる場所でもある。
DATA 〔g〕ift 金沢広坂店(ギフト)
TEL 076-222-2126
住所 金沢市広坂1-2-18-1F
営業時間 10:00~18:00 月・火定休(祝の場合は翌平日休) カード可
アクセス JR金沢駅東口よりバスで約10分、広坂・21世紀美術館下車すぐ
- 北陸のもの作りを伝える
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- 同じものはふたつとない
色鮮やかな手まり -
手まりの専門店「毬屋」。同じものはふたつとない手まりをじっくり見比べているうちに、華やいだ気分に。土台となる玉の上に200色もある色とりどりの糸を3方向、4方向にかがっていくことで、美しい幾何学模様を描き出す。鮮やかな手まりがいっぱいの店内であなたのお気に入りを見つけて。
DATA 加賀てまり 毬屋(まりや)
TEL 076-231-7660
住所 金沢市南町5-7
営業時間 9:30~18:00 火・水定休 カード可
アクセス JR金沢駅東口よりバスで約7分、南町・尾山神社下車すぐ
- 同じものはふたつとない