元日に、お雑煮やお屠蘇をいただく理由とは?

子どものころから、元日の朝は家族そろって食事をしたもの。そのとき必ずといっていいほど食卓に並ぶのが、お雑煮とお屠蘇。それぞれにどんな意味があって、どうして元日にいただくのか。由来やしきたりについてご紹介!

更新日:2019/12/05

神様の魂が宿ったお餅を食べる“お雑煮”

お雑煮は、年神様に供えたお餅を神棚からおろし、年神様の魂が宿った「年魂」=「お餅」を食べるための料理。年神様と食事を共にすることで、そのご利益にあやかるといわれてきた。

お雑煮を作るときの習わし”若水”

お雑煮は“若水”と呼ばれる元旦に始めてくむ水で煮るのが本来の習わし。若水を飲むと1年の邪気をはらうといわれている。かつては井戸水などをくんでいたが、現代では水道水でいいので、簡単に取り入れることができそう。

お雑煮は地域ごとに味がいろいろ!

だしの味、餅の形、具材など、お雑煮は地域によって千差万別。醤油味のすまし汁で作る地域もあれば、白味噌仕立ての地域もあり、焼いた角餅を入れる地域もあれば、丸餅をとろりと煮る地域も。お雑煮にはそれぞれの家のルーツがあるので、手作りするときには“出汁とお餅”だけでも家の味を再現してみて。

【全国のユニークなお雑煮】
●岩手県・・・お餅に甘いクルミだれをつけていただく“クルミ餅雑煮”
●広島県・・・出世魚のブリをまるごと1匹使った“ブリ雑煮”
●香川県・・・白みそ仕立てのお雑煮にあんころ餅を入れる“あんころ餅雑煮”

お屠蘇で1年の長寿健康を願う

【お屠蘇の由来/漢方薬を浸したお酒のこと】
元日の朝に、家族で新年のあいさつをしたら、家族が1年健康で過ごせるように祈りながら飲むのがお屠蘇(とそ)。お神酒と同じ清酒と思われがちだが、お屠蘇は10種類近くの漢方薬を浸した薬酒のことで、元旦に飲むとその年は病気をしないと言い伝えられている。

昔は日本酒やみりんに漢方薬を浸して作っていたが、いまはスーパーなどで完成品を買うことができる。また、「屠蘇散」「屠蘇延命散」という“お屠蘇の素”もあり、ティーパックで手軽に手作りもできる。

【お屠蘇のマナー/若い人から順番に飲む】
お屠蘇は、正式には三つ重ねの盃でいただくが、なければ手持ちの酒器でもOK。若い人の生気を年長者に渡すという意味で、若い人から年長者へと順番に盃をすすめていくのがしきたり。お酒が苦手な人は口をつける真似をするだけでもご利益がある。

こうやって取り入れよう!全国のお雑煮を食べ比べしてみよう

全国各地にさまざまな味のあるお雑煮。でも、自分の故郷の味以外はなかなか食べる機会がないもの。新年はお正月グルメが楽しめるイベントが、百貨店や商業施設のレストランなどあちこちで開かれるので、全国のお雑煮を食べ比べにぜひ足を運んでみて。お雑煮以外にも、お餅のスイーツなど新年にふさわしいメニューがいろいろ味わえそう!

お話を伺った方/三浦康子さん

和文化研究家。ライフコーディネーター。古をひも解きながら今の暮らしを楽しむ方法を、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案している。All About「暮らしの歳時記」、キッズgoo「こども歳時記」などを立ち上げ、子育て世代に“行事育”を提唱している。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、『おうち歳時記』(朝日新聞出版)ほか多数

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