フェムテック&フェムケアで私たちの生活はどう変わる?そのメリットと注意点とは
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フェムテック&フェムケアで私たちの生活はどう変わる?そのメリットと注意点とは

更新日:2022/02/22

最近目にすることが多くなってきた「フェムテック」や「フェムケア」という言葉。フェムテックとは女性の健康問題を解決するためのテクノロジー、フェムケアとは女性の健康問題をケアする製品やサービスをさすのだそう。いったいどんなものなのか、産婦人科医の柴田綾子さんに聞いてみた。

現状のフェムテック&フェムケア利用は月経管理アプリや布ナプキンなどが中心
アンケート:オズモール調べ 2022/1/18~25 N=896

現状のフェムテック&フェムケア利用は月経管理アプリや布ナプキンなどが中心

女性の健康に関して、近年のトレンドのひとつと言えるフェムテックやフェムケア。オズモールのアンケートでは、「フェムテックという言葉自体を知らない」という人が65.0%、「言葉は聞いたことがあるが内容がよくわからない」が20.1%、「内容をある程度知っている」という人と「内容を人に説明できる」という人があわせて15.0%と、現時点ではまだ認知が広がりつつある最中という感じ。

フェムテックやフェムケアには、“生理の管理やケア”“女性ホルモンのチェックや症状のケア”“妊活や不妊治療の支援”“妊娠中や産後のケア”“性や生殖に関する健康”などのジャンルがあるのだそう。こうした商品やサービスのうちでオズモール読者が利用したことがあるものは、「月経管理アプリ」が最も多くて17.4%。次いで「布ナプキン」が7.6%、「オーガニックナプキン」が6.7%。やはり、生理に関する商品やサービスの利用が多いみたい。

フェムテックでどんな悩みを解決したいかという質問についても、「生理痛やPMSを管理したい」(みかんさん/32歳・会社員)、「生理期間を気分的にラクに過ごしたい」(momomoさん/33歳・会社員)など、生理の管理やケアに関する回答が多数。そのほか「更年期障害の兆候やその症状をやわらげる方法が知りたい」(Fuさん/39歳・会社員)などの更年期対策や、「妊娠しやすい体づくり」(こんさん/34歳・公務員)といった妊活・不妊ケアにも、多くの関心が寄せられていた。

日常生活のなかで不調対策ができるのがフェムテック&フェムケアの魅力

日常生活のなかで不調対策ができるのがフェムテック&フェムケアの魅力

そもそもフェムテック(Femtech)とは、「Female(女性)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語で、2013年にドイツで生まれた考え方。そしてフェムケア(Femcare)は「Female」と「care(ケア)」を組み合わせた造語で、どちらも社会で活躍する女性を支援するために広がっていった動きなのだそう。

「女性の活躍が増える一方で、生理にともなう不調によって仕事に支障をきたしてしまう、育児や不妊治療によって仕事を続けられないといった女性特有の悩みが表面化してきた一面があります。しかし、生理や女性ホルモンなどの影響で『調子が悪いな』と思っても、よほど症状が強くない限りなかなか病院には行きにくいと感じる女性も多いようです。そうした女性の不調対策を日常生活のなかでサポートするものとして、フェムテックやフェムケアを役立てていただけたらと思います」(柴田さん)

確かに、生理周期や排卵日を予測する月経管理アプリ、シリコンのカップを腟の中に入れて月経血をためる月経カップ、月経血を吸収する機能を備えた吸水ショーツなどは、女性ならではの健康問題の解決に大いに役立ちそう。フェムテックやフェムケアの技術はどんどん進化していて、将来的には日常生活のなかで病気や体調の異変を早期に発見できるようになったり、自宅で簡単な検査や診察が受けられるようになったりと、より健康的で快適な生活を送れるようになる可能性があるのだと、柴田さん。

その一方で、フェムテックのひとつとしてセルフプレジャーグッズが取り上げられることも多いけれど、フェムテックの考え方とどう結びつくものなの?

「フェムテックやフェムケアには、“性や生殖に関する健康”という考え方もあります。これには“性行動を健康に保つこと”や、“性の快楽を自分で楽しむこと”も含まれており、それらが体や心の健康にもつながっていくのです。生理にともなう痛みやつらさなどの不調が改善されることと同じくらい“性や生殖に関する健康”も重要なので、悩んでいる方は、ぜひ一度産婦人科にも相談してください」(柴田さん)

安全性や信頼性、個人情報の取り扱いをしっかり確認して利用しよう

安全性や信頼性、個人情報の取り扱いをしっかり確認して利用しよう

フェムテックやフェムケアは世界的なトレンドであり、新しい技術もどんどん開発されているとか。この動きがいち早く始まった海外のフェムテックのなかには、たまった月経血の量と色の分析や基礎体温の測定などができる月経カップ、付着した月経血で子宮頸がんや性感染症の検査ができる生理ナプキン状のパッド、微弱の電気刺激によって生理痛を緩和するウエアラブルデバイス(装着型の機器)といったものまで登場しているのだそう(いずれも日本では未発売)。

「日本は世界に比べてやや数は少ないものの、経済産業省がフェムテックやフェムケアの実証事業を支援してます。オンラインによる不妊治療支援や働く更年期女性のキャリアを支援する相談窓口事業など、さまざまなサービスが登場しています」(柴田さん)

女性のライフステージ全般に関わるからこそ、フェムテックやフェムケアの種類はとても幅広く、今後もさまざまなサービスや商品が登場してくるはず。そうした新しいフェムテックやフェムケアを取り入れる際には、どんなことに注意したらいいの?

「まずは、安全性や信頼性について、メーカーのホームページなどを見てよく確認することが大切です。医療製品の安全性は、研究や試験などの科学的根拠にもとづいていなければなりません。口コミは科学的根拠とは言えないので、口コミ情報での宣伝や効果をうたっている製品やサービスは慎重に検討すべきでしょう。また、アプリなどの利用ではデリケートな個人情報が取り扱われる場合があります。プライバシーがしっかり守られているかどうか、事前によく確認することが大切です。そして、フェムテックやフェムケアばかりに頼りすぎず、不調が改善されないときは婦人科に相談してください」(柴田さん)

私たちの生活をどんどん快適に変えてくれそうな、フェムテックやフェムケア。安全性や信頼性に十分注意したうえで、積極的に活用してみよう。

教えてくれた人

柴田綾子さん

淀川キリスト教病院産婦人科医長。2011年群馬大学医学部医学科卒業。 沖縄県立中部病院を経て、2013年より淀川キリスト教病院産婦人科に勤務。2020年より現職。著書に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社)、『患者さんの悩みにズバリ回答! 女性診療エッセンス100』(日本医事新報社)などがある。

【特集】プチ不調や身体の悩みを解消!すこやかなココロとカラダへ

不安定な状況のなかで気になる、ココロとカラダのプチ不調。病院に行くまでもない・・・と我慢してしまったり、解決策を探そうと思っても世の中には情報が溢れすぎていたり。そんな働く女性たちに寄り添う“保健室”のような存在をオズモールはめざします。
記事や動画、イベント・セミナーなどを通して楽しみながら学んで、ココロとカラダに向き合って、自分らしい美しい花を咲かせて。

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WRITING/TOMOKO OTSUBO

※記事は2022年2月22日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります